湿気が多い梅雨の時期から夏にかけて活動する害虫として知られるチャタテムシですが、気温が低い冬の時期はどうしているのでしょうか?
チャタテムシのエサ
害虫を家屋から追い出したい場合は、その虫の好むものを外に出してしまうのが一番です。
チャタテムシはカビをよく食べます。
しかしながら雑食であり、お米や穀類にもつくことがあり、本棚の隙間、和室の畳の隅などのほこりやカビも食べます。
人間が生きていくうえで必要なものも含まれており、全て捨てることはできないでしょう。
チャタテムシについて
チャタテムシは成虫でも1~2mm程度の茶系の虫です。
触角をもち体節も分かれ、脚も三対ついています。害虫にありがちですが、成長スピードが早く卵から孵化し昆虫として活動し始めるまでたったの20日程度です。
このスピードだとこまめに掃除をするしかありません。
害虫の駆除として大切なのは、その虫の生活スピードに合わせた対策や予防をとることです。
チャタテムシの場合はまめな対策や予防が大事なようです。
チャタテムシもやはり虫ですから、屋外から持ち込まれる段ボールなどに付着した卵が原因で侵入してきます。
また、カビが好きなので冬の間の窓ガラスの結露部分、冬になると人間が着るであろう毛糸もので室内に増えていく部屋の隅に溜まるホコリなどがエサになってしまいます。
冬の期間に生じやすいチャタテムシのエサになるようなものを放って置くとまた増える可能性がありますので、放置しないようにすると良いでしょう。
チャタテムシは人間に直接害を与える虫ではありません。しかし、お米や穀類などにつく場合もありますので対策は必要です。
チャタテムシにも種類がいるようですが、みたことがあるのは翅のない茶色い虫ではないでしょうか。
チャタテムシは翅のある屋外に生息する種類もいますが、屋内に入り込むものは翅をもたず、歩き回るタイプのチャタテムシも多いようです。
近年は家屋の気密性が高く屋内の気温は一年中快適に保たれている場合も多く、チャタテムシは冬も活動している場合があります。
10度以下になる場所にはいないともされます。
冬のチャタテムシ対策
冬の家屋の問題に結露があります。北国の人は特に朝方や深夜などに必死で窓ガラス周辺の水分を拭き取ると思います。
外気温と室内温度の差が大きくなると生じる結露も増えていき、毎日拭いても間に合わず気温が下がると凍ってしまい窓は開かず通気性が悪くなりしかも結露は増えるという時期もあるでしょう。
結露対策のグッズもいろいろありますが、必ず結露が出ないという状況にするのはかなり難しいのです。
結露の周辺において気になるのは、チャタテムシのエサとなるカビの発生です。
カビの生育を防ぐためには除菌をすることです。
窓の結露付近はエタノール類などアルコールを含む除菌剤を含ませた古い衣類などを裂いたぞうきんなどで拭き取ります。
チャタテムシが寄ってきやすい箇所は床上50cmくらいが多いそうです。室内にある冷暖房や除湿器のフィルターなどもホコリを取り去り除菌します。
床が絨毯の場合はローラー式のゴミとりなどをこまめに使うのも良いです。
掃除機をかけると、ホコリが舞い上がりカビの要因となる可能性がある上、絨毯に掃除機を押し付けてしまうと、絨毯の上に落ちている髪の毛などがより取れにくくなることもあります。
粘着テープのようなもので地道にホコリをとります。
また、チャタテムシを発見した場合は、そのまま粘着テープでペタリと取り除くこともできるでしょう。
湿度60%から80%以下でカビの生育は抑えられるようです。
カビは20度から30度くらいでよく生育し、ホコリなどを栄養分とし空気中に存在する酵素で活性化します。
そのため、残念ながら空気があるかぎりカビを絶対的になくすことは不可能です。
窓に発生しやすいカビはだいたい黒カビです。この黒カビは繁殖力も強いので、除菌の徹底が重要です。
また、チャタテムシを食べるダニにツメダニがいます。
ダニの活動時期は6月から秋にかけてであり、ちょうど梅雨や台風、長雨といった気象条件とも重なる可能性があります。通年、風通しをよくして除菌やホコリとりをします。
除菌について
除菌にはスプレータイプのものなどいろいろあります。
これはお好みですが、エタノールはひとつ用意しておくと非常に便利です。
消毒用エタノールと無水エタノールがありますが、無水エタノールの方がエタノール量が高いものです。
そのため揮発性もありすぐに乾き、掃除の最後のふきあげに便利です。
皮膚が弱い方にはお勧めできませんが、匂いなどもとれるのでひとつあると便利です。
無水エタノール自体には菌をなくす効果はありませんが、水:無水エタノール量=1:4程度のものをスプレーボトルなどにいれてスプレーするとカビの生育を防ぐ効果が期待できます。
また、穀類などについた場合は、容器を水洗い後に除菌スプレーをかけておきます。
しかし、頻繁にチャタテムシがつく時はあっさり処分した方が良いかもしれません。
不思議なチャタテムシ
主に科学などに関する面白いものごとを発見した際に贈られるという、イグ・ノーベル賞があります。
2017年はチャタテムシの一種に、オスとメスの交尾器が逆転している個体がいることを発見したとのことです。
チャタテムシといわれる虫はおよそ4000種は存在するそうなので、これからも面白い生態が発見されるかも知れません。
春から夏頃に出てくる害虫として目立ちがちなチャタテムシですが、冬の時期も気温や環境により活動する場合があります。
チャタテムシによる被害を防ぐための冬の対策は、主なエサとなるカビなどの真菌の生成を抑制し、ホコリを取り去ることです。
(ライター:おもち)