ニホンマムシは、毒ヘビの日本代表!!

マムシは、正式にはニホンマムシと呼ばれ、爬虫綱有鱗目クサリヘビ科マムシ亜科マムシ属に分類されるヘビで、沖縄を除くほぼ日本全国どこにでもいる毒へビの代表格です。

マムシ亜科にはハブ属やガラガラヘビ属などの名だたる毒へビが多く属しています。

そのなかで、マムシ属は13種類を数えますが日本国内にいるのは二種類で、一般的なニホンマムシと対馬にだけ生息するツシママムシです。

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ツシママムシの方がニホンマムシよりも神経質で気性が荒く、攻撃的だといわれています。

 

実はマムシは小型のヘビ!

ニホンマムシは全長が50〜60センチ程度の小型のヘビですが、胴が太くずんぐりむっくりとした体型をしています。

なかには1メートルを超えるほど成長するものもいますが、それにしてもハブやアオダイショウに比べれば、かなり小型だと言えます。

アカマムシにクロマムシもいる!

マムシの体色は独特の褐色ベースで、その上に黒いふちどりのある銭形の斑紋がズラっと並んでいます。

これは枯れ草の上や朽ち木の下などに潜んでいる時には保護色の役割をしており、とても見分けにくいものです。

伊豆大島や八丈島には赤みがかった体色を呈する「アカマムシ」と呼ばれる個体群が存在します。

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また全体が黒化した「クロマムシ」と呼ばれる個体も見られます。

マムシは獲物を生きたまま丸呑みにする!

マムシは完全な肉食です。

しかも生きた獲物しか食べません。

耳(聴覚)はありませんが、眼(視覚)や鼻(嗅覚)はしっかりと機能しています。

それ以上にすごいのが温度を感じる機能です。

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頰にあるピット器官と呼ばれる赤外線を感知する器官で温度変化を感じ取り、それを通じて暗闇でも獲物に瞬時に正確に咬みつくことができるのです。

マムシの狩りは、獲物を見つけて咬みつく。

たったそれだけ、一瞬で終わってしまいます。あとは咬みついたその毒牙から注入した毒液の働きで、獲物が弱るのを待つだけです。

小型のヘビに毒があるのは、相手が暴れて抵抗するのを避けるためだと言われています。

獲物が弱って抵抗できなくなったところで、そのまま丸呑みにしてしまいます。

マムシには、捕えた獲物を食いちぎったり、咬み砕いたり、細かく切り分けるような歯がありませんので、丸呑みするしか捕食する方法がないのです。

 

ツチノコの正体はマムシだった!?

マムシは首が細い割に胴が異様に太く、さらにその先の尾は細くなっているという、ヘビとしては、ずんぐりむっくりとした、特徴的なスタイルをしています。

獲物を飲み込むと、さらにその太い腹部が膨れ上がります。

長さのある獲物であれば、その身体は伸びきってしまうので、異様な姿に見えてしまいます。

おそらく、この状態で目撃されたのが未確認生物(UMA)の『ツチノコ』の正体なのではないかと考えられています。

マムシの天敵はほとんどいない!!

マムシはおもにネズミなどの小型の哺乳類、鳥類とその卵、トカゲやカナヘビなどの爬虫類、カエルやイモリなどの両生類、さらに魚類やザリガニなどの節足動物まで捕食します。

また同種での共食いをすることもあります。

逆にマムシの天敵ですが、一般にヘビを食べる鳥類(タカやフクロウ)や中型~大型の肉食の哺乳類(イタチ、タヌキ)などが挙げられます。

しかし実際には、これらの動物が特にマムシだけを狙うということはありません。

逆襲されて毒牙で咬まれる危険性があるからでしょう。

そういう意味では、マムシにはほとんど天敵らしい天敵はいないと言えます。

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マムシのすみかはあらゆるところに・・

ニホンマムシは、南西諸島を除く日本各地に分布しています。

平地から標高の低い山地の森林や人里近くのヤブなどに生息しています。

特に湿気を好みますので、河原の草むらや土手、水田、小川や渓流などに現れることが多いといえます。

夜行性ですが、昼間でも日蔭や薄暗い森林の中、ジメジメとした湿地などに出没することがありますし、木の根や岩陰などのわずかなすき間にじっと潜んでいることもあります。

マムシの行動は、地面を這いまわることがほとんどですが、凹凸に富んだ樹木ならその幹に登ることもできます。

幼体はもっと行動的で、壁面を垂直に登ることもあります。

マムシの褐色の体色と「銭型模様」は、薄暗い草むらなどでは保護色になっていますので、とても見分けにくく、見つけにくいものです。

こういった場所に不用意に近づくと、いきなり咬まれることもあります。

マムシは異臭を放つ!?

マムシは危険を感じると頸部をもたげて舌を頻繁に出し入れします。

トグロを巻き、鎌首をもたげていつでも攻撃できるように構えます。

このとき、尾を細かく震えさせて威嚇音を出すこともあります。

また総排出孔内にある肛門腺から異臭を放つこともあります。

アオダイショウは青臭いニオイを出しますが、マムシの出すニオイは「ジャガイモの皮を剥いた時のような」だそうです(笑)

マムシは卵胎生!爬虫類なのに、子ども産む!!

マムシは爬虫類なのに、卵を産まずに、幼体(幼蛇)を産みます。

本来爬虫類は卵を産み、子は卵の中で成長して殻を破って孵化しますが、マムシのメスは卵を産みません。

マムシは卵を体内に貯留させ、そのまま母体内で育て、孵化させた後、子どもを産むのです。

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ただし卵といっても、いわゆる殻がない状態の「白身と黄身の塊」です。

哺乳類のような胎盤はありませんが、酸素と二酸化炭素のガス交換は可能です。

それ以外の栄養供給はいっさい無く、子は卵黄に相当する部分を栄養源として成長します。

こういった生殖法を卵胎生といいます。

卵胎生を行う種は、マムシに限らず、タニシ、ウミタナゴ、サメやエイなど貝類から魚類まで様式の違いはありますが、幅広く存在します。

 

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マムシがもっとも危険な時期は6~10月頃!

