世界で最も人間を死に至らしめている生き物ってなんだと思いますか?
クマなどの猛獣か、いや毒蛇や毒虫か…そんな危険な生き物たちが思い浮かびますが、実は違うんです。
答えは「蚊」。
とても身近で、そんなに害のある生き物だとは思っていなかった人も多いのではないでしょうか。
夏になると必ず何回かは刺されるし、痒いけれど何がそんなに危険なんだろうか不思議ですね。
2014年、デング熱という感染症の患者が約70年ぶりに国内で確認されたことで、連日報道を賑わせていたのを覚えていますか?
2016年にも新潟県に住む30代の女性がデング熱で亡くなっています。
蚊はこういった病原体の媒体となることで、人から人へと病を運び、死に至らしめているのです。
その数何と年間70万人以上。
猛獣や毒蛇なんかの比じゃないですね。
今回はそんな危険な蚊の中から、「ネッタイシマカ」について見ていきましょう。
ネッタイシマカとは
ネッタイシマカは世界中の熱帯・亜熱帯地域に生息しているヤブカの一種です。
日本ではかつて沖縄などで生息が確認されましたが、現在では姿を消しており、国内での分布はないものとされています。
しかし、過去に天草諸島で異常発生した例もあり、国外から侵入し定着する危険性があるそうです。
病原体を持ったやつには特に入ってきてほしくないですね。
ネッタイシマカの行動範囲は狭く、主に民家の近くに生息します。
水さえあればどこでも発生するので、水槽やバケツのみならず空き缶や小さな水たまりにも注意が必要です。
しかも一度乾燥してしまった卵も、再び水に入れば孵化するらしい…。
すごい生命力ですね。
そのため「ゴキブリのような蚊」とも呼ばれているようです。
ネッタイシマカの駆除
上で述べたように、ネッタイシマカは水さえあればどこでも繁殖できます。
幸い、日本の本州では寒さに耐えられず冬を越せないため、現在までネッタイシマカが繁殖することはありませんでした。
しかしそんな環境にも順応できるかもしれないニュータイプのネッタイシマカも存在するのです。
実際に国内の空港でネッタイシマカが見つかった例もあり、いつ国内で繁殖してもおかしくはないので、駆除するための知識を持っておきましょう。
とは言っても、駆除する方法は日本にいる蚊に対する方法と同じ。
まずは、ネッタイシマカが繁殖できるような場所を作らないことが大切です。
家の周りに水が溜まっている場所を作らないようにしましょう。
落ちているゴミや使っていないジョウロやバケツなど、水が溜まる可能性のあるものは全てチェックしてください。
そして日本の夏の風物詩、蚊取り線香。
蚊取り線香は日本だけでなく、東南アジアなどでも虫除けとして使われているそうです。
蚊取り線香や虫除けを使って、蚊を近寄らせないようにしましょう。
病原菌を持っていなくても、とりあえず刺されると痒いですしね。
ネッタイシマカの不妊化実験
ネッタイシマカ根絶のための対策の一つとして、遺伝子組み換えにより不妊化させるという方法が実践されています。
不妊化したネッタイシマカを野に放つことで、不妊個体と交配した野生の個体は子孫を残せず、数が減るのではないかと期待されているのです。
なんと画期的な方法!
全世界でこれをやれば、蚊のいない世界も夢ではないのでは。
しかしこの方法には突然変異により危険な蚊が出現するリスクや、生態系の混乱などの様々な問題点もあり、予備実験の域を出ていないそうです。
ネッタイシマカ まとめ
ネッタイシマカないろんな国で駆除に尽力しているようですが、まだまだ根絶までには至らないようです。
日本にはいないとはいえ、とても厄介な蚊なので気を付けなければならないですね。
国内で繁殖しないことを祈りたい。
(ライター名 もんぷち)