地味な見た目とは裏腹に、その大きな体がとても目立つ「ウスバカミキリ」。

虫嫌いなら思わずギョッとしてしまいますが、虫好きな少年たちにとっては、見つけただけでテンションが上がる存在です。

今回は、そんなウスバカミキリの特徴や捕まえ方、そして飼育についても紹介していきたいと思います。

ウスバカミキリの特徴

ウスバカミキリは体長30~55mmにもなる、国内では最大級のカミキリムシの一つです。

ただし個体差や性差もあり、大きいメスでは60mmを超えることもありますが、小柄なオスでは30mmほどにとどまることも。

 

60mmもある個体を見つけたら、かなりテンションが上がりそうですね!

名前の由来にもなっているように、ウスバカミキリは上翅が薄く、まるで透けているように見えるのが特徴です。

(とはいえ、ぱっと見で「透けてる!」とわかるようなレベルではありませんが。)

 

体色は暗褐色か赤みがかった茶色をしており、体型はやや扁平で、ビジュアル的には結構地味。

木の幹などにひっついていると、ちょっと見つけにくいかもしれませんね。

その他の特徴としては、大顎が前方を剥いていることや、メスの産卵管が尾端から露出していることなどが挙げられます。

ウスバカミキリの生息地って?

ウスバカミキリは一部の離島などを除いて、ほぼ日本全土に分布。

生息域は広葉樹や針葉樹の森林で、昼間は衰弱した木や立ち枯れした木、倒木などに潜んでいます。

 

夜になるとそれらの木の表面で活動したり、樹液や灯火などに集まったりします。

最もよく成虫が出現するのは、5~9月頃で、特に6~8月頃が最盛期です。

ウスバカミキリの捕まえ方

ウスバカミキリは夜行性なため、日中は少し捕まえるのが難しいです。

もしも日中に探すならば、倒木や枯れ木の樹皮の内側や、洞などの中を探してみてください。

 

とは言え、最もおすすめな時間帯は日が暮れてから。

樹液に集まるので、日中のうちに樹液が出ている場所を見つけておき、夜にチェックしに行くという方法もおすすめです。

 

甘い液体を好むとも言われているので、砂糖水トラップなどを仕掛けておくのも良いかもしれません。

また、灯火に集まる習性もあるので、森林近くの自動販売機などの付近も探してみましょう。

捕獲の際は噛まれる心配があるので、虫捕り網や軍手などを使ってください。

ウスバカミキリの飼育方法

ウスバカミキリはあまり生態がハッキリとしていない昆虫なため、飼育は困難であると言われています。

それでもぜひ飼育したい!というのであれば、押さえておきたいポイントを少々紹介しますね。

 

まず餌については、何を食べるのかというのがよくわかっていません。

自然下では、成虫となった後に何かを食べている姿がほとんど観察されていないそうです。

 

飼育下においては果物や、砂糖水などの糖分の多い液体を食べることがあるので、そういったものを与えると良いでしょう。

元々カミキリムシは短命で数週間の命ですし、もし何も食べないようならば、潔く野生へと帰してあげてくださいね。

 

そしてもう一つ気を付けなければならないのは、同じケースで複数匹を飼育しないことです。

ウスバカミキリはかなり気性が荒いため、同じケースに入れるとすぐにケンカをはじめ、身体が欠損したりすることがよくあるのです。

複数匹いる場合は、必ずケースを分けて飼育しましょう。

ウスバカミキリについてのまとめ

ウスバカミキリは国内最大級のカミキリムシなので、一度はその迫力を生で見てみたいものです。

ほぼ日本全国に生息しているので、探すのはそう難しくないでしょう。

 

飼育は難しいようですが、どうしてもという場合はウスバカミキリの様子をよく観察しながら、飼ってみてください。

そして飼いきれないなと思ったら、野生へと帰してあげましょう。

(ライター もんぷち)