「竈の馬」と表記するカマドウマ。
黄褐色に黒色の斑紋がある余り好かれているとは言えない昆虫ですが、緑色のカマドウマもいる!!???
緑色のカマドウマの正体について詳しくお話しします。
カマドウマの特徴
カマドウマはバッタ目、カマドウマ科に属する昆虫で、俗称を便所コオロギやオカマコオロギと言われています。日本には2007年現在6亜種が生息していて、その種類は70種類ほどと言われていますが、同定が難しく、専門家でなければできないほどだそう。
生息域は日本列島と朝鮮半島。
私たちが良く目にするカマドウマはマダラカマドウマという種類で、黄褐色に多数の黒色斑紋のあり、7月上旬から9月下旬にかけて活発に活動しています。関西以南では1年中見られるのだとか。
翅は退化していて、飛ぶことはできないのですが、後ろ足が長く、跳躍する力が半端ない!!とにかく跳ぶんです!!
ゲージで飼育していると、自分で壁に激突して死んでしまうこともあるというのだから驚きです。
カマドウマの生態
カマドウマはオスが18~21㎜、メスが12~23㎜で、狭くて、暗くて、湿度の高い場所に生息しています。
木の洞や根の間、洞穴、人家やその他の建物内に入ることも。
海岸の岩の割れ目等に潜んでいることもあります。
夜行性で、広い場所をエサを探して歩き回ります。食性は完全な雑食。樹液や小昆虫の死骸はもちろん、腐果や落ち葉等も食べます。ある地域では特に羊の生き血を好む種類もいるのだとか。
共食いも日常的のようです。
家屋では、掛け軸や書物などをかじったりもして、博物館では厄介な害虫として忌み嫌われる存在です。
カマドウマの名前
カマドウマの名前は馬と竈がかけ合わさったもの。
馬のように跳びはねる様と、竈の近くによく出る虫だったことから名づけられたのだそう。
つまり、日本人がかつて暮らしていた竈のある生活では、日常的にいつも側に存在している昆虫だったということ。
暮らしが西洋化するに伴って、日本の家屋も変化し、昆虫を一切家屋の中に入れない様にする風潮の中、いつの間にか、カマドウマは忌み嫌われる存在になっていったということなのです。
カマドウマの種類と生息域
カマドウマの種類は日本では70種類ほどがいると言われ、その分類は専門家でも難しいと言われています。地域ごとに特色があり、亜種として分類されることもあるようです。
日本で最も生息数が多いと言われるマダラカマドウマの体長は20~25㎜。黄褐色に多数の黒色班がまだら状についていて全体的には暗褐色です。
カマドウマは体長が20㎜、濃褐色でまだら模様はありません。
コノシタウマと言われるカマドウマの一種は体長20~25㎜、赤褐色~暗褐色。
クラズミウマは15~17㎜程で薄褐色に暗色のまだら模様があります。
緑色のカマドウマ
さて、いよいよ本題です。
緑色のカマドウマは新種!?というわけではないんです。
実は、緑色のカマドウマの正体はウマオイもしくはヤブキリ。
ウマオイもヤブキリもバッタ目キリギリス科に属しているので、カマドウマと同じバッタ目ということになります。
どちらも後脚の長さや触角の長さがカマドウマに似ていますが、体の形は違っています。
特にヤブキリは翅が大きく、体自体は小さいのですが、見た目に体が大きく見えます。
更に、成長すると体長45~55㎜程になるので、明らかにカマドウマよりも大きいということになります。
カマドウマとの生息域も違っていて、ウマオイやヤブキリは藪や草原の樹上で生活していて、カマドウマが出没するような場所にはめったに姿を現しません。
緑色のカマドウマの正体のまとめ
緑色のカマドウマの正体はバッタ目キリギリス科に分類されるウマオイ、もしくはヤブキリ。
(ライター ナオ)