鎌を振り上げている姿がカッコイイ、子供たちにも人気のカマキリ。
草むら見つけたカマキリを虫かごに入れて持って帰ってきたこともあるのではないでしょうか?
そんなカマキリたちの生態や寿命はどうなっているのでしょう?
カマキリの形態と生態
全世界でおよそ2000種類ほどがいるといわれているカマキリ。
日本にも、オオカマキリやチョウセンカマキリなど10種類ほどが生息しています。
食性は肉食性で自分より体の小さい昆虫や小動物を見つけると鎌を振り上げ、体を左右に動かしながら獲物との距離を測り、とびかかり捕食します。
獲物が少ない環境では共食いすることもあります。
獲物や捕食者に見つからないために、葉っぱや枝に擬態して茶褐色や緑色の体色をしているものが多い中、熱帯地方ではカラフルな花びらに擬態するものもいます。
カマキリは不完全変態を行うグループです。
メスは交尾後に多数の卵を枝の卵鞘の中に産み付けます。卵鞘はメスが卵を産むときに一緒に分泌される粘液が泡立って作られるもので、その形状は種類によって決まっています。
1つの卵鞘には数百個前後の卵が含まれ、平均すると約200匹ほどの成虫と同じ0.3㎝ほどのカマキリの赤ちゃんが次々と、まるで泡が湧いているかのように生まれてきます。
鞘から出ると同時に最初の脱皮を行い、その後1週間に一度のペースで脱皮し、8齢で成虫になります。
カマキリの寿命
カマキリの寿命は野生下では1年ほどです。
長いものでは1年6か月ほど生きるものもいますが、飼育下ではもっと長いようで、3年という記録もあるようです。
飼育下で3年ということやカマキリのメスが交尾中にカマキリのオスを食べてしまうという習性を考えると、カマキリは慢性的に栄養不足なのかもしれません。
カマキリの擬態
先述した花に擬態するカマキリは東南アジア一帯の熱帯雨林に広く生息しています。
ラン科の植物の花に擬態することで有名で、その擬態の様子は実に見事で、まるで花の一部になってしまったかのようです。
ハナカマキリの擬態の目的は、花に集まる昆虫を捕食するため。
初期の幼虫時代は赤と黒の混ざった体色で、ジャングルに生息し、悪臭を放つカメムシに擬態して身を守っており、脱皮を重ねていくうちのランの花びらのようになっていきます。成虫になると色はほぼ白色で翅も生えてくるので、幼虫時代ほどは擬態の完成度は低くなってしまいます。
ランの花びらに似た幼虫時代は、ランの花に擬態して身を隠しているというよりは、自らがランの花そのものになりきって、ハチの好きな物質を出すことによって積極的にハチを捕獲しています。
これは単純な擬態ではなく、化学的な擬態方法だと言えるわけです。
他に擬態が見事なカマキリとして、枯葉そっくりのカレハカマキリや木の肌に擬態するキノハダカマキリなどの擬態もお見事!
カマキリと人間の関係
昔から、カマキリの卵は雪が降り積もるだろう高さより上に産み付けられると言われてきました。
そのため、カマキリにはその年の積雪を予測する能力があるとされてきたのです。
しかし、近年の研究では雪に埋もれるカマキリの卵が観察され、その説は間違いであったとされています。
日本ではカマキリのカマを持ち上げて待ち伏せする姿が祈っているように見えるとして、拝み虫などとも呼ばれているのだとか。
カマキリのまとめ
カマキリは全世界に2000種程いると言われている。
カマキリの寿命は1~1年6か月ほど。飼育下では3年という記録もある。
カマキリの卵が産みつけられる位置でその年の積雪がわかるという説は間違いである。
カマキリは植物に擬態する習性を持っており、ランの花や枯れ葉に擬態する様子は実に見事。
(ライター ナオ)