皆さんはどのくらいカミキリムシの種類をご存知で、見たことや触ったことはどれくらいありますか?

カラフルな昆虫といえば南国にしかいないと思われがちですが、実は日本にも鮮やかで綺麗な模様をした昆虫が存在しています。それがカミキリムシ。今回はそんなカミキリムシの世界を少しだけまとめてみました。

アオカミキリ

アオカミキリは北海道、本州、四国、朝鮮半島に分布し、イタヤカエデ、イロハモミジ、クリ、ヤシャブ、ノリウツギ、リョウブなどの生える雑木林や林縁に生息しています。

それほど珍しい種類のカミキリムシではありませんが地域によってはなかなか見つからない場所もあり、東京都では絶滅危惧種、埼玉県、高知県では準絶滅危惧種に指定されているほどです。

 

幼虫がカエデ類やクリなどの木をエサにすることから、成虫が6~8月頃それらの木が植えられている公園の植物の葉の上にいることがあります。

また成虫は昼行性でアカメガシワ、ノリウツギなどの花をエサにしているので花の時期にはそれらの植物の周辺にも姿を現します。

外見的な特徴は体の背面がメタリックな緑色をしていることと体長が21~30㎜程度であることですが個体によって変異があるのも特徴で、中には赤っぽいものもいます。腹面は背面と違い艶のある金属光沢をしています。

ウスバカミキリ

ウスバカミキリは一部離島を除く日本全土と台湾、中国、朝鮮、ミャンマー等に分布し、多くの種類の広葉樹や針葉樹の木周辺に生息しています。

幼虫は木の枯死部または枯朽木、伐採木などに穴をあけて住み成虫は5~9月に出現します。

 

成虫の発生が最も多く見られるのは6~8月頃で、夜行性で飛翔性が高いので昼間は木の窪みなどに隠れ、夜間に樹液や灯火によく飛来するのでこの時期にトラップをかけると比較的簡単につかめることができます。

体長は30~55㎜程の大型で色は暗褐色。オスの上翅は茶褐色でメスの触角は短いという特徴もあります。

クロカミキリ

クロカミキリは日本全土、東南アジアなどに分布しています。

幼虫はアカマツ、クロマツ、モミ、トウヒ、カラマツ、スギ、ヒノキなどの地中の根部分や材部をエサとしているので、6~9月にかけては成虫もそのような場所の地中や伐採木周辺にいます。

また夜間は灯火に飛来して地面を歩いていることもあります。

体長は11~23㎜で、体はどちらかというとずんぐりとした円筒形。カミキリムシの印象とはちょっと離れていて小型のクワガタによく似ています。

名前の通り体色は黒色ですが光沢はありません。オスの上翅には3本の線が入り、触角は数珠状なのが特徴です。

 

ゴマダラカミキリ

ゴマダラカミキリは日本全土、離島では佐渡島、伊豆島、対馬、屋久島に分布しています。

幼虫も成虫もミカン類、ヤナギ類、クリ、クワ、イチジク、プラタナス、シラカバ等多くの植物の生木を食べることもあり、日本で最もよく見られる種類のカミキリのひとつ。

成虫は6~8月にかけて昼夜関係なく活動し、特に食樹の葉や若枝のみずみずしい樹皮を好み、樹幹や梢を歩行したり、周辺を飛翔しています。夜間は灯火にも飛来します。

体長は25~35㎜程で全身が黒く特に前翅は光沢のある黒色に白い斑点が並んでいてよく目立ちます。触角は体長の1.5倍ほどの長さがあり、黒と青の縞模様をしています。

ゴマダラカミキリの飼育方法とエサについて

シロスジカミキリ

シロスジカミキリはインド東部から朝鮮半島、日本まで東南アジアに広く分布しています。日本では本州以南に分布しますが標高の高い山地にはあまり生息していません。

幼虫はクリ、クヌギ、ナラなどのブナ科の樹木の生木の材部を食べ成虫もまた同様の樹種に依存して生活し、樹皮や芽を食べます。

成虫の出現時期は夏。夜行性なので日没から夜明けにかけて活動し、灯火にも飛来します。

昼間は木の梢や周囲の茂みなどに潜んでいますが日の陰っている時や森林内では明るい時間帯でも飛翔することも。

体長は50㎜程で体色は光沢のない灰褐色。前翅には黄色の斑紋や短い筋模様が並び、前胸の背中側にも2つの縦長の斑点があります。

これは死ぬと白色に変化し、これが名前の由来にもなっています。触角は体長の1~1.5倍程と長く、複眼や大顎が発達しているのも特徴です。

 

スギカミキリ

スギカミキリはサハリン、中国東北部、台湾、ニュージーランド、日本全土に広く分布し、広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、社寺境内、公園などに生息しています。

成虫の出現は3~5月で幼虫がスギやヒノキ、サワラなどを食樹とするためそれらの植物の枯れ木、倒木、生木の枯れ枝で多く見かけます。

1980年代に林業の分野でスギカミキリ被害が大きな問題となった時に防除対策が行われ一時は落ち着いたかに見えましたが、近年再び被害が増大していることからスギカミキリも比較的見つけやすいと考えられます。

体長は12~27㎜、体色は黒色で触角と肢は赤褐色を帯びています。上翅には2つの黄褐色紋があるのが特徴ですが個体によっては消失し全体が黒色化しているものもいます。

スギカミキリの生態

タイタンオオウスバカミキリ

タイタンオオウスバカミキリはベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ギアナ各国、北部から中部ブラジルに分布し、熱帯雨林に生息しています。

