カマドウマは、竈馬と書く、バッタ目・カマドウマ科に分類される昆虫の一種です。

「便所コオロギ」、「オカマコオロギ」とも呼ばれるこの昆虫、通常のサイズでも気持ち悪いのですが、困ったことに、とんでもなく大きなカマドウマが発見されてしまいました。

では、その巨大な姿をさっそく見ていきましょう。

世界の巨大カマドウマについて

巨大なカマドウマが、ニュージーランドのリトル・バリア島で発見されました。

これは世界でもっとも重い昆虫で、かつ、今までに記録された昆虫で最大のものとなります。

このマーク・モフェットが発見したカマドウマは、世界でもっとも重い昆虫で、71gです。

どれくらい重いかというと、雀よりも重く、マウスの3倍ほどになります。

 

ちなみに、「71g」で検索すると、「日清食品 日清の担々麺(71g×12個)」や「日清食品 とんがらし麺 うま辛担々麺(71g ×12食)」がヒットします。

だいたいお湯を入れる前のカップ麺くらいの重さですね。

 

さて、このカマドウマは、木の上で発見されました。

捕獲されたのちは、生の人参を餌としていて、まるでウサギのようにガリガリと食べています。

2017年現在、これほどまで巨大なカマドウマは、ニュージーランドのリトル・バリア島でしか見つかっていません。

カマドウマとは?

カマドウマの体長は、通常はオスで18.5~21.5ミリ、メスで12.0~23.0ミリ程度です。

メスは腹部後端に長い産卵管があり、この産卵管を含めると21.5~33.0ミリほどになります。

ほかのカマドウマ科の種と同様に、成虫でもハネをもちません。

緑色のカマドウマの正体は?

カマドウマの体は、左右に平たく、横から見ると背中全体が高いアーチを描いた体型をしています。

背面から側面にかけては栗色で、腹面や脚の付け根、脛節などは淡色となります。各部には多少の濃淡はありますが、目立つ斑紋はありません。

 

こうやって文字にすると、なんだかスタイリッシュなシルエットですが、実際の見た目は「不快害虫」といわれるだけあって、たいへん気持ちが悪いです。

ちなみに、カマドウマの幼虫も、小型である以外は成虫とほぼ同様の姿をしています。

胸部が光沢に乏しいことや、第1~第3ふ節の下面に多数の剛毛があることなどで成虫と区別できます。

 

なお、カマドウマの顔は、前から見ると下方に細まった卵型で、口付近には1対の長い小顎鬚(こあごひげ)があります。

この体長の3倍以上ある触角で、暗所でも体の周囲全体を探知することができます。

「カマドウマ」の鳴き声って?

さらに、3対ある脚のうち後脚は、特別に発達していて跳躍に適したかたちになっています。

カマドウマの腿節は、体長とほぼ同じ長さがあって、脛節は体長よりも長くなっています。

カマドウマの生態

カマドウマは、極めて広範な雑食性です。

野生下では、おもに小昆虫やその死骸、腐果、樹液、落ち葉などを食べています。

 

繁殖は不規則で、常に卵、成虫、さまざまな齢の幼虫が同時期に見られます。

天敵はヤモリ、トカゲモドキ、ネズミ、カエル、鳥類、寄生蜂、ゲジ、カマキリ、アシダカグモなどと多様です。

カマドウマのその他雑学など

カマドウマは、俗称として「便所コオロギ」などと呼ばれることがあります。

日本列島および朝鮮半島の一部に分布しますが、地域によっては体の色や交尾器の特徴などが微妙に変化しているため、いくつかの亜種に区別されています。

カマドウマという和名は、厳密には北海道から九州の地域と、韓国に分布する原名亜種のみに付けられた名前です。ほかの亜種には別の和名が付いています。

カマドウマって北海道でも見たことある?

ちなみに、カマドウマ科の昆虫は、似たものが多く、日本産のカマドウマ科だけでも3亜科70種以上が存在します。

これらは、とても似ているので、専門家以外には正確に見分けることはまず無理です。

カマドウマのまとめ

以上、カマドウマについていかがでしたか?

巨大カマドウマの写真を見たときに、「ちょうどパソコンのマウスと同じサイズだな」と思ってしまい、しばらくマウスをさわることにちゅうちょするようになってしまいました。

 

とはいえ、特に毒があるわけでもなく、人間に害をなすわけでもないので、飼ってみると案外かわいいヤツなのかもしれません。

興味をもった方はぜひ飼育に挑戦してみてください。

(ライター ジュン)

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