国内にも数多くのカミキリムシが生息していますが、その中で大型の部類に入る「シロスジカミキリ」。
身近なカミキリムシなので、一度は目にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
しかしその特徴について詳しく知っているという人は少ないはず…。
そこで今回は、シロスジカミキリの生態や特徴、そして飼育についてなど詳しく見ていきたいと思います!
シロスジカミキリの特徴
シロスジカミキリは、日本に生息しているフトカミキリ亜科の中で最大種。
その大きさは体長5㎝ほどにもなり、私たちがよく目にする2~3㎝ほどのカミキリムシと比べると、一回り大きいですね。
昆虫好きなら見つけるとちょっと嬉しい、だけど虫嫌いな人ならギョッとする…そんな大きさです。
シロスジカミキリの特徴は、前翅にある黄色い斑紋や筋模様。
胸の背中側にも、二つの黄色い斑点があります。
じつはこの黄色い模様、死ぬと白く変色することから、「シロスジカミキリ」という名前が付いたと言われています。
確かに、そのことを知らないと「なんで黄色い模様なのに、シロスジなんだろう?」と疑問に思いますよね。
ちなみに、上からは見えにくいですが、身体の側面には頭から尾部にかけて、白い筋が入っています。
カミキリムシ最大の特徴である触角は、体長と同じか1.5倍ほどの長さ。
これはメスよりもオスのほうが長い傾向にあります。
また、他のカミキリムシに比べるとシロスジカミキリは複眼が大きく、厳つい顔をしているのも特徴。
まじまじと顔を観察することはあまりないと思いますが、機会があればぜひ他のカミキリムシと見比べてみてください。
シロスジカミキリの生息地
シロスジカミキリはインド東部から日本まで、東南アジアに広く分布しています。
国内では本州以南に広く生息していますが、標高の高い山地ではあまり見かけません。
平地から低山地にかけての落葉広葉樹林が主な生息域であり、クリ、クヌギ、ナラなどのブナ科の樹木を好みます。
人が植えたクリなどにも出没するので、その場合は害虫として扱われることも。
シロスジカミキリの捕まえ方
シロスジカミキリはほぼ一生を同じ木に依存して暮らしているので、まずはクリやクヌギ、ナラなどのブナ科の樹木を見つけましょう。
成虫が出没するのは夏の間で、かつ夜行性なので、その時期の日没後に探すのが効率的。
しかし薄暗い森林や曇りの日などは日中でも活動していることがあるので、夜に出歩きたくないという場合はそういった場所やタイミングを狙いましょう。
また灯火に飛来する習性があるので、ライトトラップなどを仕掛けてみるのもいいでしょう。
捕獲の際は、必ず軍手や虫捕り網などを使い、素手で触らないようにしましょう。
シロスジカミキリは体が大きく噛む力も強いので、噛まれると出血する場合もあります。
十分に気を付けてください。
シロスジカミキリの飼育について
まず初めに知っておかなければならないのは、シロスジカミキリの寿命は成虫になってから3週間から1ヶ月ほどしかないということです。
飼い始めてすぐに死んでしまうことも十分考えられるので、あまり寿命が長くない生き物だということは頭に入れておきましょう。
そのうえで飼育するならば、まず風通しの良い虫かごに、クヌギなどの樹皮や枝、葉などを一緒に入れます。
乾燥のし過ぎや、逆に湿気が多すぎるのも良くないので、虫かごは風通しが良くかつ乾燥しにくい場所に置いてください。
夜行性なので、日光は当たらない場所でかまいません。
一緒に入れた樹皮や枝などを餌として齧りますが、リンゴやキュウリ、昆虫ゼリーなどを食べることもあるようです。
基本的にカミキリムシは成虫になった後あまり餌を食べませんが、さすがに何も食べないようならば、飼育は諦めて野生へ帰してあげましょう。
シロスジカミキリについてのまとめ
シロスジカミキリは、比較的よく見かけるカミキリムシの中でも、身体が大きく特徴的な見た目をしています。
他のカミキリムシと見分けるのは、そう難しくないでしょう。
飼育や捕獲の際は、噛まれないように十分注意してください。
(ライター もんぷち)