アホロテトカゲって聞いたことがありますか?
ミミズのようなモグラのような、ウーパールーパーにもどこか似ている、きも可愛い生き物なんです。
アホロテトカゲって?
アホロテトカゲはミミズトカゲ亜目の中のフタアシミミズトカゲ科の総称で、メキシコ西部の一部の州に生息しています。
現地の言葉でアホロテとは水に遊ぶ犬という意味で、それは妖精や妖怪を意味する言葉として使われているそうです。
体長15~20㎝ほどの長さで、ミミズのようなにょろっとした胴体の前両脇には5本の指がしっかり生えた手がついていて、頭部と思われる位置には円らな瞳も!
妖怪のような不気味な存在でもあるし、妖精のように可愛らしい存在でもある、ということなのでしょうか。
でも、しっかりと背骨の生えた脊椎動物なんです!
アホロテトカゲの生態
アホロテトカゲは普段、土の中で生活しています。
5本の指のついた前足は穴掘りに適していて、頭と爪を使って巣穴を掘り進めることができます。
頭部は銃弾型をしていて、穴を掘り進める時にどんどん頭を突っ込むことによって、掘削して出た土を壁面に押し付けながら掘削するという方法をとります。
この掘り方によってできた巣穴は、細長い形状で、アホロテトカゲが他のトカゲと違って細長く進化してきたのは、このためと考えられています。
他には頭部の形によって、シャベル状の掘り方、竜骨状の掘り方など、穴の掘り方ひとつとってもいろいろなタイプがあるようです。
モグラのように、いちいち掘った土を外に出す方法よりは、はるかに効率的な賢い方法です。
アホロテトカゲは普段光のない地中で生活しているので、必要のない後ろ足と目と耳は退化してしまっています。
エサはアリやシロアリです。
アホロテトカゲの仲間
アホロテトカゲの仲間として、ジャイアントミミズトカゲとミツユビアホロテトカゲを紹介します。
ジャイアントミミズトカゲは体長が70㎝ほどにもなる巨大なミミズトカゲ。
アホロテトカゲのように手は生えていません。ただただ巨大なミミズといった印象。でも、これでもやっぱり爬虫類!こいつもれっきとした脊椎動物です。
もう一種類のミツユビアホロテトカゲはその名前の通り、前足に3本の指が生えているトカゲです。
もちろんこちらも爬虫類。アホロテトカゲと違って色は黒っぽいのが特徴です。夜行性で夜に地上に這い上がってきてエサを探すようです。
わずかな違いなのにアホロテトカゲのような可愛らしさがないのは、ちょっと気の毒なような気もします。
とても稀少な動物で、なかなかお目にかかることもできないのだとか。
ハキリアリとアホロテトカゲの共生?
一部のネットの記述ではアホロテトカゲはハキリアリと共生関係にあると書かれています。
どうやら、天敵から身を守る巣の番人としてハキリアリの巣穴の近くにアホロテトカゲがいるというのです。
ハキリアリを狙いに来た大型のアリをアホロテトカゲが捕食するというのですが、普段エサがないときにはハキリアリもつまみ食いしてしまうとか・・・・!?
もしそれが本当だとしたら、多少のつまみ食いは許しちゃうというハキリアリの寛容さと、そこまでして共生する道を選んだ彼らの計算高さというか戦略に脱帽してしまうわけです。
まるで、戦国武将の駆け引きのようじゃありません?
もしかしたら、つまみ食いされて、全滅しちゃうかもしれないわけですから。
蛇やミミズのようにどこにでもいる!?見慣れた形と生態とちょっと違うものに不気味さを感じるのはどこの世界も同じ。妖怪などと呼ばれてしまうのもなんか納得です。
ちなみに、水に遊ぶ犬?というのは穴を掘る両生類というあたりからきているのでしょうかね。
(ライター ナオ)
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