マムシは夏の終盤8~9月にかけて交尾を行います。

卵はメスの体内にあります。

メスは卵管にある腺組織(精子嚢と呼ばれています)で精子を貯蔵したまま越冬します。

これを遅延受精といい、受精時期のコントロールがおこなわれているようです。

翌6月ころに受精をさせて妊娠期に入ります。

妊娠期間中(6~10月ころ)のメスは、非常に食欲旺盛であり、昼夜を問わず獲物を求めて徘徊し、積極的に捕食をします。

また、その分とても神経質になっており、警戒心が強くなっていますので、すぐに攻撃を仕掛けてくるのです。

したがって咬傷事故もこの時期に頻発します。

マムシは変温動物で、本来は夜行性で太陽を嫌う性質ですが、この時期のメスは代謝をあげるために積極的に日光浴もします。

マムシの産!出!

マムシのメスは、およそ3ヶ月の妊娠期間を経て、8~10月の深夜から明け方にかけて、水辺の草むらなどで出産をします。

出産は総排出孔を介して、幼体(幼蛇)の状態で、次々に出てきます。

一度に生れてくるのは10匹前後です。

メスの出産間隔は2〜3年ほどです。

誕生直後のマムシの幼体(幼蛇)は、全長20センチ程度で、体重はおよそ5g。

尾の先端がオレンジ色をしています。

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総排出孔は胴と尾の境目だった!!

ちなみに総排出孔(口)とは、爬虫類、両生類、鳥類などが持つ排泄のための出口であり、体から出るものすべてがそこからまとめて排出されます。

つまり、便も出れば、メスなら卵=マムシの場合は幼体を出産、オスなら精子が出てくる場所でもあるのです。

ヘビの場合には、腹側の後方にある総排出孔が身体と尾の境界にあたります。

ヘビの身体は一見連続しており、どこが頭でどこが胴体でどこが尾なのかわかりません。

マムシでは凹凸に富んでいますので、頸が細くなり胴にかけて太くなりますので、ある程度の目安は付きます。

胴体に相当する部分には骨格的にはきちんと肋骨が並んでおり、臓器もここに収められていますが、尾に相当する部分から先には肋骨がなく、臓器などは一切ありません。

外見的にも、この総排出孔の位置が胴体と尾の境界をなすのです。

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マムシの寿命は未解明!!

誕生したマムシの幼体は、脱皮を繰り返しながら成長していき、3〜4年で成熟して成体になります。

成長の著しい幼少期には年に数回、ある程度成熟してからは年に一度のペースで脱皮を繰り返します。

ただし個体差が大きく、生息する地域の環境によって脱皮の回数は異なります。

成体ではメスの方が大きく長いのですが、オスの特徴は尾が太くて長めになっていますので、メスよりもずんぐりむっくりとしています。

マムシの寿命は、飼育下では12年生きたという記録がありますが、野生下では未解明で10年程度と考えられています。

マムシは視力よりも温感重視!

マムシの瞳孔は縦長で、昼間は細く絞られています。

まぶたはありませんので開きっぱなしです。どちらかというと明るい場所を苦手にしています。

昼間は薄暗い場所に潜んでいることが多く、雨天や曇りの日には昼間から活動することもあります。

おもに夜行性であることから、補食や攻撃にあたっては、視力はあまり役に立ちません。

それよりも獲物の体温を赤外線で感知するピット器官というものを持っており、それを通じて暗闇でも的確に行動しているのです。

マムシは精密なサーモグラフィーを持っている!?

マムシの頭部は毒を持つヘビの特色である長めの三角形をしており、その底角に相当するエラの部分に唾液腺が変化した毒腺が内蔵されています。そして導管を介して毒牙に連結されているのです。

鼻の孔と眼の間には頰に相当するくぼみ「頰窩」がみられ、ここはピット器官とも呼ばれ、赤外線を感知する機能を有します。

この機能が優れているためにマムシは暗闇であってもそのエサとなる小型ほ乳類の体温を感知し、その存在を認識することができるのです。

その感知能力は、わずか0.003度の違いも判別できるといわれ、しかも左右に一対あることでその正確な距離まで判別が可能だと考えられています。

最近の研究では、マムシはピット器官で単純に温度の違いだけを感じているのではなく、距離感をつかんで対象物を立体化して認識しているようです。

恐るべき能力です。

またマムシの持つこの機能を応用したものが、物体の発する赤外線により温度を可視化し、その熱分布を色分けして見やすく表したサーモグラフィーです。

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ヘビとトカゲの違いは足の有無?

爬虫類が登場したのはおよそ3億年前の古生代後期です。

同じ爬虫類の有鱗目(約2億年前の中生代三畳紀に登場)に属するヘビとトカゲですが、ヘビはトカゲから分岐したものとされています。

詳しくはまだわかっていませんが、ヘビ類はおよそ1億年前の白亜紀に登場したと考えられています。

爬虫類の中ではまだ新参者というわけです。

ヘビとトカゲの違いはなんでしょうか?

見た感じで一番わかりやすいのは、足が有るか無いか・・なのですが、実はトカゲ類にも足のない種であるアシナシトカゲなどがいます。

しかも3亜科で120種もいるのです。

ところが、外見上は足がないアシナシトカゲですが、骨格にはきちんと足が残されています。

退化して短くなり、体内に収められてしまったのです。

レントゲン写真を撮ればその違いは一目瞭然というわけです。

 

最大の違いはまぶたの有無!!

しかしヘビとトカゲの最大の違いは、足の有無ではなく、実は目を覆うまぶたの有無だと言われています。

トカゲ類にはまぶたがありますが、ヘビ類にはありません。

つまりヘビ類の眼はずっと開きっぱなしなのです。

またヘビ類には、耳はおろか鼓膜も有りませんので、音をまったく感じることができません。

ただし振動を感じ取ることができますので、大きな音に対してはある程度の反応を見せることがあります。

ヘビ使いの技は笛の上手下手ではなかった!?

