「アメリカドクトカゲ」って知っていますか?
ペットとしても飼育することができるんですよ。
「アメリカドクトカゲ」は世界でも珍しく、毒を持っているとかげです。
そんな「アメリカドクトカゲ」の生態や毒の成分などを、詳しく紹介していきたいと思います。
アメリカドクトカゲとは?
「アメリカドクトカゲ」とは、爬虫綱有鱗目ドクトカゲ科ドクトカゲ属に分類されるトカゲです。
英名は「Gila Monsuter(ヒラ・モンスター)」で、南アリゾナ川(Gila River)の名前から付けられています。
「ヒラ川の怪物」という意味です。
アメリカドクトカゲは、アメリカ合衆国南西部やメキシコ北西部などの砂漠や乾燥した荒地、森林などに生息しています。
アメリカドクトカゲの形態
アメリカドクトカゲの大きさは全長が23~35センチで、最大で60センチぐらいになります。
方だの色はピンクやオレンジ色で、暗褐色の横線が入っています。
背中は細かいウロコで覆われています。
胴は円筒形で、しっぽは短くて太いです。
手足も短めですが、丈夫な爪が付いています。
アメリカドクトカゲの生態
アメリカドクトカゲは夕暮れ時に活動します。
昼間は地中や岩の隙間でお休みしています。
アメリカドクトカゲは一生の95%を地中で過ごすそうなので、あまり人の目にお目にかかることがありません。
アメリカドクトカゲは動物食なので、鳥のヒナや卵、爬虫類の卵、小型の哺乳類などを食べます。
トカゲのなかで一番足が遅いアメリカドクトカゲですが、アメリカドクトカゲは突発的に素早く動くこともでき、木に登ることもあります。
手足を上手に使ってよじ登るんですよ。
普段はゆっくり歩き回っています。
アメリカドクトカゲは危険を感じると口を大きく開けて、喚起音をあげて威嚇します。
ですがアメリカドクトカゲはとっても臆病なので、人間や大きな動物が近づくと、サッと岩の隙間などに隠れて動かずにジッとしています。
アメリカドクトカゲは5月になると繁殖活動を行います。
7~8月にかけて1回に、3~5個の卵を産みます。
多い時は12個ぐらい産むこともあります。
卵は9~10ヶ月で孵化します。
アメリカドクトカゲの赤ちゃんは15センチぐらいで、孵化してから3~5年で性成熟します。
アメリカドクトカゲの毒
アメリカドクトカゲは毒を持っています。
毒の成分は神経毒です。
アメリカドクトカゲに噛まれると、激しい痛みが起こります。
幹部が腫れて、吐き気やめまいなどの症状が現れます。
アナフィラキシーショックなどの症状が出ますが、アメリカドクトカゲの毒で人間は死には至りません。
アメリカドクトカゲは下顎にある唾液腺で毒を作ります。
噛み付いた時に、歯の溝から毒を出すのです。
アメリカドクトカゲは危険なだけじゃない?
アメリカドクトカゲの唾液に含まれている毒は、人間の2型糖尿病の治療薬として利用されています。
アメリカドクトカゲの毒は危険なだけではなく、人間の為に必要とされているのです。
アメリカドクトカゲは飼育できる?
アメリカドクトカゲは飼育することができます。
性格は大人しくて、臆病です。
アメリカドクトカゲは2006年に特定動物に指定されたので、マイクロチップの埋め込みと個体登録が必要です。
また、地方自治体の許可も要ります。
アメリカドクトカゲは毒を持っているので、取り扱うときには素手では扱わず、安全対策をして行いましょう。
アメリカドクトカゲは危険なだけじゃない?のまとめ
アメリカドクトカゲの生態と、毒の成分などについて詳しく紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
アメリカドクトカゲは性格がおとなしく、臆病なのでペットとして飼育することができますが、毒を持っているので許可が必要です。
アメリカドクトカゲに噛まれるとアナフィラキシーショックなどの症状が出ますが、死には至りません。
そしてアメリカドクトカゲの毒の成分は、なんと人間の糖尿病の治療薬として利用されているんですよ。
(ライター 雲呑)