Octopusは英語でタコです。

オクトパスの語源は古代ギリシア語で「オクタプース」と言い、意味は「8本足」です。

 

現在のギリシア語でも「クタボディ」=「8本足」だそう。タコを食べる国は欧州では珍しいそうですが、地中海沿岸、スペインやイタリア、ギリシアでもタコを食べるそうですよ。

ギリシアでは、タコの身を柔らかくする為に岩に打ち付けるシーンが某映画でも見られます。

 

最古の海洋文明が築かれていた事でも知られるギリシアでは、古代文明時代のものとされるタコの絵が描かれた壺も存在します。

このように、タコは生息海域が広く古来から生息している海洋生物でもあります。

最近では海洋の悪魔の汚名を返上し、タコの再生能力の高さが知られるようになっています。

タコの生態

タコは頭足類に属する軟体動物です。頭から直接足が生えているタコにはぴったりですね。

見た感じは頭部ですがタコにとっては胴部分であり、目やクチバシなどがあります。

タコの目は発達した構造になっており、目はわりと良いようですよ。

胴体部分には司令塔の様な役割を持つと考えられる脳が一つ、各触手には小さめの脳のような部位があります。

すべて合わせると脳は9つです。

 

足の部分は触手と呼ばれ、四対八本です。

タコ類は種が多く200種以上はいるらしいのですが、分類はあまりはっきりされていません。

 

日本人に人気のマダコは底棲性であり、主に冷たい海を好むようです。

マダコは明石ダコというブランドダコにもなり、大きいものでは3mほどだそうです。

意外にもタコの中には浮遊性といって海中を漂っている種もいます。

 

タコの触手のうち1本は交接腕といわれその先端部分に生殖器を持ちます。

交接は一生に一度行われ産卵後死んでしまう事も多いそうです。

 

寿命が短い事から「live first, die young」という言葉があるくらいです。

日本語だと産まれながらに生き急ぐ、のような塩梅でしょうか。

タコは基本的に一匹オオカミのように一生を送るようです。

 

心臓部分は血液や酸素を送るメイン心臓の他、2つのエラ心臓もあり、合わせると3つです。

ヒトの心臓は右心房右心室、左心房左心室などで構成されていますが個別に分かれてはいません。

タコが何故スペアのように心臓を多く持つかというと、運動能力の高さ、動きの俊敏さに関係しているといわれています。

 

タコの血は青です。タコやイカなど軟体動物やカニなどの甲殻類にみられるそうですが、血液中に銅の成分を多く含む種がおり、酸素と結合して青く見えるそうです。

しかし生きたタコの体の中を流れる血は無色透明です。

 

あくまで血液が体内に出た後に、空気中の酸素と結合し青く見えるようになります。

10円玉は錆びると緑青色に変わりますが、そのような現象なのでしょうか。

 

タコ類は、厚い筋肉の袋の中にあるエラのような部分を使って呼吸をしています。

窮地に陥ると胴のクチバシからスミを出しますが、煙幕のように薄いものなので食用にはなりません。

 

ちなみにタコの口は頭の裏側にあり、カラストンビといわれます。ヒョウモンダコ以外は人間に関係する毒を持っていません。

天敵はサメや人間など、タコ類は主に甲殻類を好んで食べているようです。

 

地球環境の悪化から生態系が崩れ個体数を減らす海洋生物が増える中、タコやイカなど触手を持つ頭足類の個体数は、何故か増えている事が分ってきました。

タコの持つ優れた順応性を証明する一つの事例です。

 

タコ類は数多の海洋生物の中では捕食者でもあり、被食者でもあります。

生態系の中間地点にいる頭足類の個体数が減少しない事によって、海洋生物や資源もギリギリ保たれているのかも知れません。

タコ足の再生能力について

タコはお腹が空くと自分の足を食べます。

そしてその足は再生します。

 

また、外敵に襲われると触手を切って逃げます。

足の再生は出来るようですが、足の数が多くなったりコントロールはうまくいかない事もあるようです。

 

触手にも脳があるとのことですが、脳も再生できているのでしょうか。

その辺りの事はまだ不明確のようです。

 

触手の再生のみならず吸盤の質感を隠したり、色合いも変幻自在な種もいます。

マダコの体色はよく変化する為、どうも茶色らしい、というくらいしか判りません。

 

タコやイカの個体数が増えている事を考え合わせると、触手の再生や神経系統に何等かの秘密があるように思えます。

タコは学習能力が高く俊敏なので、よく水族館から逃げ出します。

飼育が難しい生物でもあり、研究も難しいようです。

タコと日本人、食用について

タコは岩陰に隠れたり、触手の吸盤を最大限に活用してぺったりくっつく習性がある為、タコつぼ漁が考案されました。

日本にはいたるところにタコに関する民話や言葉などが存在する事から、昔からイカにタコを愛好してきたかが分ります。

 

タコ地蔵やタコ神社、タコ部屋、タコウィンナーにタコ八郎、タコ足配線など。

親しみ深いものからそうでないものまで沢山ありますね。

 

頭足類全体の個体数は微増しているものの、ここ数年の日本でのタコの漁獲高は減っています。

原因のひとつに、タコの獲りすぎと養殖が難しい事があげられます。

 

食用とされるタコは主にマダコ、ミズダコ、イイダコなどですが、一番人気はマダコのようです。

輸入量も増えています。

 

タコは栄養ドリンクに入っている程健康に良いタウリンが豊富であり、体の8割以上が筋肉でできていることから、低カロリーであり食用としての需要も年々高くなるばかりです。

食用という観点からも、タコの生態、飼育及び養殖が重要視されています。

 

たこつぼ購入権というものがあります。実際にたこつぼ漁をするわけではなく、そのたこつぼに入ったタコを購入する、といった権利を購入する事です。

しかしたこつぼに必ずタコが入り込むかどうかは不確実であり、また申し込みが混み合った場合購入権自体が抽選になる事もあり、スリルとサスペンスが伴う一種の宝くじ的な要素を持つものでもあります。

 

最近ではタコが壺に入らなかった場合、保険としてタコがついてくる企画もありますよ。

周りにタコが好きでたまらない、という人がいればたこつぼ購入権をプレゼントすると良いでしょう。

タコについて

タコをはじめ、頭足類には広い分野において能力の高さを思わせる行動がたくさんあるようです。

一個体の寿命は短いようですが成長が早く、次の命へのバトンパスも早く行われます。

その優れた知能と得体の知れなさを見込んで、欧州サッカーの試合の行方をパウル君(マダコ)に占わせたのかも知れませんね。

(ライター:おもち)