みなさんはワムシと聞いてどんな姿の生き物を想像しますか?
筆者は蛇などの爬虫類を想像していたため、この記事を書くにあたって調べた際とても驚きました。
そして調べていくにつれてとても興味深い生き物だと感じていきました。
みなさんにもこの驚きを少しでも感じていただきたいと思うので、名前を聞いてもピンと来なかった人は是非目を通していただきたいと思います。
ワムシとは?
ワムシは輪形動物と言われ淡水プランクトンの一種です。
水の中の小さい生き物として有名なゾウリムシやミジンコと同じような物のようです。
このワムシは淡水産の小さな生き物のなかでもっも重要な仲間の1つであると考えられており、特に稚魚などの小さな動物のエサとして役割を果たしているのです。
そんなワムシに該当する生物はたくさんあり、ワムシは個体名称というより種類の名前という感じでした。
ワムシの培養方法
ワムシは多くの種が単為生殖するので培養する際は環境とエサにだけ気を使ってあげれば大丈夫なようです。
培養方法の手順ですが、水温が20~33℃程度に保てるところに水槽を置きエアレーションを弱めにかけます。
この際水温が保てない場合パネルヒーターというもので対応するようです。
照明を当てると苔が生えてしまうので当てないようにしてください。
そうすると培養水のグリーン色が薄くなり、若干黄色っぽくなります。
これはワムシがクロレラ(緑色をした藻の仲間)を食べてしまったことを意味するので、クロレラを添加しまた黄色っぽくなったら添加するを繰り返していくとワムシは増えていきます。
ワムシの寿命は1週間しかありませんが、その間に3匹ものワムシを生みます。
もし、100匹のワムシを買ってきて培養を始めた場合1か月で8100匹になる計算です。とてつもない繁殖力ですよね。
なんでワムシを培養するの?
先ほど書いたようにワムシは稚魚などの小さな動物のエサとして重要な役割を果たしており、今では魚類の繁殖に欠かせないプランクトンとなっているようです。
このワムシの培養を始めたのは日本人で三重県立大学教授の伊藤教授が当時、害虫とされていたワムシに目をつけアユの稚魚のエサとしてワムシを与えた結果、アユの稚魚は成長し1回で1万匹の稚魚を育てられるまでになったのです。
これによってワムシの培養方法が研究されるようになっていきました。今ではわむし屋というワムシ専門店のようなものもあるようでした。
ワムシのお仕事
ワムシはただ稚魚のエサとなるだけでなく、水再生センターの水の汚れを処理する最も重要な役割を果たしている反応タンクで水に溶けた汚れを食べ、分解し、汚れを取り除いているのです。
水の中に溶け込んでしまった汚れはとても小さく簡単には取り除けないため、さらに小さい生物を使って浄化するという方法がとられているようです。
他にも反応タンクには200種類以上の小さな生物が活動している言われています。
偉大なるワムシ
今では稚魚の養殖や水質の浄化に必須と言っても過言ではないワムシですが、昔は害虫扱いされていたりとここ100年で大きく評価が変わった生物でしたね。
今回この記事の担当にならなかった場合私はおそらくワムシという生物のことを知ることはなかったでしょう。
このような生態系の一部を担っているに等しい生物であり我々の生活を支えてくれているワムシの知名度がもっと上がってほしいものです。
これを機にもっとプランクトンや微生物のような小さい生物がどのような所で活躍しているかなどに興味を持って調べていってもいいかもしれませんね。
おそらくワムシだけでなく我々の知らないところで生活を支えてくれている生物は少なくないでしょう、顕微鏡をのぞかないと彼らに会うことは難しいですが感謝の心は忘れないようにしたいですね。
(ライター ナカムラ)