イチジクの樹は、どちらかというと病害虫に強いようです。
ただ、カミキリムシがついてしまい発見が遅れるとどうしようもない状態になってしまいます。
カミキリムシについて
イチジクの樹につくカミキリムシの対策が難しい原因には、カミキリムシの幼虫が樹木の中に入り込み樹の内部の木質部を食べて成長し樹に穴が開いている事を発見しても、その時には既に遅い場合も多いからです。
カミキリムシが被害をもたらす樹木は主に、カエデ、クワ科、ミカン類などの柑橘系の樹木、エゴノキ、ビワ、梨、イチジクなど多岐にわたります。
イチジクにつくカミキリムシはゴマダラカミキリムシなどが多いようです。
日本全国に広く生息し見た目は黒っぽく白い斑点があり、長い触角とやや細長い体つきの昆虫です。
成虫の大きさは約3,5cmほどです。幼虫時代は白いような半透明の芋虫です。
カミキリムシの中には幼虫・成虫共に樹木を食べる種類がいます。
それも、朽ち果てた倒木ではなく、現在生きている樹木を好むのが特徴です。
とりわけイチジクの樹を好むようでもあります。
カミキリムシの幼虫がついた樹は中が空洞化し、生育に支障が出てイチジクのように果樹を結実させたい場合致命的ともいえる状態になってしまいます。
カミキリムシはテッポウムシとも呼ばれています。
テッポウムシとはカミキリムシが成虫になる時に幼虫が樹に開ける穴の形状の事です。
カミキリムシの行動
カミキリムシは、良さそうな樹木を見つけて根っこの部分に産卵します。
その数は300個ともいわれます。
卵の大きさは3mmくらいで、びっしり付いている事もあります。
産卵された卵はおおよそ10日で孵化します。
産卵時期は5月、6月の為に孵化する時期に微妙なずれが生じます。
そうなると、幼虫たちは次々に孵化しイチジクの樹の表面から徐々に樹を食べ進み内部に入り込み、トンネルを掘るように侵入してしまいます。
そのうち樹木に穴が開き、枝が枯れたようになり、周囲には木くずが散乱し、イチジクの結実も何も樹木本体に多大なダメージを与えています。
カミキリムシの幼虫は樹木の内部で越冬します。
翌年には樹を食べて成長したカミキリムシの成虫がぞろぞろと出てくるという事態になってしまいます。
カミキリムシを見つけるポイント
春先
カミキリムシが産卵した樹の部分には、樹皮の変色やヤニのようなものが見られます。
ここで卵を取り除ければ一番良いです。
5月から6月頃
幼虫が木質部を食い荒らすと穴が開きます。
周りには木くずが残っているはずです。
また、カミキリムシの糞も周辺にあるはずです。
カミキリムシの糞は一見木屑のようですが、見逃さないようにします。
イチジクの樹に穴が開くまで気付かないでいると、カミキリムシの駆除はますます困難になります。
初夏から夏頃
カミキリムシの成虫が葉を食べてしまいます。
枝の樹皮も食べるようで、葉や枝の剪定はしっかりしておきます。
食べられてしまった枝は切り落とすしかありません。
イチジクは夏に実をつける場合と、秋に実をつける場合があります。
夏に収穫したい時は6月頃に剪定し、秋に収穫する時は2~3月頃に剪定を行います。
結実するまでは2、3年ほどかかるようで、新しく出てきた枝の先に実をつけます。
その間葉や枝が密集しないように樹形を整える事でカミキリムシの痕跡を発見しやすくします。
カミキリムシの駆除方法について
幼虫が既に樹に穴を開けている場合
穴から駆除剤をスプレーします。
その時は樹の食べられていない部分に薬剤がつかないように注意します。
駆除剤はテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)用のものがあります。
成虫になってしまった場合
この段階になると、カミキリムシたちはイチジクの葉を食べにぞろぞろと出てきています。
葉には穴が開いているはずです。
これはもう、一匹ずつ捕まえて何とかするしかありません。
カミキリムシの数が多い場合は駆除剤を使うしかないでしょう。
カミキリムシの駆除
カミキリムシ及びその幼虫の被害を防ぐ為には産卵させない事が重要です。
遅くても卵の状態の時に見つける方がいいでしょう。
その為、よくイチジク樹の周囲を掃除し観察を怠らない事が大切です。
カミキリムシの幼虫が樹の内部まで入り込んでしまうと、イチジクにとって大事な木質部分を喰われている可能性があります。
樹の状態をはかるひとつの目安として、そんなに強い風が吹いていないのにイチジクの枝が変な風に折れてしまったりする場合、カミキリムシや何等かの原因で樹木が弱っている可能性があります。
いつもと違うな、という箇所を見つけたらすぐに手を打ちましょう。
(ライター:おもち)