「コブラ踊り」という、おもにインドコブラを使った大道芸があります。

ヘビ使いの吹く笛の音に合わせて、カゴの中からコブラが顔を出し、踊るというものです。

一見すると笛に合わせてコブラが踊っているように見えるのですが、ヘビ類は音を聞くことができません。

このカラクリは、ヘビ使いが足などでカゴを突っつき、その振動で刺激してコブラに顔を出させます。

そしてコブラを怒らせながらその動きに合わせて笛を吹くことで、あたかも踊らせているように見せているのです。

コブラが鎌首をあげて首を後ろに引く動作は、威嚇行動であり、いつでも咬みつく体勢でもあるのです。

 

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ヘビとトカゲのウロコの違い!

有鱗目というくらいですから、ヘビにもトカゲにもウロコ(鱗)があります。

ヘビの腹側のウロコは横長で大きく一列に並んでいます。

それに対して、トカゲの腹側のウロコは背中側と同様に小さなものが密集しているだけです。

これはヘビ類が腹側を地面に擦りつけながら移動することに関係しているのです。

最近の研究で判明したのですが、ヘビ類の腹側のウロコには、ごく薄く(ナノメートル単位で)潤滑油がコーティングされており、スムースな移動を可能にしているのです。

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トカゲの毒腺は下顎にある!!

ヘビ類には毒を持つものが数多く(全種の1/4)いますが、トカゲ類で毒を持つものはわずか3種だけだといわれています。

毒トカゲはヘビと異なり下顎に毒腺があります。

トカゲ類には細かな歯がありますが、毒を持つトカゲも同様で、毒ヘビのような鋭い毒牙はありません。

毒牙がありませんので獲物の体内に直接毒を注入させることはできないのです。

毒トカゲは獲物に咬みつくと、歯と歯の間にある毒腺から毒を噴出させ、それを咬み傷からじわじわとしみ込ませていくのです。

ヘビ類が毒薬を注射するのに対し、トカゲは毒を塗りつける、すり込むといった感じです。

したがってトカゲの毒は、一気に相手を倒すというほどの威力は発揮しませんが、じわじわと効いてくるのです。

毒を持つコモドオオトカゲも、その巨体を活かして咬みついた相手を一気に倒してしまう場合もありますが、大きな獲物の場合は無理をせず、逃がしてしまうこともあります。

しかしそれはほったらかしということではありません。

咬みついた獲物のニオイを頼りに、そのあとを追跡していくのです。

場合によっては何日もかけて追いかけます。

毒はゆっくりですが、確実に効きますので、そのうちに弱って動けなくなるのを辛抱強く待つのです。

毒の有無で、ヘビの歯には違いがある!

マムシは、上下4本の鋭い牙を持ちますが、上顎2本だけが管状の毒牙になっていて、それを刺すことで直接体内に毒を注入できます。

毒ヘビの持つ鋭い毒牙は、もろく折れやすいので、生涯を通じて何度も生え変わります。

生え代わりの際にポロッと外れるように脱落することもありますので、そのまま獲物と一緒に飲みこんでしまい、糞に混じって排出されることも有ります。

毒を持たないヘビには牙はなく、トカゲ同様の小さな細かい歯が多数ついています。

しかし円柱状の歯の表面は平面になっており、獲物を食いちぎったり、咬み切る能力はありません。

注目すべきは歯の生えている方向で、奥の方、のどに向かって逆向きに傾いているのです。

これにより、ヘビに食いつかれた獲物は、逃がれられなくなってしまいます。

そしてじっくりと時間をかけて、丸呑みにされてしまうのです。

 

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獲物に巻きつくのは毒の無いヘビ!

ヘビは獲物に巻きついて絞め殺すイメージがありますが、すべてのヘビがそういう行動を取るわけではありません。

巻きつくのは毒の無いヘビだけです。

毒ヘビの中で最大のものはキングコブラで、全長は平均で3メートルほどです。

ただし最大の個体はタイで捕殺された559センチという記録のものがあります。

それ以上に大きく長いヘビは毒を持ちません。

その必要がないからだと思われます。

ニシキヘビやアナコンダなど、「大蛇」といわれる種には牙はなく、毒を持たないのです。

獲物の身体に巻きつき、呼吸のリズムに合わせて、呼気を吐き出して身体がしぼむたびに少しずつ締めていけば、獲物は吸気することができなくなり、ほどなく窒息して死んでしまいます。

この方法だと、体力をそれほど使わずに絞め殺すことが可能なのです。

ただし巻きつく過程で獲物の方も必死で逃れようと暴れます。

これによりヘビ自身が負傷してしまうリスクも有るわけです。

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毒ヘビはひたすら毒が効くのを待つ!

毒ヘビは、獲物に巻きつくことはしません。

一瞬の攻撃で毒を注入したら、あとは毒が効いてきて獲物が弱るのを離れて傍観しながら待ちます。

弱ってグッタリして息も絶え絶えになった相手を一気に丸呑みにしてしまうのです。

これなら相手から反撃を受けることもありませんし、獲物に逃げられても毒が効いてくればすぐに動けなくなりますので、追いつくことも可能です。

しかもヘビ毒は唾液が高度に進化したものですので、消化能力を備えています。

毒殺された獲物は、消化吸収が促進されるようにすでに下ごしらえが終わっている状態なのです。

アゴが170度も開く!!

