「きりきりきりきりコオロギや、がちゃがちゃがちゃがちゃクツワムシ」
これは童謡「虫のこえ」の2番の冒頭部分の歌詞です。
なんの疑問もなく歌っていましたが、ふと気づいたんです。
「クツワムシってなんだ?」ということに…。
クツワムシって、秋に鳴く虫の中でもスズムシやコオロギと違ってめちゃくちゃマイナーな虫じゃないですか。
どんな姿なのか、見たことあるのかすらも分からない、そもそも「がちゃがちゃ」なんて鳴き声を聴いたことがない、なんて人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、そんな「クツワムシ」について、詳しく調べてみました!
クツワムシってどんな虫?
生態
クツワムシは本州の茨城県~新潟県以南に生息している、キリギリスの仲間です。
大きさは約5cm~6cmで、キリギリス科の虫の中では一番の大きさ。
体高が高くずんぐりとした体と、キリギリスに比べて小さな頭部が特徴的。
夜行性で、開けた場所をあまり好まず、下草の中などに潜みます。
基本的には雑食性ですが、主な餌はマメ科の植物(特にクズの葉)で、草食だけでも十分に生育すると言われています。
鳴き声
クツワムシの鳴き声は、歌の歌詞にもあるように「ガチャガチャ」という声。
しかし実際に聞いてみると、確かに文字で表現するとすれば「ガチャガチャ」なんだけど、でも「ガチャガチャ」という文字から受けるイメージとはなんか違う…そんな感じの鳴き声です。
そんな説明じゃよくわからん!という人は、動画などで実際に聞いてみてください。
きっと、「あ、これ聞いたことがある」と思うはずです。
ちなみに、鳴くのはオスのみ。
名前の由来
名前の由来は、その「ガチャガチャ」という鳴き声が、馬につける「轡(くつわ)」の音に似ていたことから「轡虫(クツワムシ)」。
そんなピンポイントでマイナーなものに例えなくても、他に似ている音が出るものはいくらでもありそうな気はしますけどね。
益害
クツワムシが農作物を食い荒らしてしまう、なんてことはほぼないようですが、鳴き声がうるさすぎて「害虫」とみなされる場合もあるようです。
たしかに、あの鳴き声がひっきりなしに聞こえてきたら、安眠妨害ですよね。
場合によってはセミレベルのうるささにもなりますし。
クツワムシを飼ってみよう!
捕獲方法
まずはクツワムシの捕まえ方から。
夜、クツワムシが鳴き始めてから鳴き声を頼りに探すと見つけやすいです。
開けたところよりも草の根元にいることが多いので、鳴き声のするあたりの草をそっとかき分けて探してみてください。
鳴いている間は動かないので、こっそりかつ素早く近づいて捕獲しましょう。
光には敏感なので、できるだけ懐中電灯の光は消しておいてください。
飼育方法
大きめの水槽やプラケースに入れて飼育します。
クツワムシは飼育下においてはよく共食いをするので、できる限り分けて飼育するのがおすすめです。
設置場所は風通しの良い静かな場所がいいですよ。
しかし、鳴き声がうるさいので、寝室の近くや音が響きやすいところは避けたほうがいいでしょう。
次にケースの底に5cmほど次を入れ、ススキなどのイネ科の植物を植えてください。
餌はマメ科の葉、リンゴ、カボチャ、ナスなどの果物や野菜、そして煮干しや削り節など、動物性のものも与えてあげましょう。
もし複数を同じケースで飼育する場合、動物性のものを与えることで共食いのリスクを多少なりとも下げることができるのです。
基本的には食べ物から水分を摂取するので水入れなどは不要ですが、水分不足が心配な場合は2日に1回くらいの頻度で霧吹きをしてあげてください。
腐ったエサや澱んだ空気には弱いので、食べ残しはきれいに片づけるなどして、清潔な環境を保ちましょう。
クツワムシについてのまとめ
クツワムシの実態について、たくさん知ることができましたね。
鳴き声が大きすぎて、スズムシなどのように飼育して鳴き声を楽しむ…というわけにはいきませんが、鳴き声が大きくても気にならないという人は飼育してみてはいかがでしょうか。
(ライター もんぷち)
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