「一番好きな魚はマグロだ!」という人は多いですね。
お寿司や刺身はもちろん、ステーキにしたり角煮にしたり、シーチキンだって美味しいですよね。
クロマグロに本マグロにキハダマグロにカジキマグロ!どれを食べても最高です。
が、しかしちょっと待ってください。
「カジキマグロ」って、実はマグロではないんですよ!
マグロって名前についてるのに、マグロじゃないってどういうこと?
見た目のイメージもなんとなく似ているし、同じマグロの仲間のような気がしますよね。
なかなか知る機会のないカジキマグロの実態について、とことん見ていきましょう。
カジキマグロってどんな魚?
まず初めに…実は「カジキマグロ」なんて魚は存在しないのです!
いきなりの衝撃的事実に驚いた人も多いのではないでしょうか。
カジキマグロとは、カジキがマグロに似ている点が多いことから付けられた俗称であり、正式にはカジキマグロなんて魚はいません。
ですのでもちろん、カジキマグロとマグロは仲間ではないんです。
漁業関係者の中でもカジキをカジキマグロと呼ぶ人もいるようなので、一般消費者の私たちが勘違いしてしまっても無理はないですね。
マグロはサバ科、カジキはスズキ目メカジキ科(またはマカジキ科)ですので、分類も全然違うんです。
カジキマグロ(今回は便宜上こう呼びます)は、剣のように鋭く伸びた上あご(吻)が特徴の大型肉食魚です。
長く伸びた吻は獲物を攻撃、またはサメなどから身を守るために使われます。
いかにサメと言えど、あの鋭い吻で一突きされたら、かなりの致命傷になりますね。
その前に、カジキマグロは泳ぐのが速いので、なかなか捕えられないようですが。
世界各地の温暖な海を遊泳しており、日本近海にも6種類のカジキの仲間が生息しています。
大きさは種類にもよりますが、小型種でも1m以上、大型種では4m以上に達する個体もいます。
4m以上もあるカジキマグロが手に入ったら、しばらく食べ物には困らなさそう。
最速のカジキ!その名も「バショウカジキ」
カジキマグロははとても泳ぐのが速い魚です。
時速100kmで遊泳する種類もいると考えられており、水中で最も早く泳ぐことのできる生き物としてギネスブックにも乗っているそうです。
体型や背びれ・尾びれも早く泳ぐのに適した形になっており、正に水中のスピードスター!
その速さゆえに接近してくる船などを避けられず、カジキマグロが衝突して浸水してしまったという事故も起こっているそう。
確かに、あんなに鋭い吻を持っているカジキマグロが時速100kmで突っ込んできたら、簡単に船に穴くらい開きそうですね。
そんなカジキの仲間の中で、最も泳ぐのが速いのが「バショウカジキ」。
上に書いた「時速100kmで遊泳する種類」というのがバショウカジキのことなのです。
体長3m以上、体重は100kg以上にもなる大型のカジキマグロであり、スポーツフィッシングの対象として人気があります。
他の種類に比べて沿岸に近付く性質があるのも人気の理由の一つ。
しかし本当にこんな速くて大きい魚が釣れるものなんでしょうか。
竿なんか簡単に折れてしまいそう。
実際、釣り上げるのにはかなりの体力と時間が必要なようです。
でも本当に釣れたらかなりの感動モノですね!
このバショウカジキ、スポーツフィッシングとしては人気ですが、食用としてはあまり市場に出回りません。
肉質は脂肪が少なく、他のカジキマグロに比べて味が薄いと言われています。
しかし鹿児島付近では秋の風物詩として親しまれており、刺身・照焼・フライなどにして食べられているそうです。
カジキマグロ まとめ
カジキマグロがマグロの仲間ではなかったというのはちょっと驚きですね。
でもこれで、間違った知識を披露して恥をかく心配がなくなりました。
これからは「カジキマグロ」ではなくて、きちんと「カジキ」と呼ぶようにしようと思います。