キマエラと呼ばれる謎のキモ可愛い!?深海魚をご存知でしょうか?
不思議な風貌のキマエラについて詳しくお話します。
キマエラの特徴
キマエラは全長60~140㎝で長い角のような鼻を持ち、水深700~2000mの深海に生息していると言われています。
体の3分の1が長い鼻で出来ていると言われるキマエラ。
背ビレには人間をも死に至らせるほどの強力な毒を持っていると言われています。
実はキマエラはギリシャ神話にライオンとヘビとヤギのハイブリッドという幻の生物として登場しています。
ロングノーズ・キマイラ
キマエラは北大西洋に3種類が生息していると言われています。
そのうちの1種であるロングノーズ・キマイラはまるで嘴のような長い鼻をもち、緑色に光るビーズのような眼球がついています。
胸の辺りからはまるで鳥の羽のような鰭が出ていて、体の表面はスライムのようにヌルヌルしています。
体全体が軟骨で覆われているのも何故が異常に不気味です。
ロングノーズ・キマイラは4億年前にサメから枝分かれしたとされていて、地球上で最も古い魚類。
引き上げた時に深海から一気に引き上げたために眼球が本来よりも膨れているような状態だったそう。
眼球は暗い深海のそこでも獲物を見つけられるように機能していて、日光などの光にのみ反応して光ります。
いかにも恐ろしい風貌のロングノーズ・キマイラですが、意外にもエサはエビやカニ。人間には全くむがいなのだそうです。
†深海魚の世界
ここで少し、深海の世界についてお話します。深海はまだまだ未知の生物が数多く存在していると言われていますが、そもそも深海とはどのくらいの深さの事を言うのかご存知でしょうか。
深海は、実は200m以上の海域のことを言います。
水深200mまでは太陽光の光で植物性プランクトンが光合成していますが、それより深くなると太陽光が届かないため生態系には大きな違いが出てきます。
深海を厳密に分類すると200~1000mまでは弱光層、それより深い場所は無光層、さらに細かい分類をする研究者もいます。
深海の最も深い場所は水深何メートル?
地球の海の平均水深は3,729mで海面面積の80%が深海部分に当たります。
水深4000~6000mには地球の表面積のほぼ半分を占めると言われている広大な深海底が広がっているのです。
最も深い場所は西太平洋のマリアナ海溝で、11,000mにも達します。
生き物にとってはどんな環境?
深海は高圧と低水温、暗黒、低酸素と生物が生息するには過酷な環境です。
人間にとっては10m以下ですべてのものが青く見え、200mを超えると色を感じない灰色の世界になります。そして400mを超えるところで人の視覚では知覚できない世界になります。
深海では植物性プランクトンが生息できない代わりに古細菌類の割合が増加します。
水温は1000m以下の地点で急激に下がり、300~1000m付近には塩分濃度が急激に変化する塩分躍層と言う層が存在します。
200mまでの海水は基本的に循環していますが、それ以下の深海と表層部分の海水が混合することはありません。
もちろん、水圧は水深が深くなればなるほど高くなります。
深海にはどんな生き物がいる?
深海にいる生き物は体内の水圧と周囲の水圧を同じにしています。
そのため、急激に引き上げられたりすると、体内のガスが膨張し、爆発してしまうという現象が度々起こります。
また、わずかな光を捕らえようとするために眼球が発達し、眼の大きな生物も増えます。
私たちに馴染みの深い食用のものでは、サクラエビ、ヒゲナガエビ、タカアシガニ、ズワイガニ、タラ、キンメダイ、アコウダイ等々。挙げればキリがありません。
キマイラもそんな深海生物の一種ということなのです。
(ライター ナオ)