草限界の最強の暗殺者と言われるカマキリ。
名前の由来にもあるように、獲物を捕らえる為の前脚の鎌の部分が非常に発達していて、獲物を糸も簡単に切り裂くほどの威力があるとされています。
そんなカマキリの生態や体の仕組みを詳しく知る方は意外と少ないのではないでしょうか?
今回がカマキリの生態や特徴、そして目の仕組みなどについて紹介していきたいと思います。
カマキリの体の造り
昆虫の体の定義は頭部・胸部・腹部の3節に分かれていて、順番に前の胸の部分から「前胸(ぜんきょう)」「中胸(ちゅうきょう)」「後胸(こうきょう)」となっています。
それぞれ、前胸には前脚があって中胸には前翅があって後胸には後肢と後翅という造りになっているのが昆虫の体の仕組みです。
この定義にカマキリの体の造りを当てはめると、三角形の頭部と目が収まっている部分が頭部となっていて、鎌(前肢)が生えている部分が胸部、そして羽や2対の脚が生えている部分も胸部となっていて、それより下の部分は腹部とされています。
カマキリの生態と特長
カマキリの生態は、昆虫綱カマキリ目に分類される昆虫の総称です。
世界中には約2000種以上のカマキリが存在していると言われています。
生息地は熱帯地域~亜熱帯に広く分布していて、日本では主に北海道・本州・四国・九州に多く生息しています。
日本で良く見られる種類は「オオカマキリ」「チョウセンカマキリ」「ウスバカマキリ」「コカマキリ」「ハラビロカマキリ」「ヒナカマキリ」「ヒメカマキリ」などが挙げられています。
日本に生息するカマキリは東南アジアに生息するような華やかな色のものはいなく、緑色や褐色のカマキリが多いです。
平均体長は60mm~100mm程度の大きさです。
体の特長としましては、前脚は外骨格のおかげで頑丈でトゲもしっかりしており、翅は前後それぞれに二枚ずつあり、後翅はやや大きく扇状に広がっています。
翅の形状や体重が重い事から、長距離を素早く飛ぶことは出来ないようです。
食性は肉食系で、バッタや蝶々などの昆虫類を好んで食べています。
餌が足りない場合は共食いをする事もあるようです。
捕食後のカマキリをよく観察していると、獲物の体液で汚れてしまった前脚を口で丁寧に掃除している姿を見る事が出来ます。
カマキリは綺麗好きで鎌の部分はいつも清潔に保っている事が分かりますね。
カマキリの天敵は鳥類や爬虫類や両生類などが挙げられていますが、最大の天敵はカマキリに寄生するハリガネムシと言われています。
ハリガネムシはカマキリのお尻の部分に寄生し、寄生されたカマキリは命を落としてしまうんだそうです。
平均寿命は1年で、成虫になってからの寿命は2ヵ月~3ヵ月とされています。
カマキリの目の仕組み
カマキリと言えば鎌に注目しがちですが、目を見たことがありますか?
カマキリの目は昼間は緑色をしていて夜は黒色になるんです。
また、目は二つだけでは無く顔の左右に付いている大きな二つの目は小眼と言われる小さな目が集まって出来ているんです。
少ないもので数百個、多いものでは2万個以上の小眼が集まっていると言われています。
頭部全体が複眼で覆われていて360度見渡す事が出来るようになっています。
この目の仕組みが昆虫の中では珍しいんだそうですよ!
他にも、よく見ると触角の間にも小さな3つの目があり、主に明るさ調整の為に使われているようです。
日中でも夜間でも狩りが出来るのは、この目の仕組みが関わっていたんですね☆
カマキリについてのまとめ
今回はカマキリについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?
実際にカマキリを飼育しながら観察すると、今まで気付かなかった生態や体の仕組みを知る事が出来ると思うので、興味がある方は是非飼育にチャレンジしてみて下さいね。
ライターMISAKI