ヘビはその歯の構造から、獲物を丸呑みするしか食餌をする方法がありません。

小さく咬みちぎったり、切り裂いたりすることができないのです。

したがってアゴの発達が独自に進化しました。

俗にアゴをはずして獲物を飲み込むとされていますが、ちょっと違います。

人間を始めとした哺乳類では、上顎は頭骨にしっかりと固定されており、下顎だけが開閉する構造になっています。

ところがヘビでは下顎ばかりか上顎も頭骨と固定されておらず自由に動きます。

実際に上下顎の間には、更に2本の骨が連結されており、しかも関節構造を持つので、開口角度がかなり広く取れるようになっているのです。

後牙類といわれる毒牙が奥に付いている種では、開口角度が170度に達するほどです。

ヘビの下顎骨は左右別々に動く!!

ヘビの下顎骨も独特の形状をしています。

哺乳類の下顎骨は左右が一体になっていますので、アゴの力は強大で肉食動物では太い骨を咬み砕くことができるほどです。

ところが、ヘビの下顎骨は左右が分離されており、靭帯でつながっています。

この構造により、ヘビは左右の下顎骨を交互に前後に動かすことで、獲物を咥え込んだまま少しずつ奥に移動させて飲み込むことが可能なのです。

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頸さえ通れば飲み込める!

ヘビの体型で一番細くなっているのは頸の部分です。

ですから頸が拡げられる太さくらいまでなら、獲物を飲み込むことが可能だといえます。

そこから先は、肋骨が開いて太い腹部に収めるので、あとは獲物をゆっくりと消化していくだけです。

また、どうしても飲み込むことが無理だとなった場合、途中で吐き出すこともあります。

吐き出すときも一気にではなく、時間をかけて出すのです。

そういった場合、せっかく捕えた獲物をあきらめなければなりませんが、仕方ありません。

トビヘビは大空を舞う!!

さて、唐突ですが、ヘビが空を飛べるって知っていますか?

飛べるというよりも、ムササビなどのように大空を舞うという感じの方が近いでしょう。

ヘビの肋骨の構造が哺乳類と異なり、胸腹側に胸骨という骨がありませんので、肋骨の先端は固定されていません。

このために腹側を大きく開いて大きな獲物を飲み込むことが可能なのです。

また肋骨をほぼ水平に開くと、ローラーで轢かれたように、扁平に近いペシャンコな状態に変形することも可能なのです。

この能力を使い、大空を滑空することができる、トビヘビという種がいますのでご紹介します。

100メートルも大空を滑空するトビヘビ!

トビヘビは有鱗(ゆうりん)目ナミヘビ科トビヘビ属に含まれるヘビの総称で、東南アジアを中心に4種います。

体長は1~1.5メートルほどで、おもに樹上で生活しています。

身体を縮ませた状態から反動をつけて一気に飛びあがり、木から木へと移動します。

このとき肋骨を水平近くまで広げて腹部をくぼませるように扁平になります。

風の力を利用できれば、そのまま空を泳ぐように滑空することもあります。

まるで妖怪のイッタンモメンのような姿です。

最大で100メートルも滑空したという記録があるほどですので、まさに大空を舞うという感じです。

頭上をヘビが泳ぐように飛んでいったら、驚くというよりも圧巻でしょうね。

トビヘビの中でも、特にウスミドリトビヘビとパラダイストビヘビは、最も美しいヘビとしてもその容姿も珍重されています。

 

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ヘビ毒は2種類に大別される!

全世界におよそ3千種いるヘビ亜目の種のうち、その1/4に相当するコブラ科やクサリヘビ科など5科に属するヘビが毒を持っています。

ヘビ毒は大別すると神経毒と出血毒に分けられます。出血毒には、さらに筋肉毒、溶血毒(血液凝固阻害)が含まれます。

毒の強さでいえば、即死の可能性のある神経毒が上回りますが、日本には神経毒が主体の毒ヘビはいません。

ただし、どちらについても毒ヘビに咬まれたとき、どういった作用をもたらし、どう行動すれば良いのかを知っておくことは重要です。

日本の毒ヘビは出血毒を持つ!!

コブラ科やウミヘビ科の種はおもに神経毒を持ち、クサリヘビ科やユウダ科の種はおもに出血毒を持ちます。

したがって日本にいる3種の毒ヘビ・・クサリヘビ科のマムシとハブ、ユウダ科のヤマカガシはすべて出血毒を持っているのです。

通常、毒ヘビは毒牙から分泌される毒液を、咬みつくことで相手の体内に注入します。

しかしドクフキコブラのような種では、相手の目を狙って毒液を吹きつけます。

また毒液は頰にある毒腺で作られて貯蔵され、導管によって毒牙まで運ばれます。

ただし、ヤマカガシのような種では、自分で生成する毒液とは別に、エサとして捕食したヒキガエルの毒=ブフォトキシンを頸部にある頸腺という組織に蓄えており、それを活用することがあります。

即効性の神経毒!!

コブラなどが持つ神経毒は、神経系に作用してその伝達を阻害します。

そのため筋肉の弛緩と収縮ができなくなり、筋肉麻痺やしびれを起こしてしまい、動くことができなくなってしまいます。

血液の循環や呼吸も筋肉の働きで動いていますので、心臓や肺に毒が回ってしまうと、心停止、呼吸停止が起こってしまうのです。

したがって神経毒を持つ毒ヘビに咬まれた場合、痛みを感じているヒマなどなく、即効的に作用して死に至ることがあるのです。

キングコブラでは、咬まれてから15分以内に死んでしまうというデータもあります。

相手を捕食するために使われる生物毒は、効率の良さもあり、ほとんどが神経毒です。

ハブにはトリフリン、マムシにはアブロミンという神経毒様のタンパク質が見つかっています。

マムシの毒牙は開閉式!

マムシの上下顎には左右一対の牙があり、そのうち上顎の2本が管状の毒牙になっています。

この牙は「飛び出す絵本」のような折りたたみ式の構造になっており、通常口を閉じている時には上顎に張り付くように倒れ込んでいますが、口を大きく開けると、ほぼ垂直に立ち上がってきます。

獲物に咬みつくと、毒牙の先端から毒液が注入されます。マムシの場合は毒牙の内部は管状構造になって導管を介して毒腺と直結していますが、コブラなどでは毒牙の裏側が溝状になっており、毒腺の開口部は毒牙の根元にあります。

マムシの咬傷被害は年間3千人!!

