カマキリの三角形の顔と、あの目つき。

ギザギザのついたカマをシャキーンと伸ばした姿は、ホラーそのものです。

今度はそんなホラーなカマキリの仲間、コカマキリについてのお話です。

名前の最初に「コ」がつくシリーズです。

コカマキリは少々発音しずらいので、早口言葉になりそうですね。

カマキリについて

コカマキリはカマキリ科カマキリ目の昆虫です。ここまではオオカマキリと同じです。

日本産のカマキリは、カマキリ科とヒメカマキリ目に大きく分けられます。

カマキリはもとは熱帯に多く生息している昆虫です。

コカマキリ、見た目はなんか地味

体長は約5㎝~6㎝で小ぶり、色は茶系の肌色です。稀に緑やこげ茶の個体も確認されているようですが、全身が肌色のような枯葉色です。

 

前脚の裏側に、白黒の斑点が見られるのが特徴です。

この斑点はくっきりした黒色が目立つので、コカマキリがカマをふりあげるところを見れば判別しやすいかも知れません。

コカマキリの翅は、奇妙な色合いをしています。

威嚇する時に、翅を広げこすり合わせて音を出します。

 

翅はオレンジや肌色、茶色のグラデーションです。

コカマキリは複眼まで褐色です。

全身ストッキングを履いているかのように、見事な茶色ですね。

カマキリは綺麗な緑色の個体が多いので、一番見分けやすいのは体の色とカマの後ろにある黒い部分、あとは体の大きさでしょう。

コカマキリは体が細く頭は小さめ。小顔タイプのカマキリです。

カマキリの種類をまとめて紹介

コカマキリの生息地

生息地は本州、九州、四国、沖縄でオオカマキリとほぼ変わりありません。

コカマキリが見られるのは、わりと長く8月から11月頃まで。

林縁部や人家や草のあるところなど生息範囲は比較的広く、緑が多少ある場所なら、アスファルトの上にいる場合もあるようです。

地表をうろうろ歩き回り、獲物を探しています。樹のあるところだと、葉の裏側にくっついていることもあるようです。

天敵に遭遇すると死んだふりをします。

体が茶色いので、わりと見つけやすいでしょうかね。

コカマキリの生態

コカマキリが卵から孵化するのは、春から初夏です。

カマキリたちの卵は、卵鞘(らんしょう)という泡のようなものの中に入っており、草むらなどで見かけることも多いのでは。

割と目立ちますよね。

遠くから見ると、小さい綿あめのようにも見えます。

コカマキリの卵鞘はオオカマキリのそれより小ぶりで細長く、茶色っぽい色をしています。木の割れ目などに産み付けるようです。

また、オオカマキリに寄生するハリガネムシは、コカマキリには寄生しないようです。

コカマキリは小型ながら、動きは俊敏で性格は獰猛です。

 

コカマキリを飼ってみよう!

小型なカマキリコカマキリ。生き物を飼うとき、いちばん心配になるのは餌です。

コカマキリの場合も、基本的に動くものを食べますから、クモなどの小型の生物を与える必要があります。

少し難しそうですね。

クモを数匹自宅で飼っています、という方なら問題ないかも知れませんが。

カマキリの種類をまとめて紹介

コカマキリも共食いをするのか?

カマキリといえば、共食いをする虫として知られています。交尾中の雄を食べてしまうという、人間からみるとショッキングな行動もみられますが、カマキリにとってはもちろん、ごく普通の行為なのでしょうね。

しかしもちろん、交尾が終わっても生き延びる雄のカマキリもいます。

一口に共食いといっても、その理由や実態は様々です。

単に捕食対象が減ってしまったからなのか。十把一絡げにするわけにはいきません。

さて、コカマキリですが、飼育するにあたって共食いをするのかどうかも気になるところです。

小型とはいえ、コカマキリも当然共食いはします。

 

コカマキリと人間

昆虫やその他の生物のことを見ていくと、ヒトが生物として必ずしも標準というわけではないことが分かります。

例えばカマキリの特色の一部である共食いという行動ひとつとっても、人間から見ると凄まじい行為に見えますが、一概にそれが残酷で人間がそうではない、といえるものでもありません。

いうまでもなく、生物は様々な顔を持つ多面的な存在です。

大事なことは、性質も行動も好きな食べ物もまったく異なる生き物が、共存しているという不思議な事実を忘れない事かも知れません。

(ライター おもち)

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