みなさんは「ヒバカリ」というヘビを知っていますか?
ヘビの名前としてはちょっと変わった感じがしますが、これは咬まれてしまうと「その”日ばかり”の命」ということから、そう名付けられたと言われています。
ということは、もしかしてマムシなんかよりもとても危険!?
しかしそんなヒバカリ、ペットとしても人気があるんです。
今回はヒバカリがどのくらい危険なのか、その生態や飼育方法などについて紹介していきたいと思います。
ヒバカリの生態
ヒバカリは、北海道から九州にかけて広く分布しているヘビです。
とても物騒な名前をしていますが、実は…「まったくの無毒」なんです!
まったく毒を持っていないどころか、とても大人しくて人を咬むことすら滅多にありません。
その上、歯がとても小さいのでもし咬まれたところで大して痛くもないので、とても安全なヘビと言えます。
ではなぜ「その日ばかり」なんて言われていたんでしょうね。
体長は大人になっても40~65cmほどと、とても小さなヘビです。
黒みがかった茶色の体で、頸部に襟のような白いラインが入っているのが特徴。
平地から低山地にある森林の、主に水辺に生息しています。
その小さな体とかわいらしい顔つき、大人しい性格から、ペットとしてもじわじわと人気が出てきているんです。
ヒバカリの飼育方法
ここからは、ヒバカリを飼育したいという人のために、飼育方法についてまとめてみました。
飼育する際の参考にしていただければと思います。
どうやって手に入れる?
ヒバカリはペットショップで販売されていることがあります。
価格は約2000円程。
しかし販売されているものは野生の個体を採集してきたものがほとんどで、特に冬眠している個体を採集したものは体調が不安定である傾向があります。
後ほど詳しく説明しますが、ヒバカリは元々とても飼育が難しいヘビです。
それに加えて体調が不安定だと、下手をするとワンシーズンで死んでしまう場合があるので、購入する場合はどの時期に採集されたものなのか、健康状態はどうなのかなど、よく見極めなければなりません。
また、自分で採集するという選択肢もあります。
時期はヒバカリが冬眠から覚めて活動を始める春以降、特に幼蛇を捕まえたい場合は、夏ごろに産卵・孵化するのでその時期がおすすめ。
活動時間は朝夕が多いので、そういった時間帯に田んぼや池などの水辺付近を探してみましょう。
見つけたら手で捕獲するのが一番手っ取り早くて確実です。
実は私もヒバカリを2匹飼育しているのですが、どちらも庭と裏山との間にある湧き水が流れている付近で発見しました。
姿さえ見つけられれば、あとは瞬発力との勝負です。
逃げられないうちに捕まえましょう。
必要なもの
1.飼育ケース・ケージ
ヒバカリは体は小さいですが、餌を食べる時に体を伸ばす必要があることから、体の割に大きなケージが必要になります。
体長が40~65cmほどですから、それに合わせた大きさを選びましょう。
湿気がこもるのは良くないので、通気性が良く、さらに脱走防止のために蓋がきちんと閉まるタイプのものをおすすめします。
2.水入れ
脱皮の時に全身浸かる必要があるので、体が十分に入る大きさのものにしましょう。
ヒバカリの場合はオタマジャクシやメダカなどを食べるので、餌入れと併用する場合は、それらが飛び出てしまわないように蓋の一部だけ丸く穴が開いているタイプのものがおすすめです。
水は常に綺麗な状態にしておいてください。
3.床材
ある程度の湿気が必要なので、湿らせた水苔の上に土を乗せるのが一般的。
しかしヒバカリは糞が多い上に、餌のミミズが土の中に逃げてしまうことがあるので、我が家では新聞紙を床材にしています。
そこに小さめの植木鉢などを使って「水苔ゾーン」「土ゾーン」を作って置いています。
この方法で、今のところ問題は起きていません。
温度管理
ヒバカリは体が小さい分、気温の影響を大きく受けてしまうので、暑すぎても寒すぎても死んでしまう危険性があります。
適温は22~25度と言われているので、暑い時期は日陰の涼しい場所に、寒い時には日の当たる暖かい場所にケージを移動してあげてください。
冬眠をさせない場合は、ヒーターなどを使い保温する必要があります…が、冬眠をさせたほうが圧倒的に楽ですよ。
何を食べる?
ヒバカリは他のヘビと違ってピンクマウスを食べません。
それゆえに、ヒバカリの飼育で一番困難なのは餌の調達と言われています。
餌となるのはミミズ、オタマジャクシ、カエル、メダカ、ドジョウなど。
個体によって好みも違うので、それぞれに合った餌を用意する必要がある上に、餌切れに弱く常にこれらの餌を用意しておかなければならないのが難点です。
我が家では畑で採集したミミズをプランターの中に大量にストックしておき、毎日数匹与えています。
2匹いるので、毎週末ミミズ探しをしなければいけないペースです…。
その他にも季節によってオタマジャクシを採集して与えていますが、ある程度環境が整わないとここまで餌を確保しておくのが難しいと思います。
ヒバカリについてのまとめ
ヒバカリは小さくて大人しいので、飼いやすいと思って手を出してしまう人が後を絶ちません。
しかし、他のヘビに比べてもとても飼育難易度の高いヘビなのです。
安易な気持ちで飼育はできません。
しかし…ヒバカリはめちゃくちゃ可愛いです。
もしどんな苦労でも耐えられる!という人がいれば、ぜひ飼育してみてほしいです。
(ライター もんぷち)