チャタテムシという虫がいます。これは一見、シラミ風の虫なんですが、
厳密にはシラミ系ではないそうです。

今回はそんなチャタテムシの、幼虫の特徴や雑学などをご紹介しましょう。

チャタテムシってどんな虫?

チャタテムシは、昆虫網の咀顎目(そがくもく)のなかの、シラミやハジラミ以外の小さい昆虫の総称です。

チャタテムシって名前が変わっていますよね。
これは音読の通り、「茶立て」からつけられています。

 

昔、静かな部屋にいるときに、気がつくと障子から物音が聞こえることがあったと言われています。薄田泣菫(すすきだきゅうきん)という人が書いたエッセイでも家の中の静けさを表現するときにチャタテムシが登場します。

 

それは、「と・と・と・と・と・と」という感じのお茶をたてるときの音に似ています。これがこの昆虫の鳴き声だったんですね。この昆虫はまるでお茶を立てるときのような鳴き声なので、「チャタテムシ」という名前がついたのです。

 

チャタテムシは江戸時代からこのように呼ばれていましたが、現在では上記のエッセイのようにチャタテムシの鳴き声を楽しむといった風情はなくなってしまって、害虫として認識されているようです。

 

カップラーメンの透明なフィルムにも侵入してしまうことがあるそうなので
これはいやですね。カップの中まで入ってしまったら最悪ですが。

 

チャタテムシ類という昆虫は、世界で4000種以上もいて、日本では100種以上の種類が
記録されています。

 

チャタテムシの特徴として、羽があるものとないものがいることです。
羽があるのチャタテムシは「チャタテムシ科」や「ホシチャタテ科」等の虫で、体長は3ミリメートルから7ミリメートルくらい、前の羽のほうが大きくなっています。

 

カビ・地衣類等を主食としています。

ショウジョウバエなどとも間違えられますが、本体の形状がかなり違うので、わかる人ならすぐに区別できるでしょう。

 

羽のないチャタテムシは「コチャタテ科」や「コナチャタテ科」等の昆虫です。体長は1ミリメートルから2ミリメートルくらいで、形状はシロアリ等に似ています。

コナチャタテ科ではオスとメスにより体長に差があります。書物・乾燥食品・動植物標本・皮革製品等を食べてしまう害虫であり、大発生すると大きな被害になります。

動植物の標本まで食べてしまうというのが面白いですね。なにか感じるところがあるのでしょうか(笑)

 

家の中で見られるチャタテムシというのは、体長が1ミリメートルくらいの「ヒラタチャタテ」「ウスイロチャタテ」「ヒメチャタテ」等の種類が多くて、畳の繊維や壁紙のわずかな隙間等の空間に潜んで、カビを食べています。

 

外で生活している種類では、木の幹や落葉の他にも、岩の上のコケや動物・植物の遺骸の細片、鳥の巣やアリの巣等にもいます。

よく、台風等で落ちた枯れ枝の、残った葉っぱ等を叩くと、チャタテムシがパラパラ落ちてきたりします、

 

屋外のチャタテムシ種の一部は走光性があるため、夜間に窓辺に飛んできて、
窓を開けたときに部屋の中に入ってくることがあります。

実はかわいい?チャタテムシの幼虫

チャタテムシの幼虫についてです。

チャタテムシの孵化した初齢の幼虫では、体長が0.75ミリメートルほどで透明に近い色をしていて群れを成します。

 

ルーペで見ても、ほとんど粉と区別が付かないくらいです。それでも動いている様子があるので虫だと分かるといったほどです。

チャタテムシの幼虫の画像をご覧ください。

これが意外にけっこうかわいいですよね。これが成虫になれば人間にとっては害虫にもなってしまうんですからなんともやりきれません。

チャタテムシはメスだけで子供を産む!

チャタテムシの生態についてです。
上記のようにチャタテムシが家の中で大発生すると問題になりますが、チャタテムシの繁殖する季節は梅雨から夏にかけてだそうです。

 

薄暗いところで、湿度が高いところが好きなようです。厳密に言えば、湿度70%以上、温度18度以上のところで繁殖することが多いので気をつけてください!

チャタテムシは驚くべき繁殖システムを持っています。なんと、メスのみで卵を生む、「単為生殖」なんだそうです。

メスの一匹が1日で1個から2個の卵を産んで、合計で100個ほどの卵を産むので、場所によってはまさに大量発生してしまう可能性もあります。

 

寿命は長いもので半年以上とされています。
秋以降は自然と見なくなるでしょう。

 

ただし、冬場でも「結露」を放っておくと出てくる場合もあるようです。

カビが主食であり、湿気があればどんな場所でも生きられます。
注意したいのは、チャタテムシは粉物とかかつお節なども食べたりするので、
食べかけの食べ物はよく管理したほうがよいでしょう。

 

チャタテムシはカビのあるところにいるとされており、すべての家庭にいるとされています。
よく「うちだけはいない」と考えがちになるものですが、それは「見えていないだけ」なんだそうです。

昔は風情があるとされてたのに、今では害虫

お茶を立てるような鳴き声を持つという「チャタテムシ」についてでした。
チャタテムシの幼虫ってかわいいんですねえ。

 

ただ、大量発生すると家庭にとって大災害になってしまう、やっかいな虫です。
血を吸うシラミよりましかもしれませんが、アレルギーにもなってしまう場合もあるのでやはり注意が必要です。

ライター名:nabex

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