暖かくなってくるとどこからともなくやってくる厄介な虫、「蚊」。
まず飛んでいる時の音が鬱陶しいですし、刺されると痒くてイライラしますよね。
私も夏になると蚊取り線香に虫除けスプレーにと、蚊対策に力が入ります。
蚊は世界中に分布していて、どこに行ってもで嫌われ者です。
日本では痒みと羽音が嫌われる原因ですが、世界で嫌われているのには別の理由があります。
それは病気を媒介するということ。
実は年間70万人以上が、蚊を媒体とした伝染病によって命を落としているのを知っていましたか?
日本でも2014年にデング熱が発生した際には、蚊の駆除や対策など大々的に報道されましたよね。
蚊は約2500もの種類がいるのですが、今回はその中でも特に危険な「ハマダラカ」について紹介していきたいと思います。
ハマダラカってどんな蚊?
ハマダラカはハマダラカ属に属する蚊の総称です。
実は一言でマハダラカと言っても、その数は460種類もいるんですよ。
世界の熱帯・亜熱帯地域に広く生息しており、日本にもシナハマダラカとコガタハマダラカの2種類がいます。
見た目は茶色っぽく、羽に白と黒の斑紋があるのが特徴です。
また、物にとまる時にはお尻と後ろ足を上げて斜めにとまるという、ちょっと変わった習性があります。
足を浮かせた腕立て伏せという感じでしょうか。
かなりきつそうな体勢ですね。
同じように伝染病を媒介する蚊としてネッタイシマカなどが有名ですが、空き缶程度のちょっとした水があれば繁殖する彼らとは違い、ハマダラカの幼虫は澄んだ水を好みます。
そのため水田や川などの周辺で発生することが多いと言われています。
ハマダラカの脅威「マラリア」
ハマダラカが媒介する伝染病のうち、世界各地で猛威を振るっているのが「マラリア」です。
マラリアはハマダラカが吸血をする際にマラリア回虫が体内に入り込み、高熱などの重篤な症状を引き起こして最悪の場合は死に至ります。
世界ではハマダラカによって年間約2億人以上の人がマラリアに感染していると言われているんですよ。
マラリアの原因って蚊だけなの?くしゃみとかでも感染したりするんじゃない?
「感染症」や「伝染病」と聞くと、人から人へも簡単に感染してしまうイメージがありますよね。
しかしマラリアは風邪のようにくしゃみや咳では感染しません。
唯一の感染経路はハマダラカの媒介によるものなのです。
蚊が媒介するだけで、年間2億人以上が感染…これは恐ろしい事実です。
しかし逆に言えば、ハマダラカにさえ刺されなければ、マラリアになることはありません。
ですがハマダラカを完全に根絶することは不可能に近いので、徹底して予防をするしかないのです。
日本にいるハマダラカは大丈夫?
日本にも2種類のハマダラカがいると言いましたが、果たして彼らはマラリアを媒介する種類なのでしょうか。
日本にはマラリアなんて流行ってないから、大丈夫なんじゃない?と思いますよね。
しかし残念なことに、日本にいるハマダラカもマラリアを媒介する種類なんです。
ではなぜ日本でマラリアが流行しないのかというと、それはマラリア回虫を保持する感染者が一人もいないから。
日本では1960年代にマラリアが完全に撲滅したとされており、感染源がないためハマダラカに刺されても大丈夫なのです。
ただし海外へ渡航した人がマラリアに感染して帰ってきて、それを運悪くハマダラカが媒介してしまうと爆発的に流行してしまう危険もあります。
ですので、マラリアが流行っている地域に渡航する人は十分に気を付けないといけません。
ハマダラカ まとめ
現在の日本ではマラリアの危険性はないので一安心ですが、ハマダラカが媒介するのはマラリアだけではないので油断は禁物です。
夏には蚊取り線香や虫除けスプレーを駆使して、なるべく蚊に刺されないようにしましょうね。
最近はいろいろなタイプの殺虫剤や虫除けがあるので、私もいろいろ試してみようと思います。
(ライター名 もんぷち)