かっこいい鎌を振りかざして勇ましい姿を見せてくれるカマキリ。

独特でカッコ良いですね。

カマキリは鋭い鎌を構える例の姿で子供達からも人気のある昆虫の一種です。

最近でも草むらや雑木林でたま〜に見かけるカマキリですが、彼らはどこでどんな風に生きているのでしょうか。

ここのところカマキリを見かける機会がぱっと減ったように感じ少々残念に感じているので今回はカマキリについて調べてまとめてみました。

カマキリの生態

全世界でおよそ2000種類ほどがいるといわれているカマキリ。

まずカマキリの生態(衣食住)について紹介します。

カマキリは北海道から九州にかけて、日本全国にオオカマキリやチョウセンカマキリなど10種類ほどが生息しています。

主に草むらや雑木林に住んでいて、花畑なんかでも見かけることが出来ます。

カマキリが活発に活動するシーズンは夏から秋にかけてなのでちょうど草木が生い茂る季節ですね。

カマキリのエサは?

カマキリがエサとしているのは基本的に肉食の昆虫です。

食性は肉食性で自分より体の小さい昆虫や小動物を見つけると鎌を振り上げ、体を左右に動かしながら獲物との距離を測り、とびかかり捕食します。

昆虫図鑑などでカマキリがエサとなる昆虫を捕食している写真を見かけたことがある方も多いと思いますが、カマキリは実際にバッタやイナゴ、蝶など生きた昆虫を自分で捕食してエサとしています。

獲物や捕食者に見つからないために、葉っぱや枝に擬態して茶褐色や緑色の体色をしているものが多い中、熱帯地方ではカラフルな花びらに擬態するものもいます。

一見動きが鈍そうなカマキリですが、獲物を捕食する時の動きはとても俊敏で、自慢のカマで相手を一瞬で捉えることが出来ます。

 

あと、近くにエサがない場合には共食いを始めることもある凶暴な側面もあります。

カマキリの捕まえ方

カマキリを飼育する場合、まずはカマキリを捕まえてこなければいけません。

日本にはカマキリ科とハナカミキリ科を合わせ10種類ほどのカマキリがいると言われていますが、いずれのカマキリも草むらの中で捕食活動を行っています。カマキリを捕まえるとなれば、とにかく草むらの中をじ~~っと根気強く探すしか方法はありません。

バッタやイナゴのようにぴょんと跳ぶわけでもなく、かといって魚のようにエサでつるわけにもいきませんので、ひたすら目を凝らしてカマキリを探します。

植物の葉が落ち、茶色く変色する秋にカマキリの卵を見つけておけば、その辺りがカマキリの生息場所。

春になってから卵のあった周辺を探すと、見つける確率は上がります。

また、卵を家に持ち帰り、春に孵化するのを楽しんでも良いかもしれません。

 

その場合、室内の温度が高ければ春を待たずに孵化する場合もあり、驚くほど大量の子カマキリたちがわいて出てきますので、覚悟が必要です。

成虫のカマキリを見つけたら、胸部にあたる細くなった胸の部分をそっとつかみます。

あまり強く握りすぎるとすぐにつぶれてしまうので、注意が必要です。

この時、慣れていない人は軍手などの手袋を下方が良いでしょう。

 

なぜなら、カマキリは捕まえられると鎌を振りかざして抵抗してきます。体を反転させ、つかめた指に鎌を突き刺し、大きな顎で噛みつくこともあります。

流血するほどにはなりませんが、それは結構な痛さです。特にオオカマキリのような大型のカマキリではかなりの痛さになり、驚いてしまいます。

捕まえたら、すぐに虫かごなどにいれて捕獲完了です。

長い時間掴んでいると、人間の体温で弱ってしまいますので、掴んだらなるべく早く籠に移してあげるのが賢明です。

カマキリを飼育する場合のエサ

野生のカマキリは生きた昆虫を自分で捕食してエサとしていますが、人間が野生のカマキリを飼育する場合のエサはどうすれば良いでしょうか。

餌は鶏肉などの生肉でも、ハムやベーコン、魚の切り身からカブトムシ用のゼリーやパンやプリンやまんじゅうまで…

気になって動画を調べてみるとYouTubeにはプリンを食べるカマキリの映像が紹介されていました。

 

