ヤブキリはキリギリスの仲間ですが、キリギリスと言えば蟻とキリギリスの寓話が有名ですよね。
キリギリスは享楽的な生き方をするイメージで描かれている
寓話の中ではキリギリスは夏の間にバイオリンの演奏ばかりに熱心で、冬を迎える為に餌を蓄えること怠けてしまった為に蟻に物乞いをする事になります。
しかし実際のキリギリスはどうでしょうか?
特にキリギリスの仲間である「ヤブキリ」という昆虫は何でも食べる「悪食」で知られ、蟻に物乞いをする事など無さそうです。
ヤブキリは何でも食べる
バッタの仲間の食性は草ばかり食べる草食と思われがちですが、ヤブキリも幼生の間は草食が中心の雑食です。
しかし、脱皮を繰り返して成虫に近づくごとに頭が大きくなり、大顎も発達します。
更に前足にも棘が生えて生きた獲物の捕食に適した体の特徴が現れてきます。
もちろん、ヤブキリは成虫になっても草葉や果実も食べますが、他の昆虫や小動物を捕食する頻度が高くなります。
カマキリをも捕食するヤブキリ
バッタの天敵といえば、「草原の暗殺者」カマキリを思い浮かべますが、バッタもやられっ放しではありません。
体格差もありますが、凶悪なカマキリをものともせずあっという間に行動不能に陥れるや否や、大顎でかじりついてしまいます。
セミなどもいとも簡単に捕食されてしまいます。
このような食性では蟻とキリギリスの寓話のようにキリギリスが飢えることなど考えらません。
夏の間にバイオリンを演奏していたキリギリスは、実は昆虫界最強のプレデターだったのです。
(ライター まるお)