立派な口髭が特徴的なナマズ。

地震を予知する魚と言われているナマズですが、彼らは一体どれくらい生きるのでしょう?

ナマズの寿命や生態について詳しくお話していきます。

ナマズの特徴

ナマズはナマズ目ナマズ科に属する硬骨魚類の1種です。

日本、中国、朝鮮半島、台湾など東アジアの河川や湖沼に生息する肉食性の淡水魚。

別名マナマズ、琵琶湖周辺の地域ではヘコキ共呼ばれています。

2005年に特定外来生物に指定されたアメリカナマズと区別し、ニホンナマズと呼ばれることもあります。

 

ナマズは中国大陸東部、朝鮮半島などの大陸部、台湾や日本等の島を含めた東アジア全域に広く分布しています。

ユーラシア大陸での分布はアムール川・シベリア東部からベトナム北部までで、流れの緩やかな河川、湖沼から水田、用水路などに生息。

岩礁域よりも水草の繁茂する泥底域に多く見られる生き物です。

 

日本には3種類にナマズが生息しており、代表的なのがマナマズで、他の2種は琵琶湖大鯰という琵琶湖と関連の水系の身に生息する日本固有種のビワコオオナマズとイワトコナマズです。

 

マナマズの分布は沖縄などの離島を除く全国各地の淡水・汽水域に幅広く分布しています。

日本在来の淡水魚は雑食の者が多いので、在来魚としては数少ない大型の肉食魚で、大きな体をくねらせてゆったりと泳ぎ、扁平な頭部と長い口髭、どん欲な食性を特徴としています。

ナマズの生態

マナマズは大きく扁平な頭部と幅広い口、長い口髭を持っています。

身体は全体的に左右に平たく側扁しますが、頭部は上下に潰れたように縦扁しています、

 

鱗がなく、体表はぬるぬるとした液体で覆われていて、目は小さく背中側寄りについているので腹側から見ることはできません。

体色や斑紋は変異に富んでおり、個体によって様々です。

 

全長は60㎝程度にまで達し、一般的にはオスの方が大きいと言われています。

口ひげは上顎と下顎に1対ずつで計4本あります。

幼魚の段階では下あごにもう1対で計6本の口髭を持っていますが、成長するにつれて消失します。

 

基本的に夜行性で昼間は流れの緩やかな平野部の河川・池沼・湖の水底で岩陰や水草の物陰に潜んでいます。

感覚器として八田宇した口髭を使ってエサを探し、ドジョウやタナゴなどの小魚やエビなどの甲殻類、昆虫、カエルなどの小動物を捕食します。

日本の淡水域の生態系では食物連鎖の上位に位置すると言われていて、一番の天敵は人間です。

 

活動水温は10~30℃で、冬場は泥の中や岩の間に隠れてほとんど動きません。

繁殖期は5~6月で、この時期になると水田や湖岸など浅井水域に集まってオスがメスの身体に巻き付くという独特の繁殖行動を行います。

3㎜程の卵は水草や水底に産卵され、2~3日ほどで孵化し、その翌日にはミジンコなどの餌を自分で摂るようになります。

ナマズの寿命

ナマズはオスで2年、メスで3年程経つと性成熟し寿命は一般的には10~15年と言われています。

しかし、長いものでは70年生きたという例も報告されており、かなり長寿の魚です。

ナマズと人間の関わり

日本においてナマズは古代から食用魚として漁獲されていましたが、他にも様々な文化の中に取り入れられた歴史を持ちます。

神経質でデリケートな性格から暴れたり、跳びはねることも多く、日本では中世以降地震と関連付けられて浮世絵を始めとする絵画の題材にされていました。

 

東アジア地域においてもマナマズを食用魚として利用しており、養殖もおこなわれています。

日本でも埼玉県や茨城県で養殖技術の開発が行われ、稚魚を霞ケ浦や印旛沼などの自然の推計に放流し、漁獲後市場出荷されています。

 

近年、近畿大学がマナマズの養殖方法を工夫することによって食味をウナギの味に近づけたウナギ味のナマズを発表しました。

今後ウナギのかば焼きならぬ、ナマズのかば焼きが食べられるようになるかもしれません。

(ライター ナオ)