個体数が少なく、更に近年はその数が激減しているともいわれ絶滅危惧種にも指定されています。

世界最大のカミキリムシで世界最大の甲虫の1つでもあるタイタンオオウスバカミキリ。体長は最大で167㎜でヘラクレスオオカブトの175㎜にも迫る勢いです。

ヘラクレスオオカブトの場合、体長の半分は角が占めることを考えれば実際の見た目はタイタンオオウスバカミキリの方がずっと大きいと言えるでしょう。

体色は光沢のない茶褐色で触角は体長の半分ほどしかありませんが大顎は頑丈。生態については詳しいことはわかっていません。

 

トラフカミキリ

トラフカミキリは朝鮮、中国、台湾、日本全土に分布する一見オオスズメバチによく似たカミキリムシです。
クワやヤマグワなどのクワ属の幹をよく食べるので平地の桑畑跡などに多く生息しています。

成虫は7~9月に出現し、クワ以外でもクリやリンゴの木の皮、枯れ木や樹液をエサにする昼行性なので、日射しのあまり強すぎない昼間にこれらの植物付近で見つけることもできます。

体長は25㎜前後、黄褐色で黒い縞模様がありハチのようなのが最大の特徴ですがハチのように襲ってくることはありません。

スズメバチにそっくりなトラフカミキリってどんな虫?

ノコギリカミキリ

ノコギリカミキリは日本全土に分布し平地や低山地の針葉樹林に生息しているカミキリムシです。

幼虫は針葉樹の立ち枯れ、切り株の根、倒木の土中埋没部分に孔を開け、温度が高くやや腐朽の進んだ材を食すので成虫も食樹となる木のある場所に出現します。

出現時期は5~9月。夜行性ですが薄暗い森林内であれば日中でも飛翔活動等が見られ灯火にも飛来し、比較的見つけやすいカミキリです。

体長は23~48㎜。黒色で横幅の広いがっしりとした体格をし、一見ゴキブリのようにも見えます。名前の由来にもなっているノコギリは触角の形状のことで、触角がまるでノコギリの歯のようにギザギザしているところからつきました。

 

ベニカミキリ

ベニカミキリは朝鮮半島、中国、インドシナ、日本全土に分布し、幼虫は竹を食し、成虫はクリ、ハゼノキ、ナシ、ガマズミなどの花粉を食べるのでそれらの植物のある所に生息しています。

成虫は4~8月に出現し、花から花へよく飛び、飛んでいても紅色が目立つのでとても良く目立ちます。

体長は13~17㎜で体は黒色ですが翅が落ち着いた紅色をしているのが特徴。これは毒を持つベニボタル類に擬態した警告色とも言われています。

ホシベニカミキリ

ホシベニカミキリは台湾、中国、日本では太平洋側の関東以西、日本海側では石川県以西に分布し、海岸部など温暖な地域に生息しています。

幼虫も成虫もクスノキやタブノキの緑枝や針葉を食すのでこれらの植物のある場所にいることが多く、成虫は5~8月に出現します。

体長は18~25㎜で体色は黒色ですが翅は鮮紅色で大小の黒紋が左右対称に入り、胸部には1対の棘があるのが特徴です。触角はオスが体長の2倍程、メスでも1.3倍あります。

ミヤマカミキリ

ミヤマカミキリは日本全土に分布し、森林などに生息しています。ミヤマ=深山という名前がついていますが必ずしも山深い場所にいるとは限りません。

幼虫はブナ科の植物やイチジク、クリ、リンゴなどの果樹の材部を食べ、成虫は5~8月にかけて出現しクヌギなどの樹液をなめるのでそれらの植物のあることころで見かけることがあり、夜行性なので灯火などに飛来することもあります。

体長は32~57㎜で、日本に分布しているカミキリムシ科の中では最大種のひとつ。体色は褐色で外皮が褐色の微毛で覆われ前胸背板には横皺が入るのが特徴です。触角はオスが体よりも長く、メスは体より短くなります。

ルリボシカミキリ

ルリボシカミキリは日本の固有種で日本全土に広く分布していますが西日本での分布は局地的です。ブナやナラ、クルミ、シラカバ、カエデなどの広葉樹の雑木林に生息しています。

幼虫は枯死したブナ科とクルミ科の樹木の材部を食べて育つので成虫もそれらの木のある林で見ることができます。

成虫の出現は6~9月。昼行性で午前中は植物の花粉、果実、樹液などでエサを採り、それから繁殖の為に立ち枯れた広葉樹のある場所に移動します。近年森林開発によって生息数は減少していると言われています。

体長は16~30㎜の中型で、全身ビロード状の細かい毛で覆われ体色は緑色がかった青から淡い水色まで様々で前翅の3対の黒い紋様の形や大きさにも地域変異が見られます。

触角は体長の2倍程、節ごとに青と黒に色分けされた縞模様に見えます。

ルリボシカミキリが美しいと話題

カミキリムシの種類のまとめ

いかがでしたでしょうか。日本には今回ご紹介したい以外にも多くのカミキリムシが生息しています。以外にも身近な昆虫のひとつであるカミキリムシ。近くに公園や森林がある方はぜひ注意して見てみて下さい。