皆さんはハナカマキリという人間でも思わず騙されてしまうほど華麗に擬態するカマキリをご存知でしょうか。

その美しさと自然の神秘に思わずため息が漏れる程ですが、今回はそんなハナカマキリについて詳しくお話していきます。

ハナカマキリの特徴

ハナカマキリは節足動物門昆虫綱カマキリ目ハナカマキリ科に属する昆虫で、熱帯のラン科の花に集まると考えられていたことからランハナカマキリとも呼ばれ、東南アジア一帯の熱帯雨林に広く生息しています。

ラン科の花に見事に擬態することで有名で、その花の姿に体を似せていることで花に集まる昆虫類を捕食して暮らしています。

初齢幼虫は赤と黒の混じった体色で、ジャングルに生息している悪臭を放つカメムシに擬態して身を守っていると言われています。

 

脱皮を重ねていくと、中脚と後脚の第一節の部分が膨らんでランの花びらのようになり、体色も薄ピンク色が混じった白色となって小さな花のような姿に変貌しますが幼虫の時期にどんな花の近くで育ったかによって色や模様が違うともいわれています。

 

幼虫時代が最も花に近い姿で、成虫となるとほぼ白色に近くなり、翅も生えたことで飛翔できるようになります。

ハナカマキリのハンティング

ハナカマキリの擬態はあまりにも見事で、それは捕食のために花に身を隠すことによって狩りを行うためだと言われてきました。

しかし実際は幼虫の時には花に隠れてハンティングをしているわけではなく、葉の上で自分の姿を花にみせかけると同時に、ハチのフェロモンである物質を顎周辺から放出させることでハチをおびき寄せるという高度な手にクックを使って狩りを成功させているということが最近の研究で明らかになっています。

 

ハチのフェロモンとは鉢が群れ内でのコミュニケーションに使う強い誘引作用を持つフェロモンで、3-ヒドロキシオクタンさんと10-ヒドロキシ―2-デセンさんという2つの物質。

実際、カマキリの幼虫が仮を行う時にはカマキリの東部周辺でこれら2つの物質の濃度が高くなっていることもわかっています。

 

調査の結果では幼虫が捕まえるのは現地在来のハチであるトウヨウミツバチで、出しているフェロモンもトウヨウミツバチがコミュニケーションに使うフェロモンでした。

成虫になると、幼虫の時ほど花に似ることはなくなりますが、花の中に紛れ、花に訪れたハチや蝶を獲物として狙うことがわかっていますが、実は狩りの成功率は幼虫ほど高くないようです。

 

成虫のメスの狩りの成功率は約6割。幼虫の時は9割ほどの成功率なのだそう。

実際に成虫のカマキリが何度か狩りに失敗したのちにようやく獲物をしとめた動画なども多く見かけます。

カマキリの種類をまとめて紹介

ハナカマキリの交尾

ハナカマキリの特徴的な行動は擬態やハンティングだけではありません。

実は交尾に関しても一風変わった行動をとります。

 

成体はメスが体長70㎜前後となりますが、オスは35㎜程。カマキリの仲間では雌雄の大きさの差が極端になる珍しい特徴があり、オスはメスより小柄な分、動作が速いのですがメスに獲物と間違えられて食べられることもあるのだそう。

 

他のカマキリと同様、交尾の時にはオスは慎重に雌に近づいてメスのすきをついて飛び乗って交尾をし、交尾の最中は、オスはメスの背中を鎌でさすってなだめながら交尾するのだそう。

これは、もしかしたらメスが興奮してオスを食べないようにするためのオスの必死の行動かもしれません。

 

それにしても花への擬態を選択したこと、他の昆虫にはない立派な鎌をもっていること、メスがオスを食べてしまうこと。随分とハナカマキリは面白い昆虫に進化していったものです。

どうせ生きるなら、私も・・・・!!??

(ライター ナオ)

カマキリの種類をまとめて紹介