マムシの動作は鈍く、通常はすばやい動きはあまりしません。

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敵が近づくとトグロを巻いて自衛の体勢を取り、体長の1/3ほどまで頭を延伸させて鎌首をもたげます。

 

威嚇音などを発することもありますが、敵とみなせば、すぐに咬みついてきます。

そのため毎年全国で3千人ほどがニホンマムシの咬傷被害に遭っています。そのうち死亡者は平均すると10人ほどです。

毒液の主成分は出血毒で、実はハブよりも強い毒素なのです。

しかしマムシは小型のヘビですから1回の毒の注入量が少なく、そのために致死率はそれほど高くはありません。

ただし的確な応急処置と、その後の治療を怠ると、組織の壊死を起こしたり、ショック症状を起こすことがあるので、要注意です。

通常治療は血清療法がおこなわれます。

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毒の強さを表す指標 LD50値

毒の強さを表す指標として、LD50値(半数致死量)というものがあります。

これは実験動物などに毒物を与えたとき、その半数が死亡する体重1kgあたりの用量をいいます。

ですから、その値が小さければ小さいほど少量で死に至りますので、強力な毒素だといえるのです。

この数値は、毒素の投与方法により多少の違いがあります。

注射の場合でも、皮下注射、筋肉注射、静脈注射などがありますし、口から飲み込ませる経口投与もあります。

ヘビ毒のLD50値はおもに皮下注射量で表されます。

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最も強い毒はヤマカガシが持っていた!!

日本国内には、3種類の毒へビがいますが、毒の強さの順位は以下のようになっています。

第1位 ヤマカガシ LD50=5.3mg/kg
第2位 マムシ   LD50=16mg/kg
第3位 ハブ    LD50=54mg/kg

意外なことに、身体が大きく猛毒を持つとされるハブの毒素の方が他の二種の毒ヘビに比べてもっとも弱く、マムシの方が3倍以上も強力だということになります。

最強のヤマカガシにいたっては、ハブの約10倍もの強さです。

マムシでは、咬傷事故数(3千人/年)は多いのに死亡者(10人/年)はそれほど多くありません。

これは前述したように、マムシの身体が小さく、一回あたりの毒の注入量が少ないからだと考えられています。

致死率ではハブもマムシも変わらない!

ハブは、その生息範囲がほとんど南西諸島に限定されますので、対象人口数が少なく、個体数も減ってきているので咬傷被害は年々減少してきています。

それでも年間で100人以上がハブに咬まれています。

ただし、その死亡者となるとごくまれで、年に一人いるかいないか程度です。

咬傷事故数から見た死亡者数=致死率を見ると、マムシ(10/3000)もハブ(0.5/100)もあまり変わらないようです。

マムシの毒はじわじわ効いて、体内の組織を破壊する!

マムシやハブ等のクサリヘビ科に属する毒へビの毒素は、出血毒が主体です。

その一部には神経毒も含まれており、より重篤な症状を起こすこともあります。

出血毒は、唾液と同様の消化液(消化酵素)が高度に発達したものです。

タンパク質を溶解する能力を持ち、血管組織をはじめ体内の組織を破壊してしまうことで、相手にダメージを与えます。

マムシに咬まれると、まずは注射針を突き刺したような痛みを感じますが、咬みつかれるのは一瞬です。

しばらくしてから毒素によるジンジンした激痛が始まり、傷口周囲に内出血が起こりはじめます。

この内出血によって皮下組織は血液に満たされて腫れあがり、痛みは徐々に強くなっていきます。

傷口は小さく、外出血はそれほど多くないにもかかわらず、血小板が凝集してしまうことで血液中の血小板数が減少し、止血作用が低下しまうのです。

さらに他に傷など出血部位があれば、そこからも持続性の出血が起こることがあります。

また筋肉組織も壊死を起こして骨格筋の溶解がはじまったり、腎機能低下や低血圧によるショック症状を招くこともあります。

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出血毒は後遺症を残すこともある!

この時点で毒の拡散を食い止めないと心臓や血管などの循環器系や腎臓等にも被害が拡大してしまい、重篤な場合には死に至ってしまいます。

出血毒は神経毒に比べて致死率は低いのですが、組織を破壊していくために激しく痛み、手足などの切断を始め、重篤な後遺症を残してしまうこともあります。

ただしマムシの毒液中には少量ながらコブラなどと同様の神経毒も含まれています。

これにより、斜視や複視などの視力障害が起こることがあります。

その他にも毒液中にはさまざまな物質が含まれており、注入された毒量や咬まれた部位によって症状はさまざまに現れます。

おもな毒素には、

① ブラジキニンを遊離する酵素=血管拡張を起こし、血圧を低下させる

② ホスフォリパーゼ=溶血作用に関与

③ トロンビン様酵素=血液凝固系に関与

④ アリルアシダーゼおよびエンドペプチターゼ=タンパク質分解酵素

が挙げられ、その他出血因子等も関与し、筋無力症状を起こすこともあります。

マムシはそこにいる!!

マムシは日本国内の山野にごく普通に存在しますので、遭遇すること自体は珍しくありません。

ですからこういった地域で生活したり、活動をすれば、確率は低くともマムシに咬まれる可能性があると言えるのです。

マムシは特に湿気を好みますので、河原でのキャンプや渓流釣り、山に近い地域での農作業などでは、遭遇の機会が増えます。

「もしかしたらそこにマムシが潜んでいるかもしれない」という警戒心は常に持っておいた方が良いのです。

おとなの脅しか、ありがたい忠告か!?

