別名「便所コオロギ」とも呼ばれる「カマドウマ」。
身近な虫ではありますが、バッタやカマキリなどと比べるとその生態はあまり知られていないように思います。
特に幼虫時代なんてどんな姿をしているのかすら知らない、という人も多いのではないでしょうか。
カマドウマの幼虫と言われても、いまいちピンときませんよね。
そこで今回は、カマドウマの生態や幼虫についてなど、詳しくまとめていきたいと思います。
カマドウマの生態
カマドウマは古くから日本人の生活の身近なところに存在していた虫です。
漢字で書くと「竈馬」で、竈(かまど)周辺によく出没していたことから名付けられました。
暗く湿度の高い場所を好むことから便所にもよく出没するので、別名「便所コオロギ」とも呼ばれるようになったのです。
現在の住宅ではよっぽど古い家屋でない限り、家の中にカマドウマが入り込むことはほとんどありません。
(我が家は古い日本家屋なので、たまに玄関や縁側に侵入していることはありますけどね。)
見た目の特徴は、何と言ってもビックリするほど長い脚。
その脚から繰り出されるジャンプ力は驚異的で、時に虫かごの中で天井や壁に激突して死んでしまうこともあるほどです。
この大ジャンプに驚かされて、悲鳴を上げたことがある人も多いのではないでしょうか。
カマドウマは「不快害虫」と言われることがあるほど、少し気持ちの悪い外見をしているので、こちらに向かって飛んで来たらかなりビビります。
一つだけ救いなのは、カマドウマには飛翔能力がないことですね。
あのジャンプ力に加えて、バッタのように「バババババ…」と飛んでこられたら、たまったもんじゃありませんから。
また、もう一つ特筆すべきはカマドウマの食性。
虫って全体的に、好き嫌いが激しいものが多いですよね。
特定の植物しか食べなかったり…。
しかしカマドウマは驚くほどの雑食性。
野生下では果実、樹液、落ち葉、昆虫の死骸など動物質・植物質問わず様々なものを食べ、時には動物の生き血をすすることも。
なんと共食いまですることもあるんだとか…。
飼育下なら人間の食べ物であればほとんどのものを食べることができ(濃い味付けなどは別ですが)、餌に困ることはなさそうです。
カマドウマの幼虫と成長について
色々と特徴的なカマドウマですが、幼虫の頃は一体どんな姿をしているのでしょうか。
成虫と同じように、長い脚を持っているのでしょうか?
正解は「イエス」!
カマドウマの幼虫は、成虫をそのままミニサイズにした姿をしており、ほぼ変わりません。
「不完全変態」というやつですね。
(不完全変態とは、幼虫と成虫で姿が変わらないこと。イモムシ→サナギ→成虫となるようなものは「完全変態」と呼びます。)
ただ、胸部に光沢が少ないことや、脚に毛が多いという違いはあります。
なんとなく全体的な線が細い分、成虫よりも気持ち悪さは薄れているような気がします。
私は芋虫のような幼虫が嫌いなので、カマドウマのように不完全変態な虫の方が好感が持てますね。
幼虫は脱皮を6~7回ほど繰り返しながら成長し、約2年で寿命を迎えます。
虫の中では寿命が長い方ですが種類によって差があり、寿命が長いものは産卵数が少なく、短いものは産卵数が多い傾向があるんだとか。
人間にとっては、産卵数が少なくて寿命も短くってのが一番いいパターンなんですけどね…。
カマドウマについてのまとめ
カマドウマは見た目も動きも少し気味が悪く、ゴキブリ並みに嫌いだという人もいるかもしれません。
もしカマドウマへの恐怖を克服したい…と思うなら、まずは幼虫から克服してみてはどうでしょう。
小さく華奢なサイズの幼虫なら、気持ち悪さよりかわいさが感じられるかも?
(ライター もんぷち)