除虫菊という植物を知っていますか?
別名「シロバナムシヨケギク」とも呼ばれているのですが、この名前を見ればどんな植物なのかは一目瞭然ですね。
この除虫菊には虫が嫌う成分が入っており、蚊取り線香に使われている事で有名です。
そんな植物なので見た目はきっと毒々しいものかと思いきや、実際はマーガレットに似ているとても可愛いお花で、むしろ虫を寄せ付けてしまわないのかな?と思ってしまいました。
というわけで、除虫菊は植えてあるだけでも虫除けの効果はあるのかどうか、疑問を解決していきましょう。
蚊取り線香に含まれている「除虫菊」の成分とは
昔から日本の夏には蚊取り線香が欠かせません。
現在はプッシュタイプや電気式のものが主流になってきましたが、それでもまだまだ愛用者は多く私たちの生活の中で根強く活躍しています。
我が家も虫除けは専ら蚊取り線香派です。
そんな蚊取り線香に使われているのが除虫菊。
除虫菊の原産は地中海や東南アジアあたりだと言われており、日本だけではなく世界各地で昔から虫除けの原料として使われてきています。
除虫菊には「ピレトリン」と呼ばれる成分が含まれているのですが、蚊取り線香が燃える際にこのピレトリンが気化し、蚊の表皮などから体内に入り込んで麻痺させるのです。
あの可愛らしい白い花の中に、こんな恐ろしい成分を持っていたのですね。
人も花も、見かけによらないものです。
いや、綺麗な花にはトゲがあるというし、綺麗な花に毒があるのも意外と不思議ではないのかも?
除虫菊は加工しなくても虫除け効果がある?
さて、ここで当初の疑問である「除虫菊は植えているだけで効果があるのか」についてです。
植えているだけで虫除け効果があるのなら、花も可愛いし庭に植えたいと思う人も多いのではないでしょうか。
もし効果があるのなら、虫除けも出来てお庭やベランダも華やかに、まさに一石二鳥ですよね。
が、しかし。
残念なことに単に除虫菊を植えただけでは虫除け効果はほぼないんです。
なぜかというと、ピレトリンは気化して虫の体内に入ることで初めて効果があるからです。
お花のままでは当然ピレトリンが気化するなんてことはないですし、蚊取り線香のような殺虫・虫除け効果は期待できません。
虫除け効果が完全にゼロということはないにしても、コナジラミなどの害虫が普通にひっついたりしていることもあるようなので…。
やはりはっきりとした虫除け効果を得ようとすると、花を大量に粉末にして燃やすくらいのことはしないといけないようです。
そんなことをするなら、手っ取り早く蚊取り線香買っちゃいますよね、普通は。
除虫菊以外にも。おすすめの虫除け植物
そのままの除虫菊に虫除け効果がないことはわかりました。
しかし、やはり「植えるだけで虫除け!」というお手軽感を諦めることができない…。
そんな人のために、除虫菊以外の虫除け効果がある植物をご紹介します。
それは「ゼラニウム」「ミント」「バジル」「レモングラス」などのハーブ類です。
人間にとってはとても良い香りのするこれらのハーブ。
しかし、虫にとっては逆に大嫌いな香りなんです。
ハーブは見た目もおしゃれですし、料理に使ったりもでき、まさに一石二鳥どころではない!
決して蚊取り線香並みに虫除け効果が絶大というわけではありませんが、ガーデニングを楽しみつつ多少の虫除けもできれば、と思う人にはおすすめです。
植物にも香りで虫を寄せつけないもの、人の手を加えて初めて絶大な効果を発揮するもの、様々な種類があるんですね。
そのままの除虫菊に虫除け効果がなかったのは残念ですが、もし機会があれば虫除けとしてではなく観賞用として育ててみてはいかがでしょうか。
(ライター もんぷち)