私も子どもの頃に田舎に行って昆虫採集などで山に入ろうとすると、よく地元のオジさんオバさんたちに「マムシに気をつけろよ!」と言われたものです。

最初は、遠くへ行くなという大人の脅しのように聞こえていたのですが、実際にマムシに遭遇し、咬まれかけてからはすっかり怖くなり、それは有難い忠告だったのだと思えるようになりました。

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昆虫採集でマムシと遭遇!!

私がクワガタ取りに出かけ、何の気なしにそばにあった朽木に飛び乗ると、その振動で驚いたのか、朽木の下からするっとマムシが出てきました。

その間わずか1メートル足らずです。

マムシは私を睨みつけるようにトグロを巻いて、舌を盛んに動かしていました。

あまりの突然の出来事に、私は身動きが取れなくなってしまいました。

「ヘビに睨まれたカエル」の気持ちがよくわかりました。

あと1メートル左方向で朽木に飛び乗っていたら、間違いなくガブリとやられていたことでしょう。

幸いにも一緒にいた従兄が気付いて、すぐにマムシに向かって棒を投げつけてくれたのでマムシはすぐに退散しましたが、そのとき一人だったらと思うと身がすくむ思いでした。

その日は恐怖でずっと足がケイレンしてしまい、上手く歩けませんでした。

万全のマムシ対策

それからは、昆虫採集はもちろん、藪や湿地に入る時にも、ものすごく警戒するようになりました。

こういったマムシのいそうな場所に行くときは、夏でも決して半ズボンやサンダル履きなどしません。

肌の露出を避けて長ズボンを履き、夏なら半そでは仕方がありませんが、軍手などをして、登山靴か長靴を履くのがベストです。

マムシの毒牙はそれほど長くないので、厚手の服の上からだとまず届かないと言われています。

露出した肌を直接咬まれるのが一番危険なのです。

またマムシは小型のヘビですから、こちらに飛びかかって来るようなことはまずありません。

せいぜい首を伸ばしても50センチくらいですから、それ以上近付かないようにして、すぐに退散すれば大丈夫です。

特に岩場や物陰に不意に近づいたり、腰をおろしたりしないようにしましょう。

もし疲れてしまい、そういった場所で休憩する時には、マムシがいないかどうか何度か足で蹴って振動を与え、安全を確認したほうが良いです。

自然環境の中に入っていく時には、マムシがいることを前提に考え、警戒心を常に持って行動した方が良いと思います。

自然と共存できる!?

以前、山の中にある親類の家に泊った時にムカデを目撃してしまいキモを潰しましたが、この家では、屋内にマムシが入ってくることもあるそうです。

そんな恐ろしい家によく住めるものだと思いましたが、慣れてしまえば、平気なようです。

ネズミが出て柱などをかじっても、マムシやアオダイショウがそれを退治してくれるそうです。

ヘビは人間を襲いに来るわけではありませんからね。

その家ではムカデが出ると、捕まえて油の中に入れてしまいます。

そうすれば、それで薬が出来上がるというわけで、かえって有難いと言った感じでした。

そこまで達観するのは私には無理ですが、うまく自然と共存できれば、それで良いのだと思います。

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マムシに咬まれるのは、ほとんど手だった!!

マムシの咬傷被害は年平均3千人ほどで、そのほとんどが手を咬まれています。

これは、咬傷事故が、農作業、山菜採り、キノコ狩りなどの際に起きた場合が多く、また素手でマムシを捕獲しようとして咬まれたケースもあります。

マムシに咬まれた場合、その傷跡は上下に4本の牙がありますので、4つできていることが多いのです。

ただし瞬間的に咬むことがほとんどですので、すべての牙が皮膚に食い込んでいない場合もあります。

毒は上顎の牙のみにありますから、まずはこの傷の確認とその処置、毒の吸い出し、毒の拡散の防止を考えて行動しなければなりません。

口で毒を吸い出してはいけない!!

マムシに咬まれると、針で突き刺したような痛みを伴い、毒の拡がりによって焼けつくような痛みが起こってきます。

このとき傷口から毒を吸い出す(排出)ことはとても効果的なのですが、口を使って吸いだすのは危険を伴うのでNGです。

口腔内にむし歯や歯周病、口内炎などの傷口があると、かえって毒が体内に侵入する危険を伴いますし、口の中には自覚症状のない傷が無数にある場合も多いのです。

ポイズンリムーバーなどの器具があれば、非常に重宝します。

マムシの毒は飲んでも大丈夫だ!!

マムシの毒は、たとえ咬まれなくても傷口から体内に入ると反応が起こります。

ところが元々は消化酵素を含んだタンパク質ですので、ヒトが飲み込んでも胃液で分解されるので無害だと言われています。

フグなどの毒は、外敵に捕食されないように備わっているのに対し、ヘビやサソリ、ムカデなどの毒は自分が捕食するために獲物を弱らせるためのものですから、それを食べて被害があったら意味がありません。

ですからマムシであろうと、コブラであろうと、サソリであろうと、フグのような手間を掛けずに調理して食べても大丈夫なのです。

ただし調理中に毒牙に触れて刺してしまったり、手指や口腔内、食道などの消化管に傷があれば、そこから毒素が侵入してしまいます。

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傷口を強く縛ってはいけない!!

マムシの毒の拡散を防ぐには、咬まれた場所よりも心臓に近い場所をヒモやタオルで縛ると良いのですが、強く縛ればよいというわけではありません。

血行を止めてしまうと毒の拡散は防げますが、傷口周囲の組織に悪影響を与えてしまい、回復が遅れてしまいます。

しかし、所詮素人がとっさの場合におこなう応急処置です。

動揺して、あたふたしながら応急処置に余計な時間をかけてしまうよりは、まずは一刻も早く病院に連れて行くことを最優先に考えてください。

マムシの毒はコブラなどの神経毒と違い、咬まれて即死するほどの威力はありません。

処置は早いに越したことはありませんが、慌てることはありませんので、落ち着いた行動を心がけてください。

肝心なのは、一刻も早く病院へ連れて行くこと!!

