夏が来ると夏休みに海水浴に花火に…楽しいことが盛りだくさんです。
しかし、そんな楽しい気分に水を差すのが、そう、夏の天敵「蚊」。
蚊は本当に人間にとって百害あって一利なし、音はうるさいし刺されると痒いし、できる限り排除したいですよね。
そんな蚊に対して昔から有効な対策として使われているのが「蚊取り線香」です。
毎年あのにおいを嗅ぐと、夏だなぁって感じがします。
もしもこの蚊取り線香が、蚊以外の虫にも効くとしたらどうでしょう?
一石二鳥どころじゃないですよね!
今回は蚊取り線香の優れた効能について紹介していきます。
どうして蚊取り線香は蚊に効くの?
蚊取り線香には、「ピレトリン」という物質が含まれています。
これは除虫菊に含まれる成分で、蚊取り線香に火をつけて燃えた部分からピレトリンが気化することにより殺虫効果を発揮します。
よく煙に殺虫成分が入っていると勘違いされるのですが、殺虫成分があるのは実は煙ではなくて気化したピレトリンなのです。
(私も勘違いしていました…。)
そうして気化したピレトリンは、蚊の表皮や気門などから体内に入り込み、なんと神経を麻痺させてしまうのです。
近付いただけで見えない成分が表皮から吸収されるなんて、蚊にとってはひとたまりもありません。
そりゃあ死んじゃいます。
また、この除虫菊からの天然成分ピレトリンは昔ながらの蚊取り線香に多く使われていますが、近年販売されている蚊取り線香にはピレトリンとよく似た合成成分である「ピレスロイド」という成分が使われていることが多いです。
ピレスロイドは速効性が高いなど、より優れた効果を発揮します。
科学の進歩により、一見変わっていないように見える蚊取り線香も、進化しているのですね。
蚊取り線香は蚊以外の虫も寄せ付けないのか
そんな優秀な蚊取り線香、蚊以外にも効果があるなら嬉しいですよね。
結論から言うと、蚊以外の虫にも「効果アリ」です。
ただ、どんな虫にも一様に効果てきめんというわけではありません。
蚊のように小さなコバエなどには同様に効果を発揮するようですが、それ以外の体の大きな虫には効果が薄くなります。
ですが全く効果無しというわけではないので、多少の忌避効果は期待しても良さそうです。
これで虫の多い夏を快適に過ごせそうですね。
しかし!一つ重大な注意ポイントがあります。
それは「飼っている昆虫や爬虫類などにも効いてしまう」ということ。
夏と言えばカブトムシやクワガタ、夏の終わりにはスズムシなど、虫を飼育する人も多いはずです。
そういった虫にも区別なく効いてしまうので、蚊以外の虫を飼育している場合には近くで蚊取り線香を焚かないようにしましょう。
トカゲやカエルなどの爬虫類・両生類にも影響を与えてしまう場合があるため、こちらも注意が必要です。
でも昔、飼っていたカブトムシのそばで祖母が蚊取り線香焚いてた記憶が…。
死にはしなかったけど、もしかしたら苦しかったかもしれない。
ごめんよ、あの時のカブトムシ。
人間への影響は?
蚊をノックアウトしてしまう蚊取り線香、人間にも何か悪影響を与えたりするのか?というのが少し心配ですね。
でも安心してください。
人間への影響はほとんどありません。
しかしそれはあくまで「正しい使い方」をしていた場合。
閉め切った部屋で大量に吸い込むなど、正しくない使い方をした場合には吐き気やめまいなどの中毒症状を起こすことも稀にあります。
特に天然成分のピレトリンではなく、ピレスロイドが含まれているものは注意が必要です。
気になる人は、購入前に成分を確認して、ピレトリンが使用された昔ながらの蚊取り線香を選ぶのが良いでしょう。
そして、くれぐれも使用法はきちんと守ってくださいね。
きちんと使えば蚊も退治できて蚊以外も寄せ付けない、蚊取り線香。
最近では使われることも少なくなってきましたが、今年の夏はぜひ使ってみてはどうでしょうか。
(ライター もんぷち)