今からの季節、海水浴やサーフィンなどが楽しめる”夏”が訪れますね♪
楽しくてウキウキの夏ですが、浅い海辺には注意してください!
岩にそっくりの「オニダルマオコゼ」がひっそり潜んでいるんです。
生きた地雷とも呼ばれている危険な魚です。
「オニダルマオコゼ」とは?
「オニダルマオコゼ」は、インド~太平洋西部の熱帯域や台湾に生息している魚です。
日本では沖縄でよく見られ、小笠原諸島や屋久島などでも見られます。
とても強い毒を持っているので、危険な魚とされています。
夜行性で、小さな魚や甲殻類を食する肉食です。
浅い海のサンゴや岩の影などでじっとしています。
「オニダルマオコゼ」の顔
漢字では、鬼達磨虎魚、鬼達磨鰧と書きます。
「オニダルマオコゼ」の名前の由来は、オニオコゼの仲間だということ。
達磨のように丸みを帯びているということ。
オコゼの「オコ」は、顔が笑えるくらいに愚かで奇怪で醜いという意味があります。
なのでオニダルマオコゼは「鬼のように醜い魚」という意味になります。
顔が奇怪で笑えるとか、醜いとか、酷いですね・・・。
でも、オニダルマオコゼは本当に鬼のような怖い顔をしているんですよ!
「オニダルマオコゼ」の体
オニダルマオコゼの体は、”岩”のようです。
全身がコブ状の突起やくぼみで覆われていて、岩のような形をしています。
生息域に合わせて、黄色・赤色・灰色・黒褐色など多様な色に体を変えられます。
体長は40cmぐらいの大きさで、岩に小さな眼のようなものがちょこんと付いているように見えます。
ほんとに”岩”のようで、見間違える人がとても多いんです。
オニマダルマオコゼの英名が”Stone fish”と言われているのがよくわかります。
岩になりきり、動くこともなく、しまいには動かなすぎて体に苔まで生えてしまうオニダルマオコゼ。
岩に心があるような、岩が生きているような、そんな魚です。
「オニダルマオコゼ」の毒
オニダルマオコゼには、背びれに12~14本の棘があります。
その棘から、猛毒を出します。
この棘という名の”毒針”は、ビーチサンダルやダイビングブーツを履いていても、貫通して足の裏を刺されてしまうほど、とっても硬いんです!
オニダルマオコゼの毒は”ストナストキシン”と言われる神経毒になります。
オニオコゼ亜科の仲間は毒を持っていますが、オニダルマオコゼは特に毒性が強く、ハブの30~80倍の毒だと言われています。
オニダルマオコゼ1匹で、大人4人を殺せるほどの猛毒です。
オニダルマオコゼの毒で死んだ人間もいるほどです。
2010年には沖縄のダイビングインストラクターの男性がオニダルマオコゼに刺されて死亡した事例もあります。
オニダルマオコゼに刺されると、激痛が走り、腫れやしびれ、麻痺が出ます。
毒は血圧を低下させ、呼吸困難や心肺停止を引き起こすと言われています。
アナフィラキシーにも注意が必要です。
岩そっくりのオニダルマオコゼをうっかり踏んだり、触ったりして、刺されないように注意しましょう。
オニダルマオコゼは近くを歩いても、明るいライトで照らしてもまったく動かないので、
浅い海でスキューバーやシュノーケルなどを行う場合はうっかり触れないように、十分に気をつけましょう。
「オニダルマオコゼ」は食べられる?
人間が死ぬほど、とっても危険な魚ですが、オニダルマオコゼはとっても美味しいんですよ!
身は食用となっていて、白身です。
お刺身はもちろん、味噌汁やから揚げ、天ぷらも最高に美味しいのだそうです♪
毒があるので、捌くときには注意しながら慎重に行いましょう。
とても危険なオニダルマオコゼですが、沖縄では高級魚と言われています。
私も一度食べてみたくなりました♪
(ライター 雲呑)