タニシはメダカなどの小さな魚を水槽で飼育している人にとっては馴染みのある生き物かもしれません。

しかしその多くの場合、タニシを飼育しているつもりではないのに生息していて、そのまま放置することもあるようです。

勝手に現れるこのタニシはいったいどこからどのようにして水槽にやってきたのでしょうか。

タニシについて

実はタニシは自然界に広く生息しています。サイズが小さく存在感があまりないだけで、日本のみならず世界中のほとんどの大陸で生きています。

それぞれの地域で固有種がいることもあり、細かく分ければ数多くの種類がいますが、タニシ全体としてはとても広い生息域となっています。

 

淡水に生きるため水田などが多い日本やアジア近辺には種類も多く食用としての利用もされています。

このうち日本に生きるタニシは「マルタニシ」、「オオタニシ」、「ヒメタニシ」、「ナガタニシ」の4種です。ナガタニシだけは琵琶湖でしか見られないタニシですが、それ以外は国内の様々な場所で見ることができます。

 

タニシの多くは昔から水田に加えて用水路、池等に生息していて日本人との関りを持っていましたが、オオタニシとマルタニシについては輸入によって持ち込まれた種のようで、色んな地域で繁殖していることが問題視されることもあります。

 

タニシの特徴としてその食性が挙げられます。食事をするための手段としていくつかの方法を持っており、一つは石に生える藻類など表面に引っ付いているものを削り取るように食べる方法です。

 

さらに水底に沈む様々な腐敗物などを食べることもあります。

もう一つは水中に浮遊するものをかき込むようにして食べる方法です。

 

これはイメージとしてシロナガスクジラが自分よりはるかに小さいプランクトンを大量に口へと流し込むような状態です。

タニシはこうした性質をもっていることもあり多少環境に変化があっても生き延びることができるのです。

どこから水槽にやってくるのか

タニシは勝手に水槽内に湧いて出てくることがあります。

しかしタニシも生物であることに違いはなく、無から突然発生するわけではありません。

 

このときの多くのパターンは水草にタニシが付いていることに気づかずそのまま水槽に入れてしまうということです。

タニシが数匹付着している程度では注意して確認しないと発見できません。

 

そしてそのまま魚を飼育し始めると、タニシにとっても良い環境となり繁殖が行われ、数が増えることでようやく気付くことが出来るのです。

特にメダカを飼育しているとタニシが現れるといった情報をよく見かけますが、これはメダカを飼育する環境がタニシに合っていることが原因の一つです。

 

20度以上に保った水温だとタニシの繁殖も起こりやすいです。

またタニシには餌を与えていないのに生き続けるのは、上で説明した食性が関係しています。

水槽にはコケが生えてくることや、魚のフンがたまってきます。これはタニシにとっては餌となり得るので、人間から特別餌をもらう必要はありません。

タニシが水槽にいても害はない

タニシがいつの間にか水槽に生息していてもそれほど心配することはないです。

魚に危害を加えるような行動もしませんし、水槽内の環境を壊すようなこともしません。

 

逆にタニシは水質を良くしてくれることも分かっています。

水槽の壁にできるコケを食べることや魚のフンを食べるということは人間が手入れする手間が少しだけ省けるということです。

 

そのため少量のタニシであれば放置しておくのも良いです。

また一度発生したタニシが全滅した時などは環境に問題あると考えることもでき、水質変化の知らせ役としての利用もできるでしょう。

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