イカ釣りといえば夜。灯りをともし遠洋へゆくイカ釣り漁船や沿岸でのイカ釣り。
イカは主に夜行性の為、昔からイカ釣り船は明るいのです。あの灯りは集魚灯というものだそう。
昼間に釣る事もあるようですが、夜の方が多いようです。
海中を泳ぐイカたちの体の中には、何色の液体が流れているのでしょうか。
イカの個性的な生態
イカ類もまた大所帯です。体の大きさ、生息海域、それにともない生態も異なります。
イカ類はおよそ450種いるとされており、日本近海には140種も生息しているらしいです。
これでは日本人がイカ好きにならざるを得ないですね。
イカ類の特徴として脳や神経系の発達があります。
イカ類の体重に対する脳の重さは、哺乳類、鳥類に次ぐともいわれ、体内では食道に巻き付くようにして脳があります。
とても変わっています。
知り合いにそんなヒトはまずいません。
しかし、脳の発達の仕方を細かに研究していくと、イカの脳の分化はヒトに少し似ているようなところがあるそうですよ。
不可思議なのはイカの目です。
イカの目は感覚器などが発達している高性能タイプなのですが、そこから得たであろうおそらくは膨大な視覚的情報をどこで処理しているのかは不明だそうです。
ごく普通にヒト的に考えれば大脳でしょうがそうでもないらしく、イカは何を見ているのか、もしくはイカにとって目は我々が考えるような目ではないのかも知れないないですね。
片目だけが大きく発達したイカが見つかったそうですが、たまたま2つ付いているだけのものかも知れず、実は一つずつ別の機能を備えているだとか、などとつい考えてしまいます。
イカの心臓は3つあります。
イカ類の特徴など
タコの口も頭の裏側についていますが、イカ類はヒトなどとは上下逆さまの体の作りをしています。
さかさまといっても、どちらを上(頭?)にするか、捉え方によって変わってくる気がします。
イカの絵を描いて、と言われたらまず三角から描きたくなりますが、イカの本来の姿は10本の足が上という事になります。
足、頭、胴、みたいな順番です。
頭足類は貝類の仲間です。
イカやタコ、オウムガイなどが頭足類(鋼)、巻貝などの腹足類などが軟体動物門という大きなグループを形成しています。
種の多さでは昆虫などが属する節足動物門に次ぐ多さだそうです。
タコ類は殻や骨を持ちませんが、イカ類が体内に軟骨を持つのは貝の名残です。
甲は浮きの役目であり、背骨のような軟甲は筋肉を支えるものであるようです。
イカは高速で泳ぎ回る肉食の海洋生物です。
漏斗から噴射して縦横無尽に回遊するイカは、さながらロケットのようです。
浅瀬から深海までほぼ全海域に生息しているとみられ、主にオキアミや魚類が彼らの食べ物です。
イカの吸盤には細かなギザギザがついており、それで獲物が暴れないようがっちり捕らえます。
まだ生きている獲物を、発達した顎ですり潰してから流し込みます。
イカの脳の場所を考えると、食道より脳を優先させているようにも思えます。
ホタルイカは発光することが知られていますが、イカ類は200種ほどが発光するのだそう。
だいたい光ってますね。
自ら光るタイプとバクテリアを駆使して光るタイプがあるそうですよ。なんてハイテクなんでしょうか。
イカの血の色
イカの血は青です。
イカの血中に含まれるヘモシアニンという物質は、ヒトにとってはヘモグロビンのような役割を担っています。
ヒトのヘモグロビンが鉄を使い酸素を運搬していますが、ヘモシアニンは銅を使い酸素を運搬していると考えらえています。
ヘモシアニン自体は無色透明だそうです。
ヘモシアニンは、hemoが血液、cyanが青色、由来はギリシア語です。
さすが医学の父、ヒポクラテスの国ですね。
カブトガニの青い血液は医療業界で使われています。
細菌毒素に対して速く反応する成分が含まれており、ワクチンなどが汚染されていないか確かめる検査に使われているとの事です。
イカの青い血については詳しく分かっていない為、そういう事は行われてないようです。
イカの名前の由来
諸説ありますが、漢字では「烏賊」がよく見かけます。
イカが海面を気持ちよく泳いでいると、死んだイカと勘違いした鳥がつつこうとして反対にイカが手を伸ばして鳥を食べただとか。
イカの肉食具合と行動の速さを考えるとありそうでもあります。
この漢字を見ると、「魔笛」に出てくる鳥刺し男を思い出してしまいます(確かイカは出てきません)。
南米大陸のチリの首都近くにはイカ、という地名があります。
チリは東側がほぼ海なので、海産物が多彩であり、海藻類や一見岩に見えるホヤの仲間や大きなコウイカなども加熱して食べるようです。
大きなコウイカは現地ではjibiaと言うらしいですね。
びっくりなのはホヤの一種であるらしい、中身が真っ赤な海産物です。
イカについて
イカ類たちはまだ進化の伸びしろがありそうですね。
イカの大きな目も脳も神経システムも、イカとしてはまだ十全に完成していないのかも知れません。
(ライター:おもち)