バッタはバッタでも頭の部分がしゅっととんがっていて、なんだかスマートでかっこいいバッタ、ショリョウバッタ。
昆虫の王様でもバッタの王様でもないけれど、どこか目を惹くショウリョウバッタです。
芸能人男性でいうと醤油タイプ?塩タイプ?(もうこの分類が古いんだっけ???)
ショウリョウバッタって?
ショウリョウバッタは別名をショウジョウバッタともいい、日本のバッタの中では最大級の大きさを誇ります。
斜めにとがった頭部が特徴的で、オスは5㎝ほど、メスは9㎝ほどの大きさになります。
触覚を合わせると全長は14~18㎝の大きさになる、存在感抜群のバッタです。
長年、北海道には生息していないといわれていましたが、20世紀に入ってからは北海道でもその存在が確認されるようになりました。
ショウリョウバッタの生態
ショウリョウバッタは5~6月にかけて孵化し、脱皮を繰り返して成虫になりますが、幼虫の時から既に成虫のショウリョウバッタの形をしているので、幼虫と成虫の見た目の違いはあまりありません。
見た目には、ただ大きさが違うだけということになりますが、実は幼虫は飛べず、触ってもぴょんぴょんと跳ねるだけなのです。
一方の成虫は翅を使って上手に飛んでいくことが出来るので、ちょっと刺激を与えれば成虫か幼虫かの判断はつくということですね。
メスは11月頃になると土の中に産卵し、その短い命を終えていきます。基本的に寿命は一年です。
茶色いショウリョウバッタと緑のショウリョウバッタがいますが、これは雄雌の違いなどではなく、育った環境によるものと考えられていて、土の多いところで育つと茶色、緑の多いところで育つと緑色になっていくと思われます。
敵から身を隠すための補色ということですね。
エサは主にイネ科の植物を好みます。
ススキやエノコログサなど、人が触ると、たまに切り傷が出来そうな草むらの中にいることが多い昆虫です。自分の見た目を同じく、しゅっとした植物が好きなんですねぇ。
ショウリョウバッタの名前の由来
ショウリョウバッタは8月の旧盆の頃によく見かけるバッタです。
旧盆の精霊流しの精霊船に形が似ていることからショウリョウバッタと名付けられたといわれています。
また、オスとメスの大きさが違いすぎるので、「天と地ほども違う」という意味の「霄壤」から、ショウジョウバッタという名前で呼ばれることもあります。
さらに、オスは縄張りを主張するため、飛び立つときに、翅をこすり合わせて「キチキチキチ」という音を出しながら飛び立ちます。
このことからチキチキバッタと呼ばれることもあるようです。
ショウリョウバッタの茶色い液
多くのバッタ類に共通していて、虫好きにはおなじみの茶色の液。
子供の頃「バッタが醤油を出す~~~」と大騒ぎしながら虫取りをしていたのを思い出します。
特にショウリョウバッタはこの液が出やすかったのか、皆の間で醤油バッタと呼んでいたようないなかったような・・・・
この茶色いジュースの正体は実は未消化の液体だそうです。
バッタたちは防衛手段として、最大限の抵抗をしていたということなんですね。
一説にはセミのおしっこのように、逃げる時に体を軽くして飛びやすくするためのとっさの行動という説もあるようですが、その真意は定かではありません。
ショウリョウバッタを飼育するなら
ショウリョウバッタを飼育するときは、とにかくたっぷりのイネ科の植物を一緒に入れてあげましょう。
それほどデリケートに管理する必要はありませんが、土も入れて、乾燥を防いであげることが必要です。
短い命ですので、11月になって産卵時期になったら、外の世界に放してあげるのが良いと思います。
(ライター ナオ)