ふわふわゆらゆら浮かんで、幻想的なクラゲ。
癒しを与えてくれて、じーっと飽きることなく見ていられるクラゲ。
ですが、そんなクラゲのなかにも、猛毒を持つクラゲもいます。
とても危険な「ハコクラゲ」についてご紹介していきます。
「ハコクラゲ」とは?
「ハコクラゲ」とは、刺胞動物門箱虫綱に属する水生無脊椎動物、簡単に言うとクラゲです。
ひとつのクラゲグループの名前を「ハコクラゲ」と呼び、2目に8科18属45種のクラゲが属しています。
箱の型をした傘を持つクラゲで、漢字では”箱水母”と書きます。
別名、立方クラゲ・立方体クラゲとも呼ばれます。
オーストラリアやフィリピンなどの熱帯各地の海に生息しています。
動きが早いクラゲで、プランクトンを食します。
ハコクラゲ=毒クラゲと言われていて、他のクラゲよりもかなり強い毒を持っています。
「ハコクラゲ」の目はすごい!
ハコクラゲは機能の異なる4種類の視覚系を持っているそうです。
そのひとつに、8メートル先までなら色と形を認識することのできる視覚系があるのです。
ハコクラゲは目が見えるんです!
しかも遠ーくまで。
ただふわ~っと浮いているだけではなく、自分で太陽の光がよく当たる場所も見つけ、移動しています。
「ハコクラゲ」の毒
ハコクラゲは、地球上で最も強い毒を持った”毒クラゲ”と言われています。
自己防衛の為にも毒を使うことがありますが、表皮の刺胞にある毒性の強い毒を使って敵に攻撃します。
ハコクラゲはボツリヌストキシンと言われる毒と、数種類の毒が混合したものを持っていて、致死率が最も高いと言われています。
“キロネックス”というハコクラゲ
キロネックス、別名オーストラリアウンバチクラゲは、大型の巨大なハコクラゲです。
「殺人クラゲ」とも言われているほどの猛毒を持っています。
人間が刺されると、1分で死ぬこともあるそうです。
キロネックスに刺されると、耐えられないほどの激痛に見舞われます。
ショック状態になって溺れたり、心臓麻痺で死んでしまうそうです。
生き延びた方でも、かなりの激痛が数週間ものあいだ続き、刺されたところはひどい傷跡が残ります。
オーストラリアでは、今までに5,000人を超える方がキロネックスの毒で死亡しています。
“イルカンジ”というハコクラゲ
イルカンジは、20mm程の小さなハコクラゲです。
ですが、キロネックスと肩を並べるほどの猛毒を持っていて、「小さな殺人鬼」とも言われています。
“イルカンジ症候群”と名が付くほど、イルカンジに刺されると、体中がとてつもない激痛に襲われ、モルヒネも効きません。
かなりの血圧上昇と動機も起こります。
ですがイルカンジに刺されても、刺されたことに気づかないほど痛みはありません。
“ハブクラゲ”というハコクラゲ
実は日本にもハコクラゲがいるんです!
沖縄や奄美などに生息しているハブクラゲは、「沖縄のキロネックス」と言われるほどの強い毒を持っています。
ハブクラゲに刺された箇所は、激痛とミミズ腫れになり、12時間経過した後には壊死を引き起こします。
意識障害、呼吸困難、心肺停止を起こすこともあります。
過去には、ハブクラゲに刺されて死亡した例もあるんですよ。
“アンドンクラゲ”というハコクラゲ
行灯のような体型をしているので「電気クラゲ」とも呼ばれているアンドンクラゲ。
お盆の時期、日本の海で見られるのがアンドンクラゲです。
ハコクラゲの中では毒性が弱いです。
飼育はとても難しいですが、唯一ハコクラゲのなかでペットとして飼うことが出来ます。
人間をも殺す毒を持つ「ハコクラゲ」
夏は思いっきり海水浴を楽しみたいですが、ハコクラゲで台無しにされたくないですね・・・。
(ライター 雲呑)