ジンベエザメは魚類最大種!
ジンベエザメはテンジクザメ目ジンベエザメ科に属する大型の軟骨魚類です。
ジンベイザメと書くこともあります。
ジンベエザメ科は単独種で、現生する全ての魚類の中で最大種になります。
ジンベエザメは古い種だった!
ジンベエザメは、約6000万年前の新生代古第三紀に登場したかなり古い種だと考えられています。
分類史上では、1828年に全長4.6メートルの個体が捕獲され、それが標本化されたものが最初とされています。
ジンベエザメの公式記録は全長13.7メートル!
ジンベエザメにおいては、かつて全長21メートルもある個体の報告がありましたが、これは正確な計測によるものではありません。
公式には、全長13.7メートルの個体が最大記録とされています。
ジンベエザメの皮膚の厚さは10センチもある!
ジンベエザメの身体は紡錘形をしており、頭部は扁平で幅広く、その幅は1.5メートルにもなります。
この幅広の口の中には細かな歯が300~350本ほどあります。
ジンベエザメの体色は青に近い灰色で、腹部のみが灰白色です。
ところどころに淡黄色の斑点があり、胴体には格子状の白い模様が入ります。
尾ヒレは三日月型を呈します。
皮膚はとても分厚く、10センチに達するものもいます。
ジンベエザメは世界中の温かい海にいる!
ジンベエザメは、熱帯から温帯にかけて、世界中の温かい海の表層海域に広く分布しています。
オスはこの海域を回遊しながら、おもに単独で生活しています。
メスは特定の海域に定着する傾向があります。
ただし実際には、湾内やサンゴ礁、河口付近にも入り込むことがありますし、水深700メートルでも目撃されています。
ジンベエザメは巨大だが、おとなしいサメ!
ジンベエザメは、巨大なサメといってもその性質は温厚でおとなしく、また非常に憶病でもあります。
ですから人を襲うことはありません。
ジンベエザメの動きは緩慢で、その遊泳速度は平均で時速4キロ、最大でも時速13キロほどです。
ジンベエザメは環境の変化に弱いため飼育は困難とされていますが、沖縄と大阪の水族館では、長期に飼育されています。
ジンベエザメは海水ごと飲み込む!
ジンベエザメはオキアミなどの小型の甲殻類やその幼生などのプランクトン、小魚や海藻などを食べます。
海水とともにそれらを一気に口腔内に吸い込み、それをクシ状の器官(サイハ)で漉し取ったのち、海水だけを吐き出すのです。
これを濾過摂食といいます。
ジンベエザメが好むプランクトンは海面付近に多いので、効率良く食餌をするために体を垂直近くにまで立てる事もあります。
ジンベエザメはこれだけの巨体になるのですから、それを維持するためにはもっと大型の魚類などを捕食してもおかしくないはずです。
ところが海洋では、ヒゲクジラやイトマキエイなどの巨大種でもプランクトン食である動物は意外と多いのです。
ジンベエザメのいる場所は好漁場!
ジンベエザメとイワシなどの小魚は、ともにプランクトンをエサとしていますので、生息域・活動域が重複することがよくあります。
またその小魚の群れを狙って中型の魚、さらにはそれを狙った大型の回遊魚の群れが近づくこともしばしばあります。
したがってジンベエザメのいる海域は、良好な漁場となっていることが多いのです。
ジンベエザメの繁殖はよくわかっていない!
ジンベエザメの繁殖はよくわかっていません。
ただ、繁殖力は弱く数年に一度程度しか出産しないと言われています。
かつては卵生と言われていましたが、妊娠中のメスが捕獲され卵胎生であることが判明しました。
メスの体内で孵化したのち、40~60センチに達した幼体が出産されます。
ジンベエザメはおよそ30年で成熟し、60~70年ほどの寿命であると言われますが、150年説もあるほど長寿な魚なのです。
ジンベエザメの天敵はシャチ!?
ジンベエザメの天敵として、よくシャチが挙げられています。
ただし、ジンベエザメとシャチの生息する海域が異なるので、実際にこの両種が出会うことはごく稀であると考えられています。
ジンベエザメの天敵は大型のサメ!?
また、大型のサメが天敵としてあげられることがあります。
ところがジンベエザメの皮膚の厚みが10センチ以上にもなるため、大型のサメであっても、なかなかこれを食いちぎることはできないであろうと考えられています。
ちなみにジンベエザメの皮膚の強度は、大型トラックのタイヤ並みで、釘を打ち付けてもその内側の筋力で弾き飛ばしてしまうといわれるほどです。
したがってジンベエザメを捕食する、天敵と呼べる動物はまずいません。
ただしジンベエザメの幼魚は小さく、皮膚も薄いので大型魚類を始め、多くの天敵が存在します。
ジンベエザメの天敵はやはりヒトだった!
ジンベエザメの生息数は年々減少しており、危急種扱いとなっています。
ワシントン条約でも付属書Ⅱに登録され、国際取引は制限されています。
ジンベエザメでは、その肉を好んで食すことはほとんどありませんが、ジンベエザメのフカヒレは最高級のものとされており、とても珍重されています。
したがって、乱獲は後を絶たないのです。
ですからジンベエザメの最大の天敵は、やはり人間ということになります。
(ライター オニヤンマ)