バッタは、バッタ目(直翅目)・バッタ亜目に分類される昆虫の総称です。
ここではバッタの卵について紹介します。
バッタの産卵方法
バッタの産卵の間隔は、飼育環境下だと、一週間程度だといわれています。
バッタのメスは、産卵が近づくと、おしりの先端を飼育箱の床面に付けて、産卵管を閉じたり開いたりを繰り返します。
このような状態になったら、産卵は間近です。
バッタの産卵は、土のなかにお尻を突き刺して、泡で包みながら少しずつ卵を産んでいきます。
なお、卵のかたまりは、スポンジのような泡におおわれており、これを卵鞘(らんしょう)と呼びます。
バッタのお尻は、産卵時には、土のなかでS字状に曲がって伸びています。
それを、ゆっくりと抜きながら産卵するので、卵鞘(らんしょう)は曲がったかたちをしています。
ちなみに、バッタはその種によって産卵数に違いがあります。
オンブバッタは、1個の卵鞘に40個くらいの卵が入っています。
トノサマバッタは、50個~100個ほどの卵が入っているようです。
バッタの腹部は、産卵後には少し細くなりますが、4~5日くらいで回復して、またもとのかたちに戻ります。
バッタの卵について
バッタの卵は、カマキリと同じような泡でできた卵鞘(らんしょう)に包まれて、1ヶ所に固めて産みつけられます。
時間がたつと、土中で卵鞘(らんしょう)が固まり、季節の変化や乾燥から卵を守ります。
ちなみに、飼育していると土のなかに卵を産まず、キャベツなどの葉物に卵を産みつけてしまうことがあるようです。
これは土や砂の深さが足りなかったり、土や砂の湿度が適当でなかったときにおこるそうです。
バッタの卵について、いくつかの種類を紹介
トノサマバッタ
トノサマバッタ(殿様飛蝗)は、バッタ目・バッタ科・トノサマバッタ属に分類される昆虫の一種です。
トノサマバッタは、年に2回発生します。
オスは後脚と翅を擦り合わせて発音しますが、これはメスへの求愛にも用いられます。
メスは腹部を下方に折り曲げて土中に挿しこみ、多数の卵が含まれたスポンジ状の卵塊を産みます。
一化目のメスが夏の始めに産む卵は、1ヵ月程度で孵化しますが、二化目が秋に産む卵は、越冬して翌年春になってから孵化します。
オンブバッタ
オンブバッタ(負飛蝗)は、バッタ目・オンブバッタ科に分類される昆虫の一種です。
和名の通り、メスの上にオスが乗っている姿がよく知られています。
オンブバッタは、土のなかに細い穴を掘り、穴の底に泡の塊を作って、そのなかに数十個の卵を一塊にして産卵します。
ちなみに、卵は両端が卵円形の細長い円筒状をしています。
ショウリョウバッタ
ショウリョウバッタ(精霊蝗虫)は、バッタ目・バッタ科に分類される昆虫の一種です。
日本に分布するバッタのなかでは最大種になります。
ショウリョウバッタの成虫は、秋に産卵すると死んでしまいます。
そしてショウリョウバッタの卵は、越冬し翌年の5~6月頃に孵化します。
幼虫は、イネ科植物の葉や双子葉植物の花を食べて急速に成長します。
6月中旬から7月の梅雨明けにかけて羽化して、11月頃まで生息します。
ツチイナゴ
ツチイナゴ(土蝗、または土稲子)は、バッタ目・イナゴ科に分類されるバッタの一種です。
日本に分布するバッタ類は、卵で越冬する種類ばかりですが、このツチイナゴはライフサイクルがちょうど半年ぶん逆転しており、成虫で越冬します。
ツチイナゴの卵は、1ヶ所にまとめて産みつけられ、泡のようなもので包まれて、およそ40日後に孵化します。
バッタの卵についてのまとめ
以上、バッタの卵についていかがでしたか?
バッタの卵は、カマキリの卵によく似ていて泡状の卵鞘(らんしょう)に包まれています。
土に産むので滅多に見る機会はありませんが、もしバッタを飼育することがあれば、注意深く観察してみてください。
知的好奇心が刺激されまくりですよ。
(ライター ジュン)