毒を排出し、毒の拡散を防ぐことができれば、治りを早めることができますが、肝心なのは最終的な処置です。一分一秒でも早く病院に連絡をし、病院に駆けつけてください。

マムシの咬傷事故での死亡例のほとんどは、症状を軽く見て病院に行かなかったり、行くのが遅れてしまって重症化した場合です。

毒が体内に残っていると、ゆっくり確実に全身を蝕んでいきますので、とにかくすぐに病院に行くようにして下さい!

救命救急医のマムシ咬傷事故の調査結果!

救命救急医のグループが2015年7月に全国調査の結果を発表しました。
それによれば、

『マムシに咬まれた場合、走ってでも構わないので、一刻も早く医療機関を受診する方が軽傷で済む!』とのことです。

従来は、走ると血行が促進され毒が全身に回ってしまうので、安静にして救急車の到着を待って病院に運ぶべきだとされてきました。

ところが、全国178症例について分析してみると、咬傷事故後走って来院してきた21人の受診までの平均時間はおよそ18分で、平均入院期間は5.9日でした。

それに対し、走らずに救急車の到着を待った157人は、受診までにおよそ84分かかり、入院期間は8.4日と2日半ほど長かったのです。

マムシに咬まれると、およそ30分後に腫れがピークになり、その後徐々に毒が全身に回るとされていますので、救急車がすぐ到着するならともかく、到着までに時間がかかりそうな状況なら、走ってでも構わないので、一分一秒でも早く受診したほうが有利だと言えるようです。

マムシの咬傷には、血清療法がおこなわれている!

医療機関では、通常マムシの咬傷に対して、抗毒素血清を静脈注射する処置がとられます。

咬まれてから6時間以内の血清投与が望ましいとされ、その後24時間は経過を見る必要がありますので、入院する場合がほとんどです。

血清投与にあたっては、血清自体でアレルギーを起こして、アナフィラキシーショックを呈することも少なくありませんので、注意が必要です。

マムシの抗毒素血清は、おもにウマの血液から作られています。

マムシから採取した毒液を少量だけウマに注射します。

これによりウマの体内では、マムシの毒素に対する抗体が作られるのです。

これを繰り返し、およそ半年かけて抗体を増やした血液を精製して、抗毒素血清が完成します。

ウマ一頭から、およそ300人分の抗毒素血清を作ることができるそうです。

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毒と薬は紙一重!

インターネットの記事で見つけましたが、アメリカの名門私立大学ライス大学では、ヘビの毒を使った止血材の開発が進んでいるそうです。

マムシ科のヘビ毒である「ハドロキソビン」を用いた薬剤を出血部に塗布すると、わずか数秒でゼリー状に固まりながら止血が可能だというのです。

本来は出血毒であるはずのマムシ科のヘビ毒に血液凝固作用があり、しかも止血材に応用されるというのは驚きです。

まだ研究段階だそうですが、将来期待できそうな気がします。

毒と薬は紙一重です。アシナガバチのハチ毒もガンに効果があるといわれて、研究が進んでいます。

今後の研究を待ちましょう。

記紀にも登場するヘビたち

ヘビは古くから日本人と馴染み深く、マムシは毒ヘビとして恐れられていたほか、アオダイショウのアルビノ(白化個体)である「岩国のシロヘビ」は、神の使いとして崇められてもきました。

日本最古の書物である「古事記」や「日本書紀」にも、多くのヘビが登場しています。

スサノオが退治したのは有名なヤマタノオロチで、これは八つの頭を持つ大蛇のような化け物です。

元になった話は、マムシか巨大なアオダイショウかもしれません。

大国主はスサノオの娘スセリヒメと恋仲になり、スサノオによって毒ヘビの室に閉じ込められます。

スセリヒメからもらったヘビよけの布を使って難を逃れますが、次にムカデとハチの室に閉じ込められてしまいます。

毒ヘビ=マムシ、ムカデ、ハチ・・昔から毒を持った動物やムシの代表格でもあったようです。

マムシの語源とは?

マムシはヘビなのになぜ「ムシ」なのでしょうか?

マムシとは、現在の漢字表記は「蝮」ですが、「真虫」が語源だといわれています。

そもそもヘビは「長虫」とも表記され、虫の一種と考えられてきました。

そのなかでマムシは虫の王者、「虫の中の虫」という意味合いで、「真虫」になったようです。

古語、あるいは中国では、小動物は鳥と魚以外は「虫」の仲間と考えられていましたので「蛇」も虫偏で表記されています。

「蝦・蛯(エビ)」「蟹(カニ)」から「蠍(サソリ)」「蜈蚣(ムカデ)」、さらに「蝸牛(カタツムリ)」「蛤(ハマグリ)」「田螺(タニシ)」等の貝類に至るまで、こういった「虫」たちはすべて虫偏で表記されています。

少し話がズレますが、関西では、「ウナギ」のことを「マムシ」ということがあります。

ただしこれは毒ヘビであるマムシが由来ではなく、「鰻飯(まんめし)」がなまったものとか「間蒸し」が由来だとのことです。

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マムシの生命力を受け継げ!?

マムシはその生命力の強さや繁殖力を背景に、食料として、また漢方薬の材料として、その身体は余すところなく利用されてきました。

食用とする場合、捕らえたマムシの皮をはぎ、頭を切り落とし内臓を抜いた後にウナギなどのように身を焼いて食べるようです。

ただし頭を切り落としても動きますし、このとき毒牙が指に刺されば、咬まれたのと同じ目に遭いますので取り扱いは要注意です。

野生の個体には寄生虫がたくさん付いていますので、生食は止めたほうが良いです。

味は鶏肉のささみの部と変わらない、淡白なものです。

中国では普通にヘビを食べますし、毒の強いヘビほど高級だそうです。

薬膳料理ではヘビ毒を消す意味で菊の花びらをトッピングしてあります。

沖縄ではウミヘビを食べます。乾燥したモノを水で戻し、昆布と一緒に煮込みます。

マムシは1ヶ月絶食しても生きている!?

