夏になるとぷ~~~~んという、聞いただけで体がかゆくなってしまいそうな音と共にやってくる蚊たち。
1億7千万年前から地球に存在する昆虫で、地球上には約2,500種類が存在するといわれています。
そんなちょっと憎らしい蚊ですが、実は私たち人間に悪さするのは全部メスだってこと、知っていましたか?
オスの蚊は血を吸わない
蚊は、皆さんご存知のように、オスもメスも長い口を持っています。
あの長い針で私たちの大事な血を吸っていくわけですが、血を吸うのは実はメスだけなんです。
しかもメスでも血を吸わない種類も存在しているのだそう。
蚊は普段は蜂や蝶やアブなどと同じように、花の蜜などを吸って暮らしているのどかな昆虫です。
繁殖期になり、メスが妊娠すると、子育てをするのにエネルギーとなるタンパク質が必要になるわけで、そのタンパク質を哺乳類からいただこうという行為が、私たちが悩まされている、あの虫刺されなんです。
まあ…子育てってどんな生き物も大変なのはわかるんですがね。
オスが人間の血を吸いに来ないのは、必要もないのにわざわざリスクを背負ってまで大型の哺乳類の血を吸わなくてよいということでしょうか。
蚊の生態
蚊の活動最適温度は15~35℃。特に30℃前後は活発になります。
それ以外の時はひっそりと枯れ葉の下で身を潜めている時期だそう。
繁殖ももちろんこの活動時期になるわけです。
メスの蚊は独自のセンサーで人の毛細血管の位置を探り当てます。
そして、あの憎らしい針を皮膚に刺し、自分の唾液を注入して血液の凝固を押さえてから血を吸います。
こうしておかないと、血を吸った後にその血が固まって蚊自身の命が危ないから。
この時の唾液がかゆみや腫れの原因になるわけです。
蚊に刺されやすい人
メスの蚊はこのように人の皮膚に針を刺すことでマラリアなどの様々な病気の媒介者ともなるわけですが、一体どんな人が蚊に刺されやすいのでしょう。
蚊はまず、二酸化炭素の密度に反応します。
より二酸化炭素密度の高い方へと移動していく習性があるらしく、必然的に大型の哺乳類が狙われていきます。
人間で言えば、呼吸回数が多く、新陳代謝の激しい人が刺されやすいということになります。
二日酔いの時なども刺されやすいのも新陳代謝が活発なためです。
他にも温度や湿度の高いところを好むので、熱帯地域で蚊を媒介とした病気が多いのも納得です。
汗かきの人や黒い服を着ている人も、全体を比較すると刺されやすいということになります。
オスとメスの見分け方
オスとメスはよく見ると頭の部分が微妙に違うのですが、これはよ~~~~く観察しないと見えません。
オスには触肢が伸びていて、それがふさふさとしています。
一方メスは短い触肢でシンプルな頭の形をしています。
でも・・・・そんなことを見極める前にやっつけてしまいそうですよね。
オスとメスで違う生態の昆虫たち
オスとメスで違う生態を持った昆虫は蚊の他にもいて、有名どころだとカマキリでしょうか?
日本にいるカマキリではあまり見られない現象だそうですが、メスのカマキリは交尾中にオスのカマキリを食べてしまうとか。
これには色々な説があるのですが、オスがメスの栄養補給的な役目を果たすことは確かのようです。
子孫を残すことが目的だとすると、効率的といえば効率的な方法です。
また、コオイムシのようにメスがオスに卵を産み付ける昆虫もいます。
形状だけで言えば、子供達に人気のカブトムシやクワガタなどもそうです。
ミノガはオスは蛾になりますが、メスの成虫は幼虫のままの形だそう。
他にも海外を含めるとオスとメスで生態の違う昆虫はまだまだいるそうです。
生き物の世界に無駄がないとすれば、これも何かきっと理由のあることなのでしょうね。
人間世界だって、今でこそ育メンの時代ですが、ちょっと前までは男性は子育てなんかしなかったわけで・・・。
オスとメスの生態が違うのは意外に身近な所に存在していたということ!?でしょうか。
(ライター ナオ)