秋頃から春先にかけて目にする機会の増えるカマキリの卵は、季節の風物詩ともいえます。
しかし、いつも見かける卵が、なんという種類のカマキリのものであるのか知っている人は決して多くありません。
今回は、そんなカマキリの卵の見分け方をみなさんにご紹介していきます。
カマキリの生態
カマキリとは、昆虫綱カマキリ目に属する昆虫の総称を指します。
以前はバッタの仲間である直翅目やゴキブリの仲間である網翅目に分類されていましたが、近年の研究では直翅目や網翅目とはそれほど近縁でないことがわかっています。
カマキリの語源は、鎌状の前脚で獲物を切るように捕らえることから「鎌切」と表すようになったという説と、鎌をもつキリギリスが縮められて「鎌キリ」になったという説があります。
その名のとおり、鎌状に変化した前脚で昆虫を捕らえる肉食性の昆虫ですが、大型の個体になるとカエルやトカゲ、ヘビなどを捕食することもあります。
カマキリと人間との関わり
カマキリは地上から樹上、森の中から住宅地まで、日本中様々な場所に生息しており、もっとも身近な昆虫の一種であるといっても過言ではありません。
また卵が容易に見つかることから、誰しも一度は家に持って帰った経験があるのではないでしょうか。
そのまま忘れてしまい、気がついたら家中にカマキリの赤ちゃんがわらわら……という恐ろしい事件が日本全国で起きている模様です。
カマキリの卵の見分け方
オオカマキリの卵は、半分潰れた卵のような形状をしており、植物の枯れた茎などに産み付けられます。
チョウセンカマキリの卵は細長く、オオカマキリと同じように枯れた茎や細い枝などに産み付けられます。
ハラビロカマキリの卵は、オオカマキリの卵よりひと回りほど小さく、木の幹や電柱、ブロック塀などに産み付けられます。
コカマキリの卵は、チョウセンカマキリの卵を小さくしたような細長い形をしています。
木の枝や外壁、塀や倒木など至るところに産み付けられます。
カマキリの卵はいつごろ孵化するの?
秋から冬にかけて産み付けられたカマキリの卵は、そのまま冬を越して春先4~5月に孵化します。
そのため初夏以降に見られるカマキリの卵は、中身が空っぽであることがほとんどです。
持ち帰っても孵化することはありませんので、ご注意ください。
(ライター 國谷正明)