ハツカネズミ属に分類されるハツカネズミ。
アカネズミやハタネズミが野ネズミと言われるの対し、ハツカネズミはドブネズミやクマネズミと共に家ネズミに分類されます。
ハツカネズミの生態
ハツカネズミは体長50~90㎜、体重は10~25gほどです。
体毛は白や灰色、褐色や黒など個体によって様々。
短毛で腹側は淡い色をしています。
耳と尾はさらに毛が短く、45㎝ほどジャンプする力も持っているのだとか。
鳴き声は甲高く、状況に応じて色々な声を出します。
草地や田畑、河原や土手、家屋や商業施設の周辺など様々な場所に生息していて、食性は雑食性。
種子や穀類、雑草、花などの植物から、小型の昆虫、ペットフードや家畜飼料までなんでも食べます。
夜行性で、単独や家族単位で生活しており、家具の隙間などに巣を作ります。
春や秋が繁殖期ですが、条件によっては一年中繁殖しているところもあり、一度に2~7匹の子供を出産します。生まれた子供は12週間程度で性成熟します。
新聞紙や段ボールなどをちぎって家具の隙間などに巣をつくることもあり、ちょっと厄介な存在です。
捕食者はネコやイタチ、フクロウやノリス、アオダイショウなど。
クマネズミと同様、危険な菌を媒介する動物で、サルモネラ菌やレプトスピラ菌、ベスト菌などを媒介します。
ハツカネズミの寿命
ハツカネズミに限らず、家ネズミの寿命はどれも短めで1~2年と言われています。
性成熟が早く、繁殖力は強いのですが、寿命は比較的短いと言えます。
ハツカネズミの名前の由来
ハツカネズミの名前の由来には色々な説があると言われていますが、どれも定かではないようです。
例えば、生後20日ほどの大きさしかない小さなネズミだから、とか妊娠期間が20日しかないから、とか、体が小さいことから僅かしかないネズミが転じてハツカネズミになったとか。
ちょこまかと動くので、はしかいネズミが転じてハツカネズミになったとか。
噛まれてもいたくないので甘口ネズミを書き間違えて廿日ネズミになったとか・・・・・
ハツカネズミと人間のかかわり
それこそ、有名な小説に「ハツカネズミと人間」というものがありますが、実際ハツカネズミと人との関係をいうなら、ペットと飼い主といったところでしょうか。
ハムスターがこれだけ可愛がられているのですから、ハツカネズミも同じようなもの!?と思うのは私だけでしょうか。
実際、ペットとして出回っているハツカネズミはアルビノが多いようで、「アルジャーノンに花束を」の小説に出てくるような真っ白なタイプ。
ハツカネズミはペット以外には実験動物としての役割もあります。
いわゆるマウスと言われるものはハツカネズミ属のネズミをさします。
横浜市の野毛山動物園ではハツカネズミと触れ合えるなかよし広場なるものが設けられていて、多くのハツカネズミと戯れることが出来るのだそう。
ハツカネズミの自然な姿が観察できるのもまた楽しいものかも。
園内では300匹ほどのハツカネズミを飼育しているのだそうです。
一方で先述しましたが、病原菌を媒介する危険性や、固いものをかじってしまう習性から、屋根裏の木材や柱などをかじったり、走りながら尿をしたりするので、害が多いのも事実。
ハツカネズミに関するまとめ
ハツカネズミは日本に生息する家ネズミのうちの一種。
寿命は1~2年ほど。
雑食でなんでも食べ、民家の物置や屋根裏、家具の隙間などに入り込むことも多い。
ペットや実験動物として人間とのかかわりが深い生物でもあるが、害獣としての側面もある。
サルモネラ菌などの危険な菌を媒介するので注意が必要。
名前の由来は諸説あり、特定するのが難しい。
(ライター ナオ)