日本国内でのマムシの取り扱いとしては、その身などを焼いて食べずに丸ごと酒に漬け込むほうが一般的です。

地方に行けば、マムシの身を焼酎に漬け込んで「マムシ酒」として飲用している人を多く見かけます。

マムシの眼球を取り出してそのまま生で食することもあるようです。

「マムシ酒」をつくる場合、マムシ体内の排泄物などをすべて排出させるために一か月ほどエサを与えずに飼育します。

しかしその状況でもマムシはまったく問題なく生き続けていることが多いのです。

実は、これは生命力が旺盛であるということではなく、エネルギー消費の少ない変温動物であるゆえ、代謝量を極限まで抑えてその活動を冬眠に近い状態で維持しているからだと考えられています。

このようにして、マムシを丸ごと漬け込んだ「マムシ酒」は、全国各地で古くから珍重されてきました。

マムシの強精にあやかり、万病に効くとされていますが、その効果は科学的には実証されていません。あくまで民間療法の一つだということです。

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ドリンク剤に多用されるマムシの成分

漢方では、マムシを薬としてよく使います。

マムシの皮をはがし、内臓を取り除いた身を乾燥させたものを「反鼻(はんぴ)」と称しています。

また胆嚢を乾燥させたものは「蛇胆(じゃたん)」と呼ばれ、こちらも重宝されています。

これらを粉末状にして滋養強壮薬として服用しますが、解毒作用、内臓機能亢進、しびれなどに対してもその効果を期待されています。

科学的にも、強心作用や血色素の増加作用などは認められているようです。

現在日本国内で市販されている滋養強壮ドリンク剤にも「ハンピチンキ」としてこの「反鼻(はんぴ)」や「蛇胆(じゃたん)」が配合されているもの多数あります。

民間療法では、マムシの身を黒焼きにする場合もあります。

マムシの身の栄養価と利用価値!

マムシの身(反鼻)は栄養豊富ですので、食品として食べる価値は十分あります。

特に人体で合成できない必須アミノ酸が8種も含有されていますので、良質なタンパク源とも言えるのです。

また多くのペプチドも含んでおり、血流の改善やホルモン分泌を促進する作用もあるようです。

もう一つ言うなら、アルコールと一緒に摂取することで、これらの有効成分の吸収効率が上昇するとの報告がありますから、マムシの身を酒に漬けることには意味があるようです。

本来捨てられるマムシの皮(脱皮したモノ)には、「金運上昇」のご利益があるとされ、それを期待して財布に入れている人もよく見かけます。

またマムシの皮は、釣りのエサとして用いたり、乾燥させて包帯代わりに傷口に貼り付けたりと、いろいろな使われ方をしています。

本当に効果があるのかどうかは、ご本人次第ではありますが・・(笑)

マムシという「あだ名」を付けられた人

マムシは、日本人にとって身近な動物であり、しかも毒を持っていることもよく知られており、生命力が旺盛で、強烈な印象があります。こうしたイメージを重ね合わせて、クセの強い、バイタリティのある人物のあだ名や悪口によく使われてきました。

古くは戦国武将で「国盗り」の元祖でもある美濃の「斎藤道三」です。

「マムシの道三」の異名をとり、周囲の国から恐れられていましたが、先見の明もありました。自分の娘をまだ無名だった織田信長に嫁がせました。

戦後の相撲人気のさきがけとなった横綱『栃錦』も「マムシ」と呼ばれていました。

多彩な技と食らいついたら離れない粘り強さで、小さな身体にもかかわらず、第44代横綱にまで上り詰めました。

こういった特別な才能を持ち、周囲から恐れられた人など、数多くの「マムシ」がいます。

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1万人に1人のマムシ指

みなさんは「マムシ指」というのをご存知でしょうか?

正確には「短指症」といいますが、1万人に1人程度の確率で現れる指の奇形です。

おもに親指が扁平で、横に広がっており、そのつめが横長を呈します。

その名の由来は、先端の第一関節だけが極度に屈曲し、マムシが鎌首をもたげたように見えるからです。

遺伝的要素が強く、劣等感を持つヒトも多いようです。

特に女性にとっては指先を気にするヒトが多いようで、手術によって整形することを考える場合もあるようです。

日常生活には支障はありませんので、個性のひとつと考えるヒトもいますし、逆に金運がある、働き者であるなどの高評価を得ていることもあります。

手相の世界では、危険を察知する能力に長ける、成り上がりの相、反逆者の相などといわれています。

また俗説ですが、「マムシ指」は器用の象徴だというものもあります。

マムシによく似たマムシ草が生えている!!

マムシ草という植物があります。

北海道から九州まで日本全国に分布しています。

マムシの居そうな山地や原野の湿った地に生えることが多く、形状は非常に変化に富んでいます。

多年草で成長すると高さが50〜60センチにもなります。

葉の下部の偽茎と呼ばれる部位があり、そこが褐色を呈してまだら模様があります。

この模様がマムシの体色によく似ているので、マムシ草と呼ばれるようになったようです。

私見ですが、中央にある大きな葉が鎌首をもたげたマムシ(というよりもコブラに近い)に似ているようにも見えます。

やっぱりマムシ草には毒があった!

実はマムシ草は、「マムシ」の名に恥じず、その球根部に毒を持っています。

球根に含まれている毒も一種類でなく、針状の結晶になったシュウ酸カルシウム、溶血性のあるサポニン、ソクラテスが処刑されたときに飲まされたことで有名な神経毒のコニインの3種が含まれています。

球根を誤って食べてしまうと口腔内からのどまで激痛が走るそうです。

下痢や嘔吐を繰り返し、場合によっては心臓マヒを起こして死に至ることもあります。

まさに植物界の「マムシ」と言えます。

マムシ草、恐るべし・・

(ライター オニヤンマ)

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