冬はカニの美味しい季節ですよね。
カニ鍋にカニしゃぶ、どんな料理にしても美味しいカニ。
しかし、カニの中には猛毒を持っていて食べると命の危険があるやつもいることを知っていましたか?
え?毒があるカニなんているの!?という声が聞こえてきそうですね。
私も基本的にカニは毒なんか持っていなくて、美味しい不味いの差はあれど、どれでも食べられるものだと思っていました。
テレビのサバイバルとか自給自足系の企画でも、その辺で捕獲したカニを食料とするのは定番ですからね。
しかし、毒を持つカニというのは何種類かいるのです。
しかもその毒はかなり強力!
日本でも実際に毒蟹による死亡事故も起きているんですよ。
今回はその中の一種類「ウモレオウギガニ」についてお話します。
ウモレオウギガニってどんなカニ?
ウモレオウギガニは日本では鹿児島以南のサンゴ礁の海に生息しています。
しかし近年では和歌山県沖でもウモレオウギガニの生息が確認されており、地球温暖化に伴って北上してきている可能性があるようなので、どこの海でも油断は禁物。
甲幅は約5~8cmほどの大きさで、サンゴのすき間や岩陰に隠れて生活しています。
ハサミの先端が黒いのが特徴なので、見かけても絶対に食べないようにしてくださいね。
一見美味しそうに見えますが、毒があると思ってウモレオウギガニを見てみると、確かになんだか毒々しい見た目をしているような…。
ウモレオウギガニの猛毒!
ウモレオウギガニは「日本三大毒蟹」と呼ばれているほど、強力な毒を持っているカニなんです。
毒の種類は「テトロドトキシン」と「サキシトキシン」の2種類。
これらの毒、どちらも片方だけでも危険なのに2種類も持っているなんて、ウモレオウギガニ危険すぎる…。
カニの仲間の中では最強の毒を持つと言われるのも納得です。
テトロドトキシンはフグ毒として有名ですね。
体内に入ると約20分ほどで体が麻痺を起こし、最後は呼吸に必要な筋肉が麻痺することにより呼吸困難で死に至るというとても恐ろしい毒。
サキシトキシンも同様に神経系の麻痺毒で、体内に入ると30分ほどで四肢がしびれ、最終的には呼吸器にも麻痺が表れます。
これらの毒には有効な解毒剤も治療法もなく、一度口に入れて症状が出てしまえばあとは人工呼吸器で呼吸を確保し、毒が体から抜けるのを待つしかないそうです。
8時間以上もてば症状は回復に向かうと言われていますが、24時間以内に死亡してしまう可能性もかなり高いのです。
ウモレオウギガニは小さいながらも人間一人の致死量に十分な量の毒を持っているので、食べたら一巻の終わり。
しかもウモレオウギガニの毒は加熱しても全く無毒化されませんし、筋肉部分に毒があるのでフグのように毒のある部位だけ取り除くというわけにもいきません。
ですので、どんな調理法であってもウモレオウギガニは食べないようにしてください。
口にしなければほぼ害はありませんが、ごく稀に甲羅に毒が染み出している場合もあるようなので、むやみに触らないほうが良いでしょう。
虫やヘビとは違って、ハサミで挟まれたりしただけでは影響がないのが救いです。
ウモレオウギガニまとめ
カニはすごく美味しいですが、その辺のよくわからないカニを獲って食べるのはやめましょう。
どこにウモレオウギガニのような毒ガニが潜んでいるかわかりません。
国内でも、ウモレオウギガニを味噌汁にして食べた家族5人のうち2人が死亡するという痛ましい事故が起きています。
ウモレオウギガニは知名度が低い分、これから生息域を広げて行ったとしたらとても危険です。
「カニにも毒をもっているやつがいるんだ」ということをしっかりと覚えておいてくださいね。
そういう私も、釣りに行った時に偶然釣れたよくわからないカニを味噌汁にして食べたことがあるので、気を付けなければ…。
(ライター名 もんぷち)