ナミヘビ科の小さなヘビ、ヒバカリをご存知でしょうか?
名前のヒバカリには意外な理由が・・・・。

ヒバカリの特徴と生態

ヒバカリはナミヘビ科のヒバカリ属に属するヘビ。
体長は40~65㎝ほどで、蛇の中では小さ目。

 

淡褐色で穏やかな性格をしていますが、追いつめられると鎌首をもたげて音を出して威嚇する攻撃性も持ち合わせています。
平地から低山地にある森林に生息していて、水辺を好み、泳ぎがとても上手です。

 

薄明薄暮性ですが、雨天時には昼間も活動します。
基亜種は10~4月に冬眠し、5~6月に交尾をします。

 

一匹のメスをめぐって5~6匹のオスがボール状に群がる姿が目撃されたりもしています。

メスは7~8月に2~10個の卵を産み、卵は約一か月ほどで孵化し、15㎝ほどの黒い幼体が誕生します。
幼体は孵化する時には自分の持っている卵歯という特別な器官で卵にカッターナイフで切ったような切り目を入れます。

 

そこから外の様子を伺い、危険がある時にはなかなか卵の中から出てこようとはしません。

この時から既に自分の身をしっかりと守っているというわけです。
ヒバカリの食性は動物性で、魚やカエル、ミミズなどを好んで食べます。

 

飼育する時は色々な種類の昆虫や小動物をお腹いっぱい与えることが最も重要と言っても過言ではないほどで、野生化でも色々な種類を食べていると考えられています。

ヒバカリの名前の由来

ヒバカリは追いつめられた時の攻撃性から、昔は毒を持っていると考えられていました。
いったん噛まれてしまえば、噛まれたものの命はその日ばかり、というところから「ヒバカリ」という名前がついたのだとか。
でも、安心してください。火ばかりは無毒です。

ヒバカリの飼育

ヒバカリは大人しくて、きれいな色をしていて、しかもサイズの小さいのでペットとして飼いたいと思う人が多いのも事実。
しかし、ヒバカリを飼育するのはそう簡単なことではなさそうです。

実際、小さいヘビは温度や湿度の変化を受けやすく、エサ切れや水切れなどにも弱い個体です。
一旦病気になったら、手の施しようがなくなるのもヒバカリの特徴です。

 

何に対しても体制が低く、ぎりぎりのところでめいいっぱい生きているというのがヒバカリなのです。
エサに関しても、他のヘビのようにピンクマウスを与えておけば良いというものでもありません。

 

食べるエサは選びますし、一度にお腹いっぱい食べさせないと、冬眠に入った時に餓死してしまう可能性もあります。
一見、飼育しやすそうに見えますが、実際はまるで真逆。
初心者には向かないヘビです。

ヒバカリのまとめ

ヒバカリは小さくて茶褐色の可愛いヘビ。
いつもは穏やかだが、身の危険を感じると攻撃に出る。

 

扱いやすくペットに向いているように思えるが、実は管理が難しく飼育するのは初心者には難しい。
ヒバカリの名前は毒を持っている前提でつけられているが、実際は毒は持っていない。

以上、ヒバカリについてまとめてみました。

 

あまり活動的でないヘビのせいか、データ自体が不足しているらしく、いまひとつ詳しい情報がないヒバカリです。
爬虫類上級者の方はぜひ、ペットとして飼って、その生態を観察してみてください。

 

上手に飼える人にとっては手のひらサイズのヒバカリは、戯れるのにもちょうどよく、愛着の沸くペットになること間違いありません。

 

ちなみにヒバカリは北海道、本州、四国、九州、壱岐、隠岐、五島列島に生息していて、ダンジョヒバカリという種類が日本の男島に生息しています。

どちらも日本の固有種で貴重な存在。
私も一度、早起きして水辺の辺りにでも、可愛いヒバカリを探しに出かけてみようかしら?

(ライター ナオ)