カミキリムシと言えば、誰でも一度は見たことのある身近な虫ですね。
彼らは虫の中でも特に種類が多く、その数は名前が付いているものだけでなんと2万種、日本国内に限定しても800種以上もの種類が存在すると言われています。
そんな数多のカミキリムシの中から今回紹介するのは、「シロスジカミキリ」。
シロスジカミキリとは一体、どんなカミキリムシなのでしょうか?
その特徴や見分け方などを、詳しく見ていきましょう!
シロスジカミキリってどんな虫?
シロスジカミキリは東南アジアに広く分布するカミキリムシであり、国内でも本州以南に生息しています。
雑木林などでよく見られますが、標高の高い場所は好まない傾向があります。
カミキリムシの中でも比較的大型の部類で、体調はおよそ5㎝前後。
触角は体長の1~1.5倍ほどあるので、それも含めた全長は10㎝を超えるということですね。
これはぱっと見でもギョッとする大きさではないでしょうか?
虫嫌いの人なら、思わず悲鳴を上げてしまいそうな大きさです…。
体色は黒がベースで、翅や胸にある黄色い斑点や短いスジ模様が特徴的。
黒いベースに黄色い模様なのに、なぜ「シロスジカミキリ」なのか?と疑問に思いますよね。
じつは、この黄色い模様は死ぬと白色に変化することから、シロスジカミキリという名前が付けられたのです。
死ぬと色が変わるなんて、なんだか不思議ですね。
他のカミキリムシもそうですが、このシロスジカミキリも人間にとっては害虫として駆除されることも。
シロスジカミキリの幼虫は、クリ、クヌギ、ナラなどのブナ科の樹木に寄生し、木を内側から食べていきます。
しかもシロスジカミキリは大きい上に成長に数年という時間がかかりますから、その間に木の内部がスカスカに食い荒らされてしまうことも…。
そうなると樹木の成長の妨げになるどころか、強風などで簡単に樹木が折れてしまい、再起不能になってしまうことも。
幼虫は見えないところにいる分、気付いた時には手遅れになっていそうですね…。
さらに、成虫は鋭い顎があって肉食っぽいですが、じつは幼虫と同じで樹木を餌としています。
飼育下では、カブトムシやクワガタ用の昆虫ゼリーなどを与えることもあるそうですよ。
シロスジカミキリの見分け方
カミキリムシはじつにたくさんの種類がいるので、パッと見では見分けるのが難しいですよね。
そこでここからは、シロスジカミキリを見分けるためのポイントを紹介したいと思います。
まず最もわかりやすい特徴はその大きさです。
国内では最大級の大きさを誇っているので、体長が5cmを超えるようならば、シロスジカミキリである可能性が高いと言えます。
他にも同じくらい大きくなる種類もいますが、上記のように特徴的な斑紋もありますので、見分けることはそう難しくありません。
(タイミング的にそう見られるものでもありませんが、死んだ後に斑紋が白くなったら、確実にシロスジカミキリですね。)
幼虫から成虫へと成長しても、同じようにブナ科の樹木に依存して生活をするので、どの樹で見かけたかというのも、判断材料の一つです。
ちなみに、オスとメスを見分けるには触角の長さを確認してください。
長いのがオス、短いのがメスです。
シロスジカミキリについてのまとめ
立派な体格と特徴的な模様のシロスジカミキリ。
見分けるコツは大きさと模様を見ることです。
近くに雑木林があるような場所では見かけることも多いかと思うので、機会があればぜひじっくりと観察してみてください。
また大きくてカッコイイということでペットとしても人気がありますから、興味がある人は飼育してみるのも楽しいかもしれませんね。
(ライター もんぷち)