一見、カミキリムシとは別の昆虫のような見た目をしている「クロカミキリ」。
みなさんも一度は目にしたことはあるものの、もしかするとカミキリムシとは認識していないかもしれません。
そこで今回は、そんなクロカミキリの特徴や生態、そして飼育についても見ていきましょう!
クロカミキリの特徴
クロカミキリは、その名の通り頭から足の先まで、全身真っ黒なカミキリムシです。
大きさは12~25mmと、カミキリムシとしては平均的。
体に光沢は無く、ザラザラとしたマットな質感をしています。
しかし何より注目すべきは、カミキリムシ最大の特徴とも言える「触角」が短いことでしょう。
体長と同じくらいの触角をもつものも多い中、クロカミキリの触角は数珠状でとても短いのです。
このことから全くカミキリムシらしくない見た目をしていますが、やはり大きく鋭い「アゴ」は健在。
ぱっと見で「これは噛まれたら痛いだろうな」というのが分かるほど、アゴが発達しています。
カミキリムシというよりは、クワガタの仲間なのかな?と勘違いしてしまいそうな見た目ですね。
クロカミキリの生息地は?
クロカミキリは、シベリアやヨーロッパ、日本に生息しており、国内では北海道から九州まで広い範囲に分布しています。
成虫がよく見られるのは6~9月頃の夏の間で、マツ・スギ・ヒノキなど針葉樹の倒木などでよく見られます。
また、灯火に飛来してくることも多いため、比較的都市部で見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
とても地味なので、あまり記憶に残っていないかもしれませんが…。
クロカミキリの採集方法
クロカミキリの採集はさほど難しくはありませんが、ポイントは出現する場所や時間帯をよく見極めることです。
クロカミキリは夜行性のため、薄暗くなってからの採集のほうが、遭遇率は高くなります。
探す場所としては、上に挙げたような針葉樹の林…でも良いのですが、さすがに暗くなってから森林へと足を踏み入れるのはちょっと怖いですね。
そこでおすすめなのが、林の近くにある自動販売機などの灯火です。
彼らは灯火に集まる習性がありますから、そういった場所では高確率で遭遇することができるはずです。
そして更におすすめなスポットが、マツやスギの伐採木置き場。
時期によっては大量採集できるほど集まっていることもあるので、近くに伐採木置き場がある場合は、チェックしてみましょう。
ただし、所有者の許可はきちんととってくださいね。
姿を見つけることができれば、後は手や虫捕り網で捕獲すればOKです。
ただし素手で触ると噛まれる危険性があるので、軍手や手袋などをはめて捕まえるようにしましょう。
クロカミキリの飼育について
クロカミキリの飼育において気を付けなければならないのは、餌の確保と適切な湿度です。
昆虫ゼリーで育てられたら…と期待をしている人もいるかもしれませんが、基本的にクロカミキリは昆虫ゼリーでは飼育できません。
彼らの主な餌は針葉樹の根や樹皮ですから、ケースの底に針葉樹の樹皮を敷いてあげたり、根を入れてあげたりする必要があります。
リンゴやキュウリなども食べたりするようですが、そればかりに依存せずに、やはり樹皮などを用意するのがベストでしょう。
また、霧吹きをして常に適度な湿度を保ってあげることも大切です。
クロカミキリについてのまとめ
クロカミキリは、カミキリムシらしくないクワガタのような見た目が特徴です。
捕まえるためには、暗くなってから針葉樹や自動販売機の周辺を探すのが効率的。
そして飼育する場合には餌や湿度に気を付けましょう。
地味ながらもどこか魅力的な昆虫なので、ぜひ一度採集や飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(ライター もんぷち)