キリギリスの仲間にウマオイという名前のものがいますが、虫に詳しくない人がこの名前を聞くと何の生き物かわからないようなネーミングをされています。
実はこのことはある由来があってのことなのですが、その「ウマオイ」の生態、そして鳴き声、飼育方法を紹介していきます。
ウマオイの生態
昆虫類の分類の一つにバッタ目という、バッタやキリギリス、コオロギなどが属しているグループがあるのですが、ウマオイもこのバッタ目でありその中のキリギリス科に属しています。
このように同じグループの昆虫を挙げるとウマオイがおよそどのような形態をしているのかだいたい予想がつくかと思いますが、ウマオイはその中でも緑色の非常に強いことが特徴です。
さらにウマオイの中にも「ハヤシノウマオイ」と「ハタケノウマオイ」という種類が存在しています。
どちらも生態はほとんど一緒で、出現時期が微妙に違うことと、名前の通りハヤシノウマオイが草の多い林に潜みハタケノウマオイが畑や川沿いの草むらに多いという違いによります。
性格は非常に攻撃的で肉食性なため他の昆虫を狩って食べます。
生息域
基本的には草原や畑、草の多く茂った公園、河川敷等に生息していることが多く、全国的にも広く生息しています。
ウマオイはどんな鳴き声?
ウマオイの鳴き声は特徴的で、「虫の声」という秋の虫の鳴き声を童謡にした曲もあります。
様々な秋の虫の鳴き声を歌詞に取り入れていますが、その中でウマオイは「チョンチョンチョンチョンスイッチョン」と表現されています。鳴き声の表し方にはいろいろありますが、他には「スイーチョン、スイーチョン」といったものや「スイスイスーイッチョン」などが言われております。
個体別に微妙に聞こえ方が違ったりもするためおおむねこのような表現で正しく表せていると思いますが、中には音を長く伸ばして鳴くタイプや短く鳴くタイプのウマオイもいます。
「ウマオイ」の由来とは
ここまでで紹介したウマオイの鳴き声が名前に由来しています。
この鳴き声が、馬子が馬を追う声のように聞こえたということで名づけられたとされています。
食性
ウマオイは肉食なので小型のバッタやアブラムシ、カメムシを食べますが、葉や花の蜜も食べます。
また実は前足にあるトゲを相手に刺すことで捕獲し、中型の昆虫でさえも捕食するほど獰猛な性質を持っています。
しかし人間には害はなく、特に注意する点はありません。
採集・飼育方法について
採集の仕方に特別な方法は特になくそれほど珍しいものでもないため、草むらを探すと比較的簡単に見つかります。
夜間に活動的になるため、昼間は葉に隠れていることが多く隠れることができそうな場所も注意深く観察する必要があります。
飼育するにはケースに土を数センチほど敷き詰めて、植物や石なども入れてあげましょう。また直射日光には当たらないようにして、風通しも良くしてあげると良いです。
他のバッタ目の昆虫と比べて人工の餌にはあまり食いつかないことと、肉食を好むため、昆虫を入れてあげると勢いよく食べてくれることがあります。
与えた餌をあまり食べてくれない場合に、同じケースに入っている同じウマオイ同士で共食いもしてしまうため別々にしてあげたほうが良いかもしれません。
草をよく食べる場合は、新しい草の植え替えも忘れないようにしなくてはなりません。
ウマオイの鳴き声は歌詞にもなっていた!
ウマオイは特徴的な鳴き声を上げる昆虫で、その鳴き声によって名前が名付けられることになりました。
そして秋に鳴く虫として歌詞にもなっています。
飼育をすることもできるので、その際に鳴き声をしっかり聞いてみると秋の情緒を感じられるかもしれません。
(ライター yuki)
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