ニホントカゲとカナヘビはどちらも爬虫類です。
どこをどう見れば見分けることができるのでしょうか?
ニホントカゲ
ニホントカゲはニホン、という言葉がつくように、日本のほぼ全域に生息するとされる日本産のトカゲです。
分類上はトカゲ科トカゲ属のニホントカゲ(plestiodon japonicus)です。
このトカゲ科はスキンク科とも呼ばれており、爬虫類であるトカゲの仲間でも体表がつるりとした滑らかなウロコのあるトカゲのグループです。
世界で最も種の多いトカゲの仲間だそうです。
ニホントカゲの特徴
ニホントカゲは土のなかに巣穴をつくり生活しています。
日当たりのよい場所を好み、比較的市街地に近い場所にいることもあります。
昼間活動する昼行性であり、草地や山地などを好むようです。
初夏に石の下などに産卵し、メスが孵化まで卵を守るのが特徴のひとつです。
一度に産まれる卵は4、5個ほどで、白っぽいごく普通のちいさな卵です。
周囲の水分を吸い、卵が成長します。孵化するのは7月頃で、ニホントカゲの幼体は生まれてすぐだと体に赤いヘソのようなものをつけているのが特徴です。
このヘソのような部位はすぐに体に吸収されます。
ニホントカゲの繁殖期は4月~5月頃とみられ、オスのニホントカゲはその時期顔のあたりが赤くなります。
また、オスの縄張り意識が強いのも特徴です。ニホントカゲは昆虫やクモ類など自分より体の大きい生物を食べることもある肉食です。
ニホントカゲは基本的に全国にいる日本を代表するトカゲですが、近年分類が変更され、東日本から北部に生息するニホントカゲはヒガシニホントカゲ(plestiodon finitimus)とされるようになりました。
外見の特徴として、ニホントカゲの幼体の尾が青いことがあります。尾が青いのは子供のニホントカゲのみで、全体的には黒い体色に背と側面に縦条という縦に入った線があります。
ニホントカゲは成体になると全身が光沢のある茶褐色になります。体側面には濃い色の縦ラインが入ります。
歩き方の特徴は、お腹を地面につけて這うように動くことです。
成体のニホントカゲは全長20~25cmほどで、体型や動きを見るといかにもトカゲっぽく、わりとどっしりしており、しかもすばしっこい生物でもあります。
冬になり気温が下がると冬眠します。ニホントカゲの姿が見られるのは4月から10月頃のようで、寿命は5年程度とされています。
天敵から逃げるために行うとされる尾切りもしますが、ニホントカゲの場合は数回行うこともあるようですね。
カナヘビについて
カナヘビとは、同じく爬虫類のカナヘビ科カナヘビ属の総称です。
日本で単に「カナヘビ」という場合は、ニホンカナヘビ(takydromus tachydromoides)のことをさす場合が多いようです。
ニホンカナヘビも日当たりのよい場所を好みますが、生息地は岩場などのことが多く、成体は5月~11月にかけて見られます。
春から夏にかけて3回ほど土があるところに産卵します。
卵は周囲の水分を含み膨張します。40日ほどで5、6cmほどの幼体が産まれます。
ニホンカナヘビの孵化ですが、まず卵に含まれた水分が流れ出し、卵がもとの大きさに戻ってから幼体が出てきます。
ニホンカナヘビの卵には、幼体が出てきやすいように切れ込みが入っており、そこから頭を出して産まれてきます。
成体になるまで約1年です。カナヘビの幼体は全身が黒く、ひょろりとしています。トカゲの特徴である、尾切りもしますが、一度尾を切ると再生された尾が小さくなってしまいます。
昆虫やクモ類などを食べる肉食です。ニホンカナヘビの特徴は舌先がふたつに分かれている点です。
歩き方の特徴として、ニホンカナヘビは腹を地面にくっつけずにすいすい歩きます。
成体のニホンカナヘビは全長18cm~25cmほどになり、体色は褐色でニホントカゲと比べると全体的に細く尾が長いトカゲです。
ウロコが乾いた感じに見えるのも特色です。寿命は野生下だと7,8年とされます。
なんとなくヘビのようなニホンカナヘビです。
ニホントカゲとカナヘビの違い
幼体の場合
ニホントカゲの幼体は尾が青いので、容易に見分けることができます。
成体の場合
歩き方を見てみると、ニホントカゲの方がより爬虫類らしく地を這うように移動し、長い尾がそれを支えているように見えます。
ニホンカナヘビは、小さいヘビに手脚がついたものがするする動いている、というような感じです。
見た目の違いは皮膚の質感です。ニホントカゲはメタリックな光沢がありますが、ニホンカナヘビは乾燥した褐色のトカゲで表面はざらざらしています。
また、ニホントカゲは成体になると体格が立派になりますが、ニホンカナヘビは頭部と胴体がくびれていてやや華奢な感じです。
(ライター:おもち)