土の中からオケラを見つけると、オケラの胴体を掴んで「♪お前の〇〇ど~んだけ?」といってオケラが手を広げておピタッと止まる動きを利用し、そのサイズを競って遊んだのは、遠い昔のこと。
そんな遊びを知る人も今はあまりいないのかもしれません・・・・・
そんなどこか懐かしい昆虫オケラ。
オケラは簡単に飼育することはできるのでしょうか?
オケラについて詳しくお話します。
オケラの特徴と生態
オケラはバッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科・ケラ科に分類される昆虫の総称です。
草原や田んぼ、畑などの土中に巣穴を掘って地中生活をします。
巣穴は大まかにはねぐらとなる地面に深く掘られた縦穴と、そこから伸びる地表真下を縦横に走るエサを探すための横穴からなります。
前脚はモグラのような形をしていてとても太く頑丈です。この前脚を使って土をかき分けて土の中を進んでいきます。
成虫の体長は30㎜程ですが大型種では体長50㎜に達するものもいます。
全身が褐色で金色の短い毛がビロードのように密生し、他のキリギリス亜目昆虫と比べて触角や脚が短いのが特徴です。
頭部と前胸部は卵型で、後胸部・腹部は前胸部より幅が狭くなっています。
尾端には触覚と同じ位の長さの尾毛が2本あり、成虫には翅があり、長さは種類や個体によって異なりますが概ね前翅は短く、後ろ翅は長いのが特徴です。
オスは初夏に良く鳴き、巣穴を共鳴室として使い、地中にも関わらず十数メートル離れていても聞こえるほどの「ジーーーーーー」という大きな鳴き声を周囲に響かせます。メスも鳴きますが、一説には鳴き方が違っていて「ギロロ、ギロロ」と鳴くのだとか・・・
天敵は鳥類、カエル、イタチ、タヌキ、モグラなどで、ことにムクドリはオケラの多くいる環境ではオケラを良く摂取していることが知られています。
農薬の使用や開発による湿地の消失や水田の減少などの環境の変化でオケラやケラ類は世界各地で数を減らしています。
オケラの飼育方法
オケラはミドルサイズのプラスチックケースや水槽などで比較的簡単に飼育することができます。
ただし、オケラの動きや生態を楽しみたいと思ったら、大き目のケースに水場や流木などの自然に近い環境を作ることが重要。
床材には腐葉土や赤玉土、園芸用の土などを入れ、オケラが土に潜れるようにします。オケらがすっかり潜れるようにするため、その深さは最低でも10㎝以上にする必要があります。
また、地表に出てきた時に隠れ家になるように割れた鉢なども設置すると良いでしょう。
土が乾燥しないように定期的に霧吹きで調節するか、水苔や落ち葉など保温効果のあるものを床材に混ぜて使用すると良いでしょう。
化粧砂やゼオライト、砂利などは鑑賞性に優れていますがオケラ飼育には向きません。
ケースの上部にはしっかりと蓋をし、夜間にオケらが飛んで脱走しないようにしましょう。
エサは雑食で植物の根や昆虫ゼリー、小動物用の配合飼料などなんでもよく食べます。稀に活餌を捕獲して食べることがあるので複数飼育をしていると共食いをする可能性があります。
エサ切れを起こさないように注意しましょう。また、同じエサばかり与えていると飽きて食べなってしまうこともあるので色々なエサを与えるようにしましょう。
オケラを探そう
オケラを見つけるには土を掘り返して探さなければなりませんが、それほど見つけにくい昆虫でもありません。鳴き声を頼りに探すのも一つの方法です。
毒を持っているわけでもなく、噛みついたりするわけでもないので安心です。
オケラは長いもので2~3年程生きることもあり、丁寧に育てれば長いお付き合いになります。
ぜひ上手に飼って可愛いがってあげて下さいね。
(ライター ナオ)