皆さんはサバクトビバッタというバッタを知っていますか?
このバッタは、アフリカでは頻繁に大発生して農作物などに大きな被害を及ぼすと言われています。
他にも中等やアジアの農業でも被害が増え続けていて、問題視されている昆虫です。
世界の人口の10分の1の人々がこのサバクトビバッタの被害を受けていると言われています。
あらゆる場所で被害を起こしているサバクトビバッタとはどのようなバッタなのでしょうか?
今回はそんなサバクトビバッタの生態や特徴などについて紹介していきたいと思います☆
サバクトビバッタの歴史
サバクトビバッタの歴史は長く、紀元前13世紀頃から存在していると言われています。
旧約聖書『出エジプト記』10章12節では、風に乗ってやってきたサバクトビバッタがエジプトを襲う様子が記されています。
聖書によれば、このバッタのせいで人々は食物が無くなり、5ヶ月間もの間苦しんだとされています。
イスラム教の聖典コーランにも、サバクトビバッタによる被害状況が記されています。
なので、当時からサバクトビバッタは農作物を食い荒らすとして、悪魔のような存在だと恐れられていたんだそうです。
日本ではあまり馴染みのないバッタですが、実際毎年サバクトビバッタの集団が襲ってくると思うと恐ろしいですよね…。
サバクトビバッタの生態と特徴
サバクトビバッタはバッタ科のバッタです。
別名『サバクワタリバッタ』や『サバクバッタ』『エジプトツチイナゴ』などとも呼ばれています。
生息地は、主にアフリカの半砂漠地帯に生息しています。
体長は雄は約40mm~50mmで雌は50mm~60mmくらいの大きさで、体重は2g程です。
被害を及ぼすバッタ類の中では大型の部類に入るとされています。
体の特徴としましては、前翅は半透明で多数の斑点があり、後翅はほぼ透明で斑点が無いのが特徴です。
体の色は、成虫になって直ぐはピンク色で、しばらくするとバラ色や茶色やオレンジブラウンなどの色になっていきます。
雄雌の見分け方としましては、成熟した雄はくすんだ黄色で、雌は明るい黄色になります。
通常サバクトビバッタは単独行動をしていますが、天候の影響で餌となる草が無くなると餌場を求めて集まって来るので、自然と集団行動に変化していきます。
さらに、サバクトビバッタの体からは互いを引き寄せるフェロモンが発せられているので、仲間が次々と集まって来るのです。
しかし、このフェロモンは方向感覚を狂わせる働きがあるので3日程で群れは崩壊して、また単独行動に戻ります。
サバクトビバッタの移動速度
サバクトビバッタの移動速度は風速に近いと言われています。
一日当たりの飛行距離は100㎞~200㎞で、到達高度は最高で海抜2000mです。
これ以上は気温が低すぎるので上る事は出来ません。
1987年~1989年には、大量のサバクトビバッタが10日間かけてアフリカから大西洋を越えてカリブ海にまで到達したという記録があります。
群れは、最大で1200平方㎞を移動し、1平方㎞あたりに4000万から8000万が含まれているとされています。
このサバクトビバッタの寿命自体は3ヵ月~6カ月程ですが、群れは10世代~16世代に渡って増加を続けると言われています。
サバクトビバッタについてのまとめ
今回はサバクトビバッタについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?
幸いなことに日本には生息していないので安心ですね…。
しかし、サバクトビバッタが生息している地域はとても大変だと思います。
ですが彼らも生きて行く為には仕方ない事なのかもしれません。
ライターMISAKI