また、ささ身などを小さくちぎって紐などにぶら下げ、カマキリの目の前で揺らすと、立派な鎌を振り上げて捕食する姿を見ることが出来ます。

 

もちろん野生のバッタやイナゴ・コオロギ・蝶・蠅など生きたまま与えることが出来れば一番理想ですが、近くに田んぼや草木がないとなかなかエサの調達に苦労すると思います。

どうしても自然に近いエサをカマキリに与えたい場合には、釣具店などに売っているサシ(ハエの幼虫)やブドウ虫(ガの幼虫)などを与えるのも有効な方法です。

 

カマキリの赤ちゃんのエサは?

カマキリは枝などに泡のような卵鞘の状態で卵を産み付け、卵鞘の状態で冬を越します。

春が来て孵化すると2カ月程で成虫になります。

一匹のメスが同じ地帯に何度か産卵することもあるので、固まった場所のあちこちにカマキリの卵鞘を見ることがありますね。

そんな卵鞘を枝ごと持ち帰ってきて虫かごに入れてみちゃいましょう。

ひとつの卵嚢から平均すると200匹ほどのカマキリの赤ちゃんが生まれてきます。

うじゃうじゃと沸いてくるかのように、成虫と同じカマキリの形をした小さな小さな赤ちゃんが誕生してくるというわけです。

そのサイズはおよそ0.3㎝ほど。

 

虫かごの中で飼育していると、必ずと言っていいほど共食いが起こります。

これは生まれたばかりの赤ちゃんたちの中で弱肉強食の世界が展開されているわけで、種を保存するためには必要な行為なのかもしれません。

でも、いつまでも共食い状態にしていては赤ちゃんが育ちませんので、飼育する場合はエサをあげましょう。

もちろん、水分も忘れてはいけません。

水分は湿らせた脱脂綿を常に入れておくか、時々虫かご全体に霧吹きをするかなどして、水分を切らさないようにしておくことが大切です。

カマキリの赤ちゃんがのエサはショウジョウバエやアブラムシなどの小さな虫たちです。

 

アブラムシはその名の通り!?アブラナ科の植物を好みます。

小松菜や菜の花、オクラなどを栽培していると、どこかにいるはず。

もちろん草むらの草にいる場合もあります。

近所で野菜を栽培している人がいたら、とらせてもらうといいかもしれませんね。

ショウジョウバエは生ごみをほったらかしにしていたり、腐食したものにすぐに寄ってきます。

バナナなどをかごの中にいれておくと自然と寄ってきます。

クチキバエやキノコバエなどはカブトムシのエサシートなどにもよってくるので、それを外に置いておき、産卵を待ってかごに入れてやれば孵化したての小さなハエをカマキリの赤ちゃんに食べさせることが出来ます。

 

シートを購入した方がスマートに赤ちゃんを飼育できるかもしれませんね。

この時の注意点は、一般の虫かごではすぐにハエたちが逃げてしまうこと。ガーゼやメッシュなどで隙間を塞いであげなければならないということ。

成長過程でエサを変える

カマキリは8令で成虫になるのですが、孵化から1週間に一度のペースで脱皮します。

どんどんと成長していくので、その成長度合いに応じたエサを与える必要があります。

ある程度の大きさになったら、今度は少し大き目のエサ、例えば小さなコオロギのようなものを与える必要があります。

これはペットショップなどで購入することが出来ます。

どうしてもちょうど良いエサが見つからない時は鶏肉や魚の切れ端をひもなどに結び付けてゆらゆらと揺らしながら与える方法もあります。

 

