暖かくなるといろんな虫が姿を見せますね。

しかし、虫というものは全般的に少し気持ち悪いビジュアルをしています。

一見美しく見えても、近くでよーく見るとやっぱり虫っぽくてゾワゾワしたりした経験はありませんか?

チョウなんかも、遠くから見ている分には綺麗ですけど、近くで見る気にはならないですね。

 

私達の身近に「アブ」という虫がいますが、これもハエのようないかにも虫!という感じのフォルムです。

しかしそんなアブの仲間に、虫とは思えないほど可愛らしいやつがいるんです。

その名も「トラツリアブ」。

虫なのに可愛いなんて、本当にそんなことがあるの?と疑った人もいるではないでしょうか。

そんな人にトラツリアブの魅力を伝えるべく、その生態や特徴を紹介していきます。

トラツリアブってどんな虫?

トラツリアブは体長約1cm程のハエの仲間です。

ハエの仲間といえども、その見た目は全然ハエとは違うんです。

トラツリアブの見た目を一言で表すなら、「ぬいぐるみ」か「ひよこ」。

 

羽と手足以外の体全体をもふもふとした毛が覆っており、真っ黒でつぶらな目がなんとも愛らしい外見をしています。

虫嫌いな人でも、このトラツリアブなら思わず触ってしまうかもしれません。

私も基本的に虫全般が苦手ですが、トラツリアブなら全然平気な気がします。

 

とても可愛らしいトラツリアブですが、可愛いのは実はメスだけなんです。

オスも一応ふわふわした感じではあるのですが、目の形がメスとは違って可愛くありません。

自然界ではオスのほうが美しかったり派手だったりするものが多いですが、トラツリアブはメスのほうが女子力高いです。

 トラツリアブのって刺すの?

いくら可愛い外見だと言ってもアブはアブ。

刺したりはしないのか?という疑問が湧いてきます。

アブに刺されると、患部が腫れあがり激痛や強い痒みを起こす場合があります。

もしトラツリアブに刺されてもそうなってしまうなら、ちょっと怖いですよね。

 

でも安心してください、トラツリアブは人を刺すことはありません。

人の手にとまっている写真なんかもありますから、もし近付いてきても逃げることはありません。

 トラツリアブ、絶滅の危機

こんなに可愛い虫なら、ぜひ実物を見てみたいですね。

果たしてどこに生息しているのでしょうか?

世界的に見ればユーラシア大陸に多く生息しているのですが、日本では一部の県でしか確認されていません。

今のところ岡山県で多く確認されており、その他にも九州や兵庫、大阪、山口、三重、愛媛などで確認されているそうです。

実は私、岡山県在住なので、もしかしたら身近で発見できるかもしれません。

 

しかし、そう簡単にはいきません。

トラツリアブの生息数は非常に少なく、現在も減少傾向にあると言われているのです。

ワンシーズンで確認できるのは100匹ほどとも言われています。

これは少ないですね。

実はトラツリアブはセグロイナゴの卵しょうに自分の卵を寄生させると言われているのですが、セグロイナゴ自体の数が激減しているので、それに伴ってトラツリアブの数も少なくなっているのでは、と考えられています。

 

また、トラツリアブはその可愛さから一躍話題になりましたが、その姿を見たい、撮影したいという人々が生息地に押し掛け、生息地が荒らされてしまうということも起こっています。

むやみやたらと自然の生態系に踏み入ることは、避けたほうが良いということですね。

トラツリアブのまとめ

虫嫌いの人でもメロメロになってしまうトラツリアブ。

生息数が少ないのが、非常に残念です。

もしこんな虫がそこらへんにたくさん飛んでいたら、癒されること間違いなしですよね。

少しずつでいいから、数が増えていってほしいものです。

(ライター名 もんぷち)

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