キラキラと水槽の中で光る熱帯魚。
忙しい日常をつかの間忘れさせてくれる癒しの存在です。
そんな癒しの魚としても、実験動物としても優秀なゼブラフィッシュをご紹介します。
ゼブラフィッシュってどんな魚?
ゼブラフィッシュはインド原産の小型の熱帯魚で、分類上は「コイ目コイ科ラスボラ亜科」になる、コイに近い種類の魚です。
体長は5㎝ほどで、コイの仲間に特徴的な咽喉の奥に歯のあるタイプ。
成体は体表に紺色の縦縞が入り、シマウマのような模様に見えることからこの名前が付けられました。
実験動物として優秀なゼブラフィッシュ
ゼブラフィッシュは研究分野の実験動物としてよく使われています。
成長が早いことと卵が透明で中の様子がよくわかること、また安価で手に入りやすく、脊椎動物なので人間との共通点が沢山あることなどがその理由として挙げられます。
ゼブラフィッシュは1対の雌雄から一日に多ければ300個ほどの卵が産まれ、その卵は透明で1㎜程度。実験用としてはとても扱いやすいサイズです。
受精後2~3日で初期発生を迎え、孵化したばかりの稚魚は3㎜程度の大きさがあります。
2~3か月後には性成熟し、次世代を残せるまでになるので、この点もサイクルが早く、実験用としてはとても便利というわけ。
欧米では個体形成や生体防御、遺伝病などの研究分野で幅広く使われているのですが、日本ではまだそれほど普及はしていないのだとか。
今後、日本でも研究分野での更なる広がりが期待できる魚です。
実は穏やかなゼビオフィッシュ
ゼビオフィッシュはとても活発で、素早く動き回りますが、性格的にはとても温和で、他の魚たちと混同して飼うことも出来ます。
しかし、一方で縄張り意識も強いのであまり狭い水槽内での飼育は向いていません。
上手に飼うことができれば5年ほど生きます。
ゼビオフィッシュの飼い方
ゼビオフィッシュは観賞用の熱帯魚としてはゼビオ・ダニオという名前で販売されています。
沢山の品種改良されたゼビオフィッシュがいて、背びれや胸ビレなどの色や形から好みのものを選ぶと飼育が楽しめます。
先にも書きましたが、ゼビオフィッシュは動きが活発なので、できるだけ鋭利なものは水槽内に入れないようにするのが無難です。
なぜなら、泳いでいる間に体を傷つけてしまう恐れがあるからです。
エサは雑食なのでいろいろなものを食べますが、水槽内を管理しやすいのはフレークフードなどでしょうか。
より早く、大きく成長させたい場合は赤虫などのたんぱく質豊富なエサを与えると大きくなります。
卵を孵化させてどんどん増やしていきたい時は、成熟したオスとメスを水槽の中に入れるようにしましょう。
2匹の交尾はだいたい日が昇ってから行われます。
2時間ほどかけて交尾をし、その後メスは水中にばらまくように産卵するのですが、この時に卵が付着するような水草やネットを水槽内に入れておくのが基本です。
水中に浮かんだままの卵はゼブラフィッシュたちが食べてしまう恐れもあります。
3日ほどで孵化した稚魚は1~2日ほどじっと水槽の底や壁で動かずにいます。
この間はエサは食べなくても大丈夫。少しずつ動き始めたら、稚魚用のエサを与えてください。
1か月もすれば、ゼビオフィッシュ特有のストライプ模様が浮かび上がってきます。
ここまでくれば、あとは丈夫なのでいつもと同じように世話をすればよいだけ。
ただし、水槽の上層部分を泳ぐことの多いゼビオフィッシュですから、同じく上層部を好むグッピーのような熱帯魚とは相性があまりよくないかもしれません。
混遊させる時にはお店の人とよく相談して、一緒の水槽で飼う魚を選ぶようにしましょう。
もちろん、ゼビオフィッシュのキラキラ光るストライプ模様は、一種類だけでも十分に水槽映えしますよ。