カマキリは立派な鎌を持っていますから、自分より小さな昆虫に思い切り鎌で飛びついて捕獲する本能が携わっています。

見事に飛びついてかっこいい捕食姿を見せてくれますよ。

この時のエサの大きさは体より小さいサイズにしてあげることが重要かもしれません。

なかなかエサを食べてくれない時はヨーグルトや牛乳を与えることも一つの方法です。

壁や木の枝などにヨーグルトを塗りつけたり、牛乳を霧吹きでスプレーするとそれをなめます。

昆虫ゼリーをエサとして与える場合

特に赤ちゃんカマキリに言えることですが、本来のアブラムシなど小さい昆虫は確保が難しい事もあるかと思います。

そんな時には昆虫ゼリーもおすすめです。

ただし、カマキリに与える昆虫ゼリーは高タンパクで甘味料や保存料などが入っていないものがオススメ。

少々値段は張りますが、常に生きた昆虫を捕獲する習性のあるカマキリの肉体を維持するためには高蛋白質であることが結構重要な条件になってくるのです。

因みにあまり知られていませんが、普段は樹液などの植物性の炭水化物を中心に食べるオオクワガタのメスなども、産卵前になるとたんぱく質の補給の為にカブトムシの幼虫や蛹、時には成虫までも襲って食べる事があります。

安価な昆虫ゼリーは糖分が多めで、たんぱく質が含まれていませんが、カマキリのエサはたんぱく質そのものが理想ですので、昆虫ゼリーはクワガタ産卵用の高たんぱくなものを選びましょう。

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万が一すぐにエサを準備できない時は、ヨーグルトと水を脱脂綿に浸したものを与えておきましょう。

カマキリの飼育で失敗しがちな事

カマキリにエサを与える上で最も注意しなければいけないことが3つあります。

1つは「水分」を与えることです。

カマキリは昆虫ですから当然「水分」が必要不可欠です。

多くの飼育者が水分切れで失敗をしてしまいます。

小さな小皿に水を入れておくだけでも良いですが、濡らした脱脂綿は欠かさず飼育ケースの中に入れておいたり、定期的にゲージに霧吹きをするなどして適切な湿度を保ってあげると良いでしょう。

 

2つ目は「カマキリを複数匹一緒に飼うこと」です。

前記した通り、カマキリはエサ不足になると共食いを始める場合があります。

特にエサが足りなくなり、数匹のカマキリを同じゲージの中に入れている場合は、かなりの高確率で共食いをしますので、エサは切らさないように注意が必要です。

 

せっかくカマキリを飼い始めたのに次の日には共食いで片方は両方とも死んでいたのでは可哀想です。

カマキリが食べるエサ量の目安としては、1匹あたり1日1回、昆虫1匹を与えるのが理想です。2匹以上で飼っている場合には様子を見ながらエサの量を調整してあげると良いと思います。

 

3つ目はエサの与えすぎです。

エサを切らすと共食いしてしますのですが、エサをあげすぎてもいけないようで、カマキリは餌はあればあるだけ食べてしまう習性があるらしく、食べ過ぎて死んでしまうこともあるとか・・・。

立派な鎌を持つ昆虫に進化してきたカマキリゆえの性でしょうか!!??

鎌を使わずともエサが万度にある状態に本能がおかしくなってしまうのかもしれないな~と勝手に想像したりして・・・。

また、意外にグルメなカマキリには同じエサを与え続けるのも良くないようです。

カマキリの天敵

カマキリは一見強そうに見えますが、カマキリが生きていく上での天敵が意外にも多く存在しています。

例えば鳥類全般。カラスやスズメなどに狙われれば体の小さなカマキリは逃れられません。

また、意外にもカエルがダメなんですね。体が成長しきっていない小柄なカマキリはカエルに丸呑みにされてしまうこともあります。

カマキリが弱っている時に大量のアリに群がられればカマキリも太刀打ちできずエサになってしまうという、なんとも弱肉強食の世界を生きているのがカマキリなんです。

カマキリのエサのまとめ

近年、田んぼや畑に行ってもカマキリをあまり見かけなくなってしまいました。

エサと水さえ気を付けていればカマキリは意外に簡単に飼育することが出来ますので、もしもかまきりを見つけたら捕まえて飼ってみるのも面白いと思います。

ちょうど夏の時期に捕まえることが出来るので夏休みの自由研究や観察日記のテーマに選んでも良いのではないでしょうか?

ただし、彼らの寿命は1年程なので、飼育した場合は上手に飼ってしっかりと天寿を全うさせてあげてくださいね。

(ライター まるお)

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