「ゴミムシ」って知っていますか?
ゴミの虫なんて、なんかとっても嫌な名前ですよね。
嫌な名前を付けられた「ゴミムシ」って一体どんな虫なのでしょうか。
「ゴミムシ」の謎に迫りたいと思います。
「ゴミムシ」ってどんな虫?
「ゴミムシ(塵虫、芥虫)」は、コウチュウ目のオサムシ科に属しています。
北海道から九州の日本全域に約1000種が生息しています。
他には、朝鮮、ロシア、中国、シベリア、ヨーロッパなどの、ユーラシア大陸北部に見られます。
似ているゴミムシが多く、見分けが難しいと言われています。
ゴミムシの名前の由来ですが、ゴミの中にゴミムシの好物の小さな虫がたくさんいるので、ゴミムシはゴミの中でよく見かけられていました。
その為、「ゴミムシ」と言われるようになりました。
ゴミムシはゴミは食べません!
“ゴミの下やゴミの中などにいる虫”という意味があります。
「ゴミムシ」の特徴は?
ゴミムシは種類が多いので、様々な形や大きさをしていますが、ゴミムシの中型にあたる大きさは、体長約13mmです。
大きいサイズのゴミムシは、数cmの大きさがあると言われています。
一般的なゴミムシは、黒っぽい色をしています。
光沢のある緑や、藍の色を持っているゴミムシもいます。
糸状の触角を持っていて、ゴミムシを上から見ると細い卵形に見えるような体型をしています。
ゴミムシは活発で、よく歩き回り、飛びます。
ゴミムシは湿ったところが大好きです。
落ち葉やゴミの中、ミミズなどと一緒に石の下なんかに住んでいます。
ゴミムシは主に夜活動する夜行性で、電柱などの電灯などにもよく飛んできます。
「ゴミムシ」が食べるものは?
先ほども述べましたが、ゴミムシはゴミを食べることはありません!
一般的に見られるゴミムシは、通常、地上を歩いて小さな昆虫やカタツムリなどを食べます。
ですが、新鮮な死肉を食べる肉食の虫でもあります。
他にも、ブドウ、モモ、ブルーベリー、ヤーコンや種なども食べたりもするので、ゴミムシは何でも食べるんです!
ゴミムシの種類によっては、種しか食べないゴモクムシ亜科に属するゴミムシがいたり、カエルを丸ごと食べながら成長するアオゴミムシ亜科のオオキベリアオゴミムシもいます。
「ゴミムシ」の幼虫に欠かせないもの
ゴミムシの産卵は4月の中ごろから始まります。
幼虫は土の中で生活をして、小さな昆虫や腐植物などを食べます。
ゴミムシの幼虫に新鮮な蛾のサナギを与えると、ぐんぐん成長していき、成虫になります。
動物質なえさは、ゴミムシの成長にとってもっとも強力なパワーとなります。
ゴミムシの産卵のためにもとてもプラスになるんですよ。
ですが、幼虫が正常に成長していくためには、種子食が絶対必要となります。
種子を食さないゴミムシの幼虫は、性成熟が欠けたり、脱皮がうまくいかなかったりします。
「ゴミムシ」と人間の係わり
肉食の虫でおもしろいゴミムシは、飼育する方も増えています。
オオキベリアオゴミムシやメクラチビゴミムシなどが人気です。
タイやラオスなどに生息しているクワガタのような形をしていて、赤の光沢が綺麗な大型のアカヘリエンマゴミムシもかっこいいですよ。
基本的にゴミムシは人間の生活との関係はありません。
ゴミムシは、明かりに集まってきたりするので、照明などの明かりに飛んできて家の中に入ってきたりすることもあります。
窓を開けっ放しにせず、網戸をしたり、家の周りの雑草や落葉を掃除して、暗く湿った場所を作らないように日頃から心がけることが大切です。
また、ホソクビゴミムシ科のミイデラゴミムシなどは、とても臭くて皮膚が変色する毒液を出すので注意が必要です。
直接ゴミムシを手で触らないように、不快害虫用エアゾールなどで退治しましょう。
